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» 2019年01月31日 19時00分 公開

「au PAY」は後発でも戦える――KDDI高橋社長が語る強み

KDDIが4月にサービスを開始する予定の「au PAY」。バーコードやQRコードを用いる「コード決済」サービスとしては後発だが、KDDIの高橋誠社長には勝算があるようだ。

[井上翔,ITmedia]

 KDDIは1月31日、2018年度第3四半期決算を公表した。第1四半期からの累計業績では、au通信事業において減収となったものの、子会社MVNO(※)のモバイル通信事業、ライフデザイン(非通信)事業、法人向け事業や海外事業が好調だったことから、全体としては前年同期比で増収増益を維持した。

 現在、同社は「通信とライフデザインの融合」をテーマに、通信事業を主軸に起きつつ、ライフデザイン事業の拡大に注力している(参考記事)。その過程で、重要な意味を持ちそうなのが、4月にサービスを開始する予定のコード決済サービス「au PAY」だ。

※ UQコミュニケーションズとUQモバイル沖縄の「UQ mobile」、ジュピターテレコムの「J:COM MOBILE」、ビッグローブの「BIGLOBEモバイル」など

業績 2018年度の第1四半期から第3四半期までの累計連結業績。増収増益をキープした
増減 累積業績の増減要因
高橋社長 決算を説明する高橋誠社長

au PAYの強みは「3つ」

 日本では、すでに「Pay(ペイ)」の付くコード決済サービスが乱立気味。KDDIのau PAYはすでに“後発”とも言える。

 しかし、1月31日に行われた報道関係者向け決算説明会において、KDDIの高橋誠社長は「au PAYは後発でも戦える」という考えを示した。そこには、3つの“強み”があるからだ。

その1:au WALLETアプリから使える

 1つめの強みが、「月間900万人が利用している」(高橋社長)という「au WALLETアプリ」だ。

 au PAYは、au WALLETアプリの機能の1つとして提供されることになっている。4月のサービス開始後に行われるであろうアプリのバージョンアップによって、一気に900万人のユーザーを獲得できるのだ。

au WALLETアプリ au PAYは、au WALLETアプリに内包されるので

その2:「1000億円超」のプリペイド・ポイント残高がある

 2つ目の強みが、au WALLETのプリペイド・ポイント残高だ。

 au PAYでは、「au WALLET プリペイドカード」にチャージしたプリペイド残高をそのまま使える。プリペイドカードや「au WALLET クレジットカード」の利用、あるいはau通信サービスの利用などでたまった「WALLET ポイント」を「1ポイント=1円」でチャージすることもできる。

 高橋社長によると、チャージ残高とポイント残高の合計金額は「1000億円超」とのこと。流通残高ベースでは、au PAYはサービス開始当初から“大規模”なサービスということになる。

すでに1000億円超 au WALLETは、チャージ残高とポイント残高の合計が1000億円を超えているという

その3:楽天との提携による加盟店の多さ

 3つ目の強みが、楽天との提携だ。

 KDDI(と沖縄セルラー電話)は、楽天と経営資産の相互利用について2018年11月1日に合意。この合意には、KDDIが「楽天ペイ」を始めとする楽天の決済プラットフォームを利用できるという内容が含めれている。

 楽天の決済プラットフォームの加盟店は、全国に約120万店あるという。au PAYはサービス開始当初から全国トップレベルの加盟店数を擁するサービスになるのだ。

楽天ペイ加盟店 楽天ペイが利用できる全国チェーン。au PAYは、サービス開始当初からこれらの店で利用できる見通し

コード決済界の「大型新人」 普及するかどうかは「キャンペーン」次第?

 高橋社長の説明の通り、au PAYはベースユーザー数、流通残高、加盟店数の3点において、サービス開始当初から大規模なものとなる。ある意味で「コード決済界の大型新人」ともいえる。

 ただ、コード決済サービスは先述の通り乱立気味で、すでに別のサービスを使っているau WALLETユーザーもそれなりにいるはず。コード決済初心者から既存利用者まで、au PAYにどれだけの人を振り向かせることができるかどうかが、サービスとしてのau PAYの成否を分けると思われる。

 au WALLETは、プリペイドカード、クレジットカード、Apple Pay(QUICPay+)といった複数の決済モードをすでに持っている。ここにau PAYが加わることになるので、決済の利便性という面でau WALLETはかなり優位であることは間違いない。

 ただ、見方を変えると、すでに複数の決済モードを備えているがゆえに、au PAYを使う動機(モチベーション)を得にくいという課題も見えてくる。そういう意味では、サービス開始当初の利用促進キャンペーンや、従来の決済モードでは使えなかった加盟店(≒コード決済のみ対応する店舗)への送客キャンペーンが、au PAYの命運を分けそうだ。

 PayPayの「100億円あげちゃうキャンペーン」はやり過ぎにしても、ユーザーにメリットを与えられる前向きなキャンペーンを期待したい。

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