ソフトバンクもY!mobileも“十分安い”――ソフトバンク宮内社長が語る他社対抗策(1/3 ページ)

» 2019年05月08日 22時30分 公開
[井上翔ITmedia]

 ソフトバンクは5月8日、2018年度通期決算を発表した。株式上場後初の通期決算は「増収増益」で、上場前に示した予想を上回る好調さを示した。

 良好な業績を支えているのが、国内通信事業だ。しかし、通信料金と端末代金を「分離」する動きの中で、足元では競合他社との料金競争が激しくなる兆候が見受けられる。6月にはNTTドコモが新料金プランの提供を開始。au(KDDIと沖縄セルラー電話)もそれに何らかの対応をすると思われる。10月には楽天モバイルのMNO参入が迫っている。

 このような状況で、ソフトバンクはどう戦っていくのだろうか。

業績 2018年度の連結業績の概要。上場前に示した予想を上回る好調ぶり
宮内謙社長 上場後初めての通期決算を説明する宮内謙社長

好調な業績を支える「スマホ」

 ソフトバンクの好調な業績を支えているのが「移動通信サービス」事業。自社で運営する「ソフトバンク(SoftBank)」「Y!mobile(ワイモバイル)」両ブランドに加え、2018年度は連結子会社化された「LINEモバイル」もこのセグメントに加わった。

 3ブランドを合わせた累計のスマートフォン契約数は194万7000件の純増。ソフトバンクとY!mobileの両ブランドでスマホ契約者が順調に増え、LINEモバイルも好調だという。

スマホ純増 3ブランド合算の累計スマートフォン契約数。どのブランドも成長している(プレゼンテーション資料では四捨五入で「195万件」の純増となっている)

 また、ソフトバンクとY!mobile間の「番号移行」において、2018年度第4四半期(2019年1〜3月)は個人ユーザーに限ると「Y!mobile→ソフトバンク」が「ソフトバンク→Y!mobile」よりも実数が多かったという。

 ソフトバンク社内において、ソフトバンクブランドは「大容量で高価格」、Y!mobileブランドは「小・中容量で低価格」というセグメント分けがなされていることを踏まえると、この減少は競合他社でいう「アップセル」と同義。よりたくさん通信できるソフトバンクブランドの「ウルトラギガモンスター+」に魅力を感じ、Y!mobileから移行するユーザーが増えたことが業績面でプラスに働いた面もあるようだ。

番号移行 第4四半期同士の比較において、2018年度は初めて「Y!mobile→ソフトバンク」の番号移行が「ソフトバンク→Y!mobile」のそれを上回った。
       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2025年12月06日 更新
  1. 飲食店でのスマホ注文に物議、LINEの連携必須に批判も 「客のリソースにただ乗りしないでほしい」 (2025年12月04日)
  2. NHK受信料の“督促強化”に不満や疑問の声 「訪問時のマナーは担当者に指導」と広報 (2025年12月05日)
  3. 「スマホ新法」施行前にKDDIが“重要案内” 「Webブラウザ」と「検索」選択の具体手順を公開 (2025年12月04日)
  4. 三つ折りスマホ「Galaxy Z TriFold」の実機を触ってみた 開けば10型タブレット、価格は約38万円 (2025年12月04日)
  5. 「楽天ポイント」と「楽天キャッシュ」は何が違う? 使い分けのポイントを解説 (2025年12月03日)
  6. 楽天ペイと楽天ポイントのキャンペーンまとめ【12月3日最新版】 1万〜3万ポイント還元のお得な施策あり (2025年12月03日)
  7. 楽天の2年間データ使い放題「バラマキ端末」を入手――楽天モバイル、年内1000万契約達成は確実か (2025年11月30日)
  8. ドコモが「dアカウント」のパスワードレス認証を「パスキー」に統一 2026年5月めどに (2025年12月05日)
  9. NHK ONE、簡単には「閉じられないメッセージ」表示へ 目的は“NHK受信料”の徴収 なぜ強引な仕様に? (2025年11月12日)
  10. 鉛筆デザインのiPad用スタイラスペン「Nelna Pencil」発売 物理ボタンに9機能を設定可能 (2025年12月03日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー