ドコモの新料金プランは本当にお得なのか? 業界に与える影響は?石野純也のMobile Eye(3/3 ページ)

» 2019年04月20日 15時08分 公開
[石野純也ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

端末の買い控えにつながる恐れも、販売動向は未発表の割引次第

 端末購入補助の分を料金値下げに回す分離プランの構造を考えると、2年間のトータルコストは大きく変わらない。先に挙げた試算の通り、iPhone XSの月々サポートを受けているユーザーが現行プランのままでとどまっても、新料金プランに変えても、料金水準が大きく変わらないことは、その証拠といえるだろう。ただし、これまで月々サポートは、端末購入補助として扱われてきた。それがない新料金プランでは、いわゆる“実質価格”が打ち出せなくなるため、見かけ上だが価格が上がったように捉えられかねない。

ドコモ 今のような実質価格を打ち出せなくなり、見かけ上端末は高くなる。あくまで見かけ上で、“本質”価格は変っていないが、ユーザーに与える心理的な影響は大きそうだ

 また、分離プランは同じ端末を長く使い続ける動機づけが強くなる仕組みといえる。旧料金プランの比較にも表れていたが、月々サポートが切れると、そのぶん新料金プランが安くなるためだ。結果として、端末の買い替えサイクルが、さらに長期化する恐れも出てくる。特にdocomo withのユーザーが、値上げに反発して買い替えを控える可能性は高そうだ。これらの点を踏まえると、新料金プランが端末の買い控えにつながる恐れもある。

 端末の割高感を抑えるため、ドコモはミドルレンジモデルを強化していく方針。吉澤氏は「分離プランになった場合、端末購入補助を今までのようにたくさんかけるわけにはいかない」としながら、「販売価格が4万円以下のものも、性能はほとんど見劣りしない。デザインや使い勝手のいいもの(ミドルレンジ端末)はそのまま強化して、お買い求めやすいようにしていく」と語っている。

ドコモ ドコモは、ミドルレンジモデルを強化する方針を打ち出している。写真はシャープの「AQUOS sense2」

 さらに、ドコモは通信料金にひもづかない何らかの割引は検討しているようだ。吉澤氏によると、「フラグシップのデバイスは、正価でというとかなり負担が大きくなる。そういったデバイスに興味や愛着を持たれるお客さまもたくさんいるので、お求めやすくする工夫を考えている」という。「分離したからといって、端末の値引きはゼロということにはならない」(同)という。

 新料金プラン導入後のトータルコストがどの程度になるのかは、この割引次第という側面があり、今の段階では是か非かの評価がしづらい。その意味で、現時点では、新料金プランの全貌は明らかになっていないといえる。仮に端末の割引が月々サポートほどではないにせよ、それなりに大きくなれば、上記の不安点は解消される。それが判明する5月の発表会は、要注目といえる。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年07月07日 更新
  1. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  2. UQ mobile「コミコミプランバリュー」にクレカ割を導入したワケ 背景にahamoとY!mobileの“板挟み”も (2026年07月04日)
  3. 「納品できない」──ギガファイル便で障害 運営元「ドメイン変えます」と暫定措置 (2026年07月06日)
  4. Suica、JRE POINTのキャンペーンまとめ【7月5日最新版】 最大1万ポイント還元や新幹線35%オフなど (2026年07月05日)
  5. アップルがMacBook、iPadなどをついに値上げ――値上げを見送ったiPhoneのXデーはいつなのか (2026年07月05日)
  6. エディオンら、携帯契約時に義務違反 総務省が発表 NTTドコモにも行政指導 (2026年07月03日)
  7. 転売屋によるスマホ回線の「短期解約」「ホッピング」 総務省の検討する対策は十分なのか? 店員からの意見 (2026年07月03日)
  8. mineoのオプテージが「携帯電話番号」の割り当てを受ける 「音声フルMVNO実現」に向けて大きな一歩 (2026年07月06日)
  9. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  10. 「撮り鉄」動画SNSで物議 駅員が「下がって」と制止も、スマホでの撮影に夢中 (2026年07月07日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー