「Xperia XZ2 Premium」は何が新しい? XZ2やXZ Premiumと比較する

» 2018年04月17日 15時40分 公開
[田中聡ITmedia]

 ソニーモバイルコミュニケーションズが、新型スマートフォン「Xperia XZ2 Premium」を発表した。2018年2月にスペインのバルセロナで開催されたMobile World Congress 2018で「Xperia XZ2」と「Xperia XZ2 Compact」が発表されたが、これに続く新機種となる。

 MWCでソニーモバイルは2眼カメラの技術を発表しており、後継機に搭載することを予告していたが、このモデルがXperia XZ2 Premiumとなる。半年後の2018年9月に開催される「IFA 2018」あたりで発表するのかと思いきや、意外と早く登場した。

 このXperia XZ2 Premiumは、何が新しいのか。同じXZ2シリーズのXperia XZ2/XZ2 Compactや、Premiumの前モデル「Xperia XZ Premium」とは何が違うのか。主な特徴やスペックを比較していく。

Xperia XZ2 Premium 「Xperia XZ2 Premium」

ついにデュアルカメラを搭載

 まず注目したいのが「デュアルカメラ」だ。Xperia XZ2 Premiumは、Xperiaとしては初めて、背面に2つのカメラを搭載した。カラーセンサーとモノクロセンサーという構成で、有効画素数はカラー側が約1920万画素、モノクロ側が約1220万画素。センサーサイズはどちらも1/2.3型で従来のハイエンド機と同じだが、F値はモノクロセンサーが1.6、カラーセンサーが1.8となっており、従来の2.0から向上。より明るく撮影できることが期待される。焦点距離(35mmフィルム換算)はどちらのレンズも25mmで、従来機と同じ。

Xperia XZ2 Premium 背面にデュアルカメラを搭載

 カラーセンサーはXperia XZ2/XZ2 Comapct/XZ Premiumと同じもので、色情報を取得する役割を持つ。メモリ積層型のMotion Eye(モーションアイ)カメラシステムも健在で、先読み撮影をしたり、960fpsのスーパースローモーション映像を撮ったりできる。

 新たに搭載したモノクロセンサーでは、輝度の情報を取得する。2つのセンサーが読み取った情報を、ソニーが独自に開発した画像融合処理プロセッサ「AUBE」で融合させることで、暗いシーンでもノイズが少なく明るい写真を残せるという。最大ISO感度は、静止画撮影時が従来の12800から51200へ、動画撮影時が従来の4000から12800へ向上している。

 さらに、2つのカメラを活用した背景ぼかしや、モノクロセンサーを使ったモノクロ撮影も可能だが、これらの機能は、発売後のソフトウェアアップデートで実装される。

 カラーセンサー+モノクロセンサーの構成は、HuaweiのPシリーズやMateシリーズでもおなじみだが、Xperiaの独自ポイントは、AUBEを活用した高感度の写真を撮影できることだといえる。Huaweiの最新モデル「P20」や「P20 Pro」ともぜひ画質を比較したいところだ。

 インカメラは、Xperia XZ2/XZ2 Compactでは500万画素にスペックダウンしたが、Xperia XZ2 PremiumはXZ Premiumと同じ1300万画素に戻った。

大きく重くなった本体

 Xperia XZ2 PremiumのデザインはXZ2/XZ2 Comapctのテイストを継承しており、特にXZ2と共通部分が多い。表と裏側どちらも3Dガラスを採用しており、全般的に丸みを帯びている。角もそがれていて持ちやすそうだ。側面にはアルミのフレームを採用している。

Xperia XZ2 Premium 左からXperia XZ2 Premium、Xperia XZ2、Xperia XZ2 Compact。基本デザインは共通している
Xperia XZ2 Premium 角張っていたXperia XZ Premium(右)と比べると、Xperia XZ2 Premium(左)は丸く大きくなった

