新料金プランは端末の代金と通信料が分かれた「分離プラン」になっているため、月々サポートがなくなり、いわゆる“実質価格”が打ち出しづらくなる。そのため、見かけ上だが、端末代が高騰したように見える。5万円の端末は5万円に、10万円の端末は10万円になるというわけだ。
結果として、端末の販売台数が減少する恐れが指摘されている。ドコモも同様の予想を立てており、1割強、販売台数が減少する見通しを発表した。「端末が相対的に高くなることで、少し(販売台数が)落ちる」(吉澤氏)という。ただし、実際にはスマートフォンの成熟化に伴い、「今でも買い替えの周期がある程度伸びてきている」ため、減少は2割程度で収まるというのがドコモの見立てだ。
また、月々サポートが付かなくなるとはいえ、端末の割引が完全になくなってしまうわけではないようだ。吉澤氏は「販売方法はまだ申し上げられないが、お求めやすくできないかのアイデアを考えている」といい、5月16日に開催される新製品発表会で披露される予定だ。どのような仕組みが導入されるのかは未知数だが、割高感がある程度解消されれば、販売台数の減少には歯止めをかけられるかもしれない。
販売台数は2割減で済むかもしれないが、売れ筋端末の傾向に変化が出る可能性もある。ドコモは分離プランの導入に合わせ、ミドルレンジ端末のラインアップを強化する方針を示している。そのため、端末販売収入の減少は2割以上になる可能性は高い。2018年度は端末価格が上がったこともあり、販売関連収支がプラスになっているが、ここも減少することになりそうだ。ドコモ以上に、端末販売を主軸にするメーカーにとって、死活問題になる恐れもある。
同様に、2019年度は純増数の予想も105万と半減している。ただし、これはどちらかというとタブレットやWi-Fiルーターなどの影響や、MVNOの勢いに陰りが出ていることが原因。「3年、4年ぐらい前からタブレットを2台目にと強めに言ってきたが、その反動がある。そこが一番効いている」(吉澤氏)という。分離プランが純増数に与える影響は限定的だが、タブレットなどの新規契約はさらに落ち込むだろう。
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