先に挙げたように、料金水準そのものも、現行プランから引き下げられている。ドコモによると、値下げ幅は「最大4割」(吉澤氏)。最大の割引率になるのは、「ボリュームゾーンである(データ利用料が)1GB(のユーザー)」(同)。ドコモのスマートフォンユーザーのうち、実に4割がここに該当するという。
ドコモが示した試算を見ると、シンプルプランでベーシックシェアパックを家族3人で利用し、プラチナステージの「ずっとドコモ割プラス」が適用され、データ利用量が1GB未満に収まっていたユーザーは、もともと3480円支払っていたのに対し、新料金プランではみんなドコモ割が適用され、1980円にまで下がる。また、単身で大容量プランの「ウルトラデータLLパック」を契約していた場合も、ギガホに変えると8480円(プラチナステージの場合)から5980円(家族3人で利用した場合)へと、約3割の料金値下げが実現する。
ただし、ここにはカラクリもある。1つは、月々サポートやdocomo withが考慮されていない点だ。例えば、1GB未満の場合、家族3人が全員docomo withを利用していたとすると、上と同条件で、1人あたりの料金は1980円。新料金プランへの変更前後で、料金には一切変化がないうえ、使える容量がわずかに減る格好だ。ウルトラデータLLパックの契約者が、iPhone XSの月々サポート(2275円)を受けているときも、料金は6205円まで下がっているため、家族3人で利用して、何とか数百円安くなる程度。より大きな月々サポートを受けているユーザーの場合、値上げになるケースもある。
また、料金プランをシンプル化した結果、選択できる容量が減ってしまった。そのため、例えば現行プランで20GBの「ウルトラデータLパック」を利用しているような場合、新料金プランでは容量を上げざるをえず、値下げ幅がさらに縮小してしまう。ウルトラデータLパックのユーザーがギガホに変更した場合、料金は6480円から6980円になり、事実上の値上げになる。現時点でdocomo withや月々サポートが適用されている状態だと、料金が上がる幅はさらに大きくなる。
月々サポートは24カ月間限定の割引で、端末購入補助時に当たるものになるため、終了後に料金プランを変更すれば値下げになるケースはあるものの、docomo withはもともと「分離プラン」として導入された仕組み。分離プランから分離プランに変えても、料金はほとんど変わらないというわけだ。docomo with契約者は、新料金プランに変更しづらいことが予想される。今、どのプランを使っているかにもよるため、一概にはいえないが、必ずしもドコモの言い分通り、値下げになるとは限らない点には注意しておきたい。
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