 一方、丸くなった分厚くもなっており、Xperia XZ Premiumの7.9mmから11.9mmに奥行き(厚さ)が増えている。幅はXZ2の72mm、XZ Premiumの77mmから80mmに増えている。重さはXZ2の198g、XZ Premiumの191gから236gにまで増えてしまい、なかなかのヘビー級だ。片手で長時間持ち続けると、手が疲れてしまうかもしれない。ワイヤレス充電への対応に伴い、背面にもガラスを採用したことが影響しているのだろうか。

 ディスプレイは、HDR表示対応の5.8型4K(2160×3840ピクセル)液晶を搭載。ディスプレイサイズはXperia XZ2比で0.1型、Xperia XZ Premium比で0.3型大きくなっている。さらに、Xperia XZ2 Premiumでは「RGBW(赤・緑・青・白)」画素を採用したことで、XZ Premium比で最大輝度が約30%向上している。

 スペックからは分かりにくいが、Xperia XZ2 Premiumの画面アスペクト比はXperia XZ2/XZ2 Compactの18:9(2:1)ではなく、Xperia XZ Premiumなど従来機種と同じ16:9。これが18:9なら、同じ5.8型でも横幅を抑えられただろうし、縦スクロール型コンテンツの情報量も増えるだけに、ちょっと残念だ。

 背面にはフォトライト、カメラ、指紋センサーなどが中央に配置されており、左右対称のデザインになっている。気になるのは、指紋センサーがXperia XZ2と同じくほぼ真ん中にあること。手にしたときに、誤ってカメラレンズを触れてしまいそうだ。2眼カメラは縦に配置されているが、これを横に配置して、指紋センサーをもう少し上に置いてほしかった。

Xperia XZ2 Premium 背面の比較。左からXperia XZ2 Premium、Xperia XZ2、Xperia XZ2 Compact

 その他、メインメモリはXperia XZ2/XZ2 Comapct/XZ Premiumの4GBから6GBに増え、バッテリー容量もこの中では最も大きい3540mAh。プロセッサはXZ2/XZ2 Compactと同じくSnapdragon 845を搭載する。

 コンテンツに合わせて本体が振動するダイナミックバイブレーションシステムや、前面のステレオスピーカーはXperia XZ2から継承している。3.5mmイヤフォンジャックは、XZ2/XZ2 Compactと同じくXZ2 Premiumでも見送られた。

機種名 Xperia XZ2 Premium Xperia XZ2 Xperia XZ2 Compact Xperia XZ Premium
OS Android 8.0 Android 8.0 Android 8.0 Android 7.1(バージョンアップで8.0に)
プロセッサ Qualcomm Snapdragon 845(8コア) Qualcomm Snapdragon 845(8コア) Qualcomm Snapdragon 845(8コア) Qualcomm Snapdragon 835(8コア)
メインメモリ 6GB 4GB 4GB 4GB
ストレージ 64GB 64GB 64GB 64GB
外部メモリ microSDXC(最大400GB) microSDXC(最大400GB) microSDXC(最大400GB) microSDXC(最大256GB)
ディスプレイ 約5.8型4K HDR液晶(RGBW画素) 約5.7型フルHD+ HDR TFT液晶 約5.0型フルHD+ HDR TFT液晶 約5.5型4K HDR TFT液晶
解像度 2160×3840ピクセル 1080×2160ピクセル 1080×2160ピクセル 2160×3840ピクセル
バッテリー容量 3540mAh 3180mAh 2870mAh 3230mAh
アウトカメラ 1920万画素CMOS(メモリ積層型)+1220万画素CMOS(モノクロ) 有効約1920万画素CMOS(メモリ積層型) 有効約1920万画素CMOS(メモリ積層型) 有効約1920万画素CMOS(メモリ積層型)
F値 F1.8(カラー)+F1.6(モノクロ) F2.0 F2.0 F2.0
焦点距離(35mmフィルム換算) 25mm 25mm 25mm 25mm
最大ISO感度(静止画/動画) 51200/12800 12800/4000 12800/4000 12800/4000
ボケ、モノクロ撮影
先読み撮影 ○(笑顔検出対応) ○(笑顔検出対応) ○(笑顔検出対応) ○(Android 8.0で笑顔検出に対応)
スーパースローモーション撮影 ○(フルHD対応) ○(フルHD対応) ○(フルHD対応)
3Dクリエーター ○(インカメラも対応) ○(インカメラも対応) ○(インカメラも対応) ○(Android 8.0で対応)
インカメラ 有効約1300万画素CMOS 有効約500万画素CMOS 有効約500万画素CMOS 有効約1300万画素CMOS
ボディーカラー クロームシルバー、クロームブラック リキッドブラック、リキッドシルバー、ディープグリーン、アッシュピンク ブラック、ホワイトシルバー、モスグリーン、コーラルピンク ディープシーブラック、ルミナスクロム、ブロンズピンク、ロッソ
サイズ 約80(幅)×158(高さ)×11.9(奥行き)mm 約72(幅)×153(高さ)×11.1(奥行き)mm 約65(幅)×135(高さ)×12.1(奥行き)mm 約77(幅)×156(高さ)×7.9(奥行き)mm
重量 約236g 約198g 約168g 約191g
防水 IP65、IP68 IP65、IP68 IP65、IP68 IP65、IP68
指紋センサー ○(背面) ○(背面) ○(背面) ○(側面)
3.5mmイヤフォンジャック
ワイヤレス充電

