ファンの声が後押しに――秋モデル「INFOBAR xv」を初夏に発表した理由

» 2018年07月12日 19時40分 公開
[井上翔,ITmedia]

 既報の通り、KDDIと沖縄セルラー電話は7月12日、京セラ製のAndroidケータイ「INFOBAR xv(インフォバーエックスブイ)」を発表した。

 INFOBAR xvは、auの2018年秋モデルとして発売される。10月31日から11月12日まで「21_21 DESIGN SIGHT」(東京都港区)で開催予定の「新・ケータイ INFOBAR展(仮)」が“発売前イベント”という位置付けということなので、少なくとも発売まであと3カ月はある。

 秋モデルであるINFOBAR xvを初夏の頃合いに発表したのはなぜなのだろうか。

INFOBAR xv INFOBAR xv(左からNISHIKIGOI、NASUKON、CHERRY BERRY)
NISHIKIGOI並べ 初代INFOBAR(左)、INFOBAR2(中)とINFOBAR xvのNISHIKIGOI(錦鯉)を並べる

「ファンの声」に応えて先行発表

山田靖久理事 商品・CS統括本部 副本部長の山田靖久理事

 2002年、auのブランド力向上を目的として「au Design Project」が始まった。その翌年、プロダクトデザイナーの深沢直人氏が作成したコンセプトデザイン「info.bar」をベースに、初代の「INFOBAR」が登場した。

 このINFOBARには、いまだに熱烈なファンがいるという。au Design Projectの15周年を記念して2017年にKDDIが開催した「ケータイの形態学展」では、後継機を求めるユーザーの声が少なくなかったという。また同社が同年にWebで実施した「おもいでケータイグランプリ」でも、INFOBARが713機種の頂点に輝いた。

思い出ケータイグランプリ 2017年の「おもいでケータイグランプリ」では初代INFOBARがグランプリに。ちなみに次点は2代目の「INFOBAR 2」だった

 同社の山田靖久理事は、これらのイベントを通して得られたINFOBARファンの声がINFOBAR xvの発売につながったと語る。

 先述の通りINFOBAR xvは“秋モデル”だが、「ファンの皆さんにいち早く伝えたかった」(山田理事)ため、「通常のラインアップとは異なるタイミング」(同)となる初夏のタイミングで発表することにしたとのことだ。

ファンの声が後押しに INFOBARファンの声が、INFOBAR xvの開発につながったという

「ストレートなケータイ」になった理由

砂原哲氏 プロダクト部の砂原哲氏(auオリジナルプロダクト担当)

 「二つ折り」の携帯電話が主流となりつつあった2003年。そんな風潮の中、初代INFOBARはあえてストレートボディーを採用。斬新なカラーバリエーションと相まって大きな話題を呼んだ。

 しかし現在は「大画面のスマートフォン」が携帯電話の主流。INFOBARシリーズでも過去に4機種のスマホを出している。スマホ最盛期の今、あえてAndroidベースのケータイ(KDDI風にいえば「ガラホ」)を、ストレートボディーで出すのはどうしてなのだろうか。

歴代INFOBAR 歴代のINFOBARシリーズ端末。うち4機種はスマートフォン(シャープ製の「INFOBAR C01」は「テンキー付きAndroidスマホ」)
深沢直人氏 深沢直人氏

 INFOBARシリーズのデザインを手がけてきたプロダクトデザイナーの深沢直人氏は、スマホ中心の時代の今、「持ち歩く電話として“携帯する”上で一番適正な形はどうなのか」考えたという。

 技術的なハードル(制約)なども踏まえ、折りたたみケータイとすることも検討したが、「人間の“携帯する”という行動にスッと入り込める」ことから、INFO“BAR”という名前も踏まえてバータイプ(ストレートボディー)のケータイとすることにしたようだ。

 あえてケータイとした理由は形状だけではない。

 深沢氏自身は普段スマホを使っており、「スマホの進化と共にアプリも進化してきた」と評価する一方、「(スマホには)アプリが入りすぎている」という問題意識も持っている。「持ち歩くのに適正な、最低限のアプリケーション(機能)だけが使える」ように、あえて機能追加に対する制約を加える意図を持ってケータイとしたのだ。

 なおINFOBAR xv自体はLINEや+メッセージにも対応しているため、必要最低限のコミュニケーションは取れるようになっている。

+メッセージ対応 INFOBAR xvはケータイとして初めて「+メッセージ」に対応。LINEと合わせて最低限のコミュニケーションは取れるようにはしている

 INFOBAR xvのテンキーは完全なフレームレス構造となっている。これは15年前では実現できなかったことで、深沢氏は「世界に誇って良い精緻な技術」と自信を見せた。

15年の技術の進歩 初代から15年の時を経て登場したINFOBAR xv

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