インタビュー
» 2018年10月04日 15時21分 公開

SIMロックフリースマホメーカーに聞く:2号機だけど「ほぼゼロベースで開発」 カード型ケータイ「NichePhone-S 4G」の勝算 (1/3)

カード型の超小型ケータイ「NichePhone-S」の後継機として「NichePhone-S 4G」が発売された。初めてLTEに対応したことで、中身はゼロベースで開発したという。通話やテザリングに機能を絞っているが、勝算はあるのだろうか。

[石野純也,ITmedia]

 スマートフォンが普及した一方で、その反動ともいえる“SNS疲れ”や“デジタルデトックス”が注目を集めるようになった。海外ではNokiaブランドを受け継いだHMDグローバルが過去のNokia端末を復刻。日本でも、auがテンキーを搭載した4G LTEケータイの「INFOBAR xv」を開発し、話題を集めた。主流と呼べるほどの数ではないかもしれないが、通話やSMSなどのコミュニケーションに特化した端末のニーズは根強く残っている。

 スマートフォンのアクセサリー販売を手掛けるフューチャーモデルの開発した「NichePhone-S 4G」も、そんな端末の1つだ。同モデルは3Gに対応した「NichePhone S」の後継機。超小型のボディーで、機能も通話やSMS、テザリングに絞られている。同モデルはフューチャーモデルがほぼゼロベースで開発したといい、先代のNichePhone Sでの不満を解消した端末に仕上がっている。

NichePhone-S 4G 「NichePhone-S」の後継機種でLTEに対応した「NichePhone-S 4G」

 一方で、SIMフリー市場を見ても、やはり主流派スマートフォンだが。NichePhoneという名の通り、市場規模はニッチのようにも見える。同社の勝算はどこにあるのか。フューチャーモデルの代表取締役社長を務める曲亮氏に話をうかがった。

満足度を高めてユーザー層を広げたかった

NichePhone-S 4G フューチャーモデルの曲亮社長

―― NichePhone-Sに続き、NichePhone-S 4Gも発売されました。後継機を出すに至った経緯を教えてください。

曲氏 3G版のNichePhone-Sを出したときに、対応キャリアが少なく、SIMカードもあまりなかったため、販売してもある程度条件が絞られてしまいました(3G用の設備を持たないMVNOのSIMカードは利用できない)。NichePhone-S 4Gを出したのは、もっとターゲットを広げていきたかったからです。

 また、3G版を出してみて、足りない部分があることも見えてきました。そのアンケートを見て、満足度をもっと高めたいと思ったのもNichePhone-S 4Gを開発した理由です。

―― 足りないところとは、具体的にどういった部分でしょうか。

曲氏 1つは電話帳を探すのが大変だったというところです。もう1つは日本語入力ですね。3Gのときは、Android標準の日本語入力を使いましたが、今回は富士ソフトさんの「FSKAREN」を搭載し、入力部分を変えることができました。

 データ通信もそうで、3Gのときは3GのSIMカードしか使えなかったことに加えて、テザリングを使っても速度が微妙という声がありました。今回は4Gなので、ちゃんと通信できるようになっています。

 本体は厚くなってしまいましたが、結果としてサイドボタンも付けることができ、音量の調整も通話しながらできます。これも、フィードバックをいただいて搭載したものです。ボタンが押しにくいという声もあったので、これも大きくしています。

 こうした声を3G版のユーザーから聞き、不満を改善するために新しい基板を使って、ゼロベースで開発しました。CPUもそうですし、ソフトも新しくなっています。

―― それでも価格はあまり変わっていません。

曲氏 正確に言うと、ちょっとだけ高くなっています(初代NichePhone-Sが9980円、今回のNichePhone-S 4Gが1万2800円。いずれも税別)。ただ、この商品は日本のユーザーに合わせて作ったものです。海外でもサムスンやノキアのSIMフリー端末がありますが、それだとやはりつまらない。違うところを狙っていきたいと思い、開発しました。スマートフォンは行き過ぎだと思っているところもあるので、逆にガラケー(従来型携帯電話)が欲しいという声も出てくるのではないでしょうか。

NichePhone-S 4G

初代NichePhone-Sは1万台以上売れた

―― 前回は想像以上に売れ行きがよかったと聞きました。

曲氏 出荷実績では、1万台を超えました。

―― やはり多いですね。

曲氏 比べる対象がないので、どうなんでしょうか(笑)。経営顧問の方には、「今までにない市場で、他は誰も作っていない。新しい市場としてプラスになっているので、成功ではないか」という評価をいただきました。一方、SIMフリー市場全体で見ると、そんなに多くはないと考えることもできます。

 NichePhone-Sのときはプロモーションをそこまでやっておらず、商品がメディアに注目されてその波に乗ったというのはありますが、まだまだ知らないユーザーはたくさんいます。NichePhone-S 4Gはもっと進化して使いやすくなっているので、数も出るのではないかと考えています。

―― 目標台数のようなものはありますか。

曲氏 前回の倍以上は行きたいですね。スマートフォンが行き過ぎたこともあって、ここ1〜2年で、このような端末に(ユーザーが)戻ってくるのではないでしょうか。LINEやIP電話の普及もあって、普通の通話をしなくなっているということはありますが、需要は少なくないと見ています。NichePhone-S 4Gが狙うのもそこです。

NichePhone-S 4G
       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

この記事が気に入ったら
ITmedia Mobile に「いいね!」しよう