【更新:2018年4月20日10時57分 カメラレンズの焦点距離を追記しました。】

Xperia XZ2 Premiumは買いなのか

 Xperia XZ2シリーズの日本投入はまだアナウンスされていないが、例年の流れで行くと、大手キャリアから発売するとみてよい。その前提でXperia XZ2 Premiumは買いなのかを考えてみたい。

 XZ2シリーズの中では、「大きな4Kディスプレイ」や「デュアルカメラ」に魅力を感じるのなら、Xperia XZ2 Premiumを選ぶのがよい。一方、Xperia XZ2 Compactには「小型ボディー」という特徴があるが、早くもXZ2 Premiumが発表されたことで、Xperia XZ2の位置付けがやや中途半端になってしまった感もある。同じキャリアからXZ2 PremiumとXZ2が発売された場合、どちらを買うべきか悩ましいことになりそうだ。

 Xperia XZ Premiumとの比較では、デュアルカメラが大きな進化点だ。ただし、本体が大きく重くなった、イヤフォンジャックがなくなったなどマイナス点もある。

 まずは各キャリアの発表が待たれるが、2018年夏は、新しいXperiaファミリーが市場を盛り上げてくれそうだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月18日 更新
  1. 縦折りスマートフォン6機種のスペックを比較する サイズ/カメラ/価格の違いは? (2024年04月17日)
  2. ソフトバンク版iPhone 15 Pro、Pixel 8 Proの一部容量が実質24円 1年で買い替える人向け「新トクするサポート(プレミアム)」の内訳とは (2024年04月17日)
  3. 「ポケモンGO」大幅アップデート より自分に近いスタイル変更、現実世界を反映したビジュアルなど (2024年04月16日)
  4. Back Marketの「リファービッシュ製品」が中古と違うワケ 売れ筋はiPhone 13、バッテリー“100%保証”の計画も (2024年04月17日)
  5. 「なめてんの?」前澤友作さん、Metaの“他責的声明”に激怒 著名人なりすまし広告問題で (2024年04月17日)
  6. 「改正NTT法」が国会で成立 KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルが「強い懸念」表明 (2024年04月17日)
  7. HMDとハイネケン、透明で“退屈な”折りたたみ携帯を発表 (2024年04月17日)
  8. ソフトバンク、「新トクするサポート(プレミアム)」を4月18日に開始 対象機種は? 現行プログラムとの違いは? (2024年04月16日)
  9. バッファロー製Wi-Fiルーターに脆弱性 対象機種は今すぐファームウェア更新を (2024年04月17日)
  10. 「au PAY プリペイドカード」が4月23日にリニューアル タッチ決済に対応 「バーチャルカード」としての発行も可能に (2024年04月17日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年