Appleはなぜ発表会の前週に新「iPad Air」「iPad mini」を発表したのか石野純也のMobile Eye(2/2 ページ)

» 2019年03月23日 06時00分 公開
[石野純也ITmedia]
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サービス競争へかじを切るApple、25日の発表はその幕開けになるか

 とはいえ、AppleはそのiPad AirやiPad miniを、あえて発表会の前週に公開してしまった。既報の通り、Appleは報道陣に対し、「It's show time」と記された招待状を送付しており、iPad AirやiPad miniは、ここで披露されると見られていた。ここには、サービスへのシフトを加速させたい同社の思惑が見え隠れする。前週にあっさりとハードウェアを出してしまうことで、サービス重視の姿勢をより強調できるというわけだ。

iPad 3月11日(現地時間)にスペシャルイベントの招待状を送付した

 iPhoneの販売に支えられて好業績を続けているAppleだが、スマートフォン市場が成熟期を迎え、販売台数をこれ以上伸ばすのは難しい状況になりつつある。これに対してAppleは、iPhone Xシリーズのような高価格帯のモデルを用意し、収益の確保を図ろうとしているが、ユーザーの財布の中身は無尽蔵ではない。iPhone XS、XS Max、XRが発売された後もiPhone 8が売れ続けているのは、その証拠といえる。ハードウェアが成熟することで、買い替えサイクルも伸びている。

 次の手としてAppleが伸ばそうとしているのが、サービス分野だ。ティム・クックCEOもサービス分野に注力する方針を株主総会などで語っているが、業績を見ても、非ハードウェアのサービス部門は着実に成長している。App StoreやiCloud、Apple Musicなどの売り上げは、全体の規模と比べるとまだまだ小さいが、2019年第1四半期で13%まで比率が上った。売り上げ比率では、既にMacやiPadよりも大きく、iPhoneの売り上げが伸び悩む中、ここを強化するのは正攻法といえる。

iPad 第1四半期の業績を見ると、サービス部門が108億7500万ドルまで成長していることが分かる。Appleにとっての成長分野だ

 では、25日の発表会では、何がお披露目されるのか。「It's show time」をストレートに受け止めると、映像関連のサービスという予想ができる。Appleが、NetflixやAmazon Prime Videoに対抗した定額の映像サービスを準備しているというウワサは、以前から流れており、それがついに姿を現す可能性はありそうだ。音楽ではApple Musicを始めているため、次は動画というのも自然な流れだ。

 また、定額のニュース配信サービスがあるのではという話も、以前から伝えられてきた。日本では「Apple News」が非対応なため、ピンとこないかもしれないが、ここに有料サービスを提供している新聞や雑誌のニュースを集め、月額課金を導入するという見方が強い。決済やヘルスケア関連の新サービスを準備しているのではというウワサもあり、これが25日の発表会で披露されるかどうかにも注目が集まる。

 いずれにせよ、3月25日の発表会は、今までと毛色が違うものであることは確実。Appleの今後を占う上で、これまで以上に刮目(かつもく)して待ちたいイベントになりそうだ。

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