ドコモの新料金プランは本当にお得なのか? 業界に与える影響は?:石野純也のMobile Eye(1/3 ページ)

» 2019年04月20日 15時08分 公開
[石野純也,ITmedia]

 NTTドコモは6月1日から、新料金プランを導入する。新料金プランは、単に金額が上下しただけでなく、料金体系そのものが抜本的に変わっている。キーワードは「シンプル化」と「最大4割の値下げ」。ドコモによると、この新料金プランによって、最大4000億円の減収になるという。

 また、端末購入補助の「月々サポート」に代わる割引の仕組みも、別途導入される予定だ。こちらについては、5月に実施されるとみられる夏モデルの発表会で披露される可能性が高い。ここでは、改めて新料金プランの中身を振り返るとともに、ドコモの戦略や今後予想される業界の動きを予測していきたい。

ドコモ ドコモが新料金プランの「ギガホ」「ギガライト」を6月にスタートさせる

「大容量」と「段階制」の2本立てでシンプル化、「みんなドコモ割」で家族を取り込む

 料金プランでは、ユーザーに2つの選択肢が用意された。1つが大容量プランの「ギガホ」、もう1つは段階制プランの「ギガライト」だ。大枠で2つから選ぶ仕組みは、分離プランで先行するauやソフトバンクも導入済み。auは「auフラットプラン」と「auピタットプラン」を、ソフトバンクは「ウルトラギガモンスター+」と「ミニモンスター」の2系統が、現在の主力プランだ。ドコモもここに追随したとみていい。

ドコモ
ドコモ 新料金プランは、大容量のギガホと、段階制のギガライトの2つに分かれる

 ギガホは30GBで6980円(税別、以下同)。30GBを使い切ったあとの速度制限も、1Mbpsと従来よりも高速にした。ギガライトは2980円から5980円の間で変動する仕組みで、1GBまでが最低料金の2980円。以降、2GBごとに料金は1000円ずつ上がり、5GBを超えると5980円に達して、7GB超で速度が従来と同様、128Kbpsに制限される。

 基本プランとプロバイダー料金に相当するインターネット接続料、さらにデータパックを組み合わせていた現行プランと比較すると、選択肢は少なくなり、シンプルに見えるようになった。新料金プランでも、通話定額はオプションとして残っているため、実際にはもう少し複雑ではあるものの、データ容量をどの程度使うかを入口にして、通話の定額をオプション扱いにしたのは、今のスマートフォンの利用実態に即したものといえる。

 同時に、データ容量の選択肢も一気に整理している。大きな違いは、家族で分け合うシェアパックがなくなったところだ。シェアパックは家族で1つのデータ容量を分け合うことで、お得に利用できるプランだが、割り算をしなければ1人あたりの金額が分からず、家族全員でどの程度の容量が必要なのかがすぐに分かりづらい。これが複雑化を招いていた原因として、新料金プランでは個々人での契約が前提になった。

ドコモ シェアパックを廃した代わりに、1人1人が料金プランを選ぶ形になった

 ドコモの吉澤和弘社長は「複雑で分かりにくい、お得が実感しづらいというお客さまの声を受け、シンプルでお得な料金体系にした」と新料金プラン導入の趣旨を語る。一方で、「家族でのお得はこれまで以上に強化した」(同)という。それが、「みんなドコモ割」だ。家族や親族で2回線以上契約していると全員が500円、3回線以上だと全員が1000円割り引かれる仕組みで、これを利用すると、ギガホが5980円、ギガライトが1980円からになる。

 吉澤氏によると、ドコモは家族を丸ごと取り込むことに成功しており、「ご家族3人以上でご利用いただいている方々が、7割以上占めている」という。つまり、7割のユーザーが、新料金プランに移行するだけで1000円の割引を受けられるということだ。容量を分け合うという概念が分かりづらく、シェアパックの導入に二の足を踏んでいたユーザーでも、みんなドコモ割であれば気軽に利用できそうだ。

ドコモ 家族2人で500円、3人以上で1000円が割り引かれる、「みんなドコモ割」も導入される

 また、これまではデータパックごとに割引額が異なっていた、ドコモ光とのセット割引も簡易的なものになった。ギガホとギガライトの3GB超、5GB以下より上が1000円、1GB超3GB以下が500円と、割引額を2パターンに変更。離れて暮らす親族が1世帯でも契約していれば割引を受けられる。この点に着目しても、新料金プランはシンプル化したといえる。

ドコモ 「ドコモ光セット割」も、いくら値引かれるのかが分かりやすくなった

 家族で契約したユーザーは、一般的に、解約しづらくなる傾向が強くなる。影響が顕著だったのがシェアパックだが、みんなドコモ割はその適用範囲をさらに拡大したものといえるかもしれない。近い内容の割引はソフトバンクも導入しているものの、家族を丸ごと取り込めている割合の高さは、ドコモの強みだ。auにはみんなドコモ割に相当する制度がなく、料金面での差別化にもつながる。ただ、シンプルな半面、3人以上で1000円と条件が緩いため、単身でドコモから抜け出しやすくなっている側面もある。この割引の仕組みが解約率どう作用するかは未知数だ。

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