―― AIを製品に取り入れると何ができるようになるのか、いちユーザーとしても気になるところです。近い将来に「こういう機能を実装する」といった具体的な計画があれば教えてください。
万COO 弊社ではスマホやPC、その他の端末においてAIを活用するためのハードウェアプラットフォームを構築しました。
具体的な事例を挙げると、スマホ用のプロセッサでは、CPUやGPUに加えて(機械学習に関する処理を担う)「NPU(Neural Processing Unit)」を作り込んだものを用意しています(筆者注:Huaweiの子会社であるHiSiliconが開発した「Kirin 970」のこと)。
今後、弊社がやることとしては、CPU・GPU・NPUの機能を第三者のパートナーに全て開放することです。サードパーティーが(NPUの)AI機能を使うことで、いろいろなことができるようになります。
例えば2月に行われた「Mobile World Congress 2018」において、弊社のNPU搭載スマホをPorsche(ポルシェ)の自動車と接続して、スマホ側のカメラで物体を認識をして自動車の進行方向を変えるというデモンストレーションも実施しています。
最近、弊社は「GPU Turbo(ターボ)」という機能をリリースしました。この機能はアルゴリズムの最適化などによって、グラフィックのパフォーマンスを約30%向上しつつ、消費電力を約30%削減できるというものです。この機能をゲーム開発者が使えば、Huwaweiスマホにおいてスムーズな動作と消費電力抑制を両立できます。
弊社としてはNPUなどを活用してスマホのユーザー体験をより良くすることはもちろんですが、より重要なこととして、サードパーティーに機能(NPUやGPU Turbo)を解放することでアプリをより良く使えることを実現したいと考えています。
―― AI処理用のプロセッサ、あるいはソフトウェアはPCやタブレット製品にも展開するのでしょうか。
万COO ハイエンドからローエンドまで、AI機能は順次搭載されることになると思います。
ハイエンドモデルについてはより強力なAIプロセッサを搭載する一方、ミドルレンジ以下のモデルについては、コストパフォーマンスの良いAIプロセッサを搭載する、という形になるでしょう、
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