“スマホルーター”も開発中 MAYA SYSTEMが1万円台のクラウドSIMスマホを投入する狙い:SIMロックフリースマホメーカーに聞く(2/3 ページ)

» 2019年07月03日 06時00分 公開
[石野純也,ITmedia]

通信手段がなくてもプランを購入できる

MAYA SYSTEM 執行役員 プロダクトオペレーション部 部長の山田邦彦氏

―― 次に、クラウドSIMに関してうかがえればと思います。現状、どの程度利用されているのでしょうか。

山田氏 初代jetfonから始めて、今回のP6で2機種目なので、まだモノがそこまで多くありません。われわれは