Y!mobileブランドでは、いわゆる「格安SIM」を提供するMVNOも大きな競合相手となる。その中でも有力な位置にいる楽天モバイルは、10月から自ら移動体通信事業を営む「MNO」となる。
楽天モバイルはMVNOとしての契約者を順次MNO回線に移行すべく準備を進めており、2019年3月14日10時以降の契約分については「スーパーホーダイ」を始めとするMVNOプランをそのまま引き継げることになっている(参考記事)。仮に楽天モバイルがMVNO時のプランを全面的に踏襲してMNOサービスを開始した場合、料金的にY!mobileブランドと「かぶる」面もある。
この点について、決算説明会で宮内社長が記者からの質問に答えている。
―― この秋には楽天(モバイル)が本格的に(MNOとして)参入してきます。ヤフーの連結子会社化にも「対楽天」という観点があると思うのですが、携帯電話事業面ではどのように対処していくのでしょうか。
宮内社長 対楽天という観点では、先方がどのような料金プランを設定するのか分からないので、今は「こうです」「ああです」とは言えませんが、Y!mobileやLINEモバイルと比較した時に、現状のMVNOとしての料金プランで来るのであれば大きく変更する必要はないと考えています。
ただし、(楽天モバイルが)自らネットワークを持ってどうしていくのかという点を判断していかないといけません。私たちがY!mobileの分離プラン導入を「2019年度上半期中」と発表したのは、そういった理由もあります。
ソフトバンクとしては、MNOとしての楽天モバイルの料金プランがMVNO時と変わらないのであれば大きな対抗策を打つ必要はないと考える一方、違うプランが出てきた場合には対抗措置を取る心づもりのようだ。
昨今、特にハイエンドスマホは価格が高騰している。今後、分離プランが徹底されると、こうした高価格帯の機種の売れ行きが鈍る可能性もある。
この点についても、決算説明会で宮内社長が記者からの質問に答えている。
―― 分離プラン(ウルトラギガモンスター+)の導入で端末の価格が(実質的に)高くなったと思うのですが、売れ行きにどのような影響があったか、今後の対策を含めて可能な範囲で教えてください。
宮内社長 現時点でどうしていくか決まったことはありませんが、いずれにせよ、私たちは今まで端末を買いやすくなるように努力してきたつもりです。
完全分離になった場合でも、「1億総スマホ」を目指す上で、お店に来られるお客さまにさまざまな形のサービスを提供しなくてはいけません。(端末価格が上がることで)端末のアップグレード(買い換え)がなかなかできないお客さまもいらっしゃるでしょうから。
買い方という点では「端末を分割で買ってもらう」といった知恵も出していきたいですが、戦略にも関わる面もあるので「こうする」ということは、この場では差し控えます。
―― (最新の)iPhoneの高価格化も顕著になってきていますが、分離プランが普及する中で、今後端末の代金はどうなっていくとお考えでしょうか。
宮内社長 5Gも含めて、これからたくさんの端末が出てきます。それについては秋ぐらいに榛葉くん(榛葉淳副社長)が発表すると思いますが、たくさんのベンダーと現在仕込んでいるところです。
iPhoneも非常に重要な主力端末ですが、これから端末分離が進むと低価格な端末からハイエンドな端末まで、バラエティが重要になります。これからは、そういう意味での「端末の調達力」も問われるのだと思います。
これから出てくる5G端末を含めて、いろいろな端末をラインアップしていければ、と思っています。
端末の買い方については、店舗でのサービスのあり方を含め、さまざまに検討しているようだ。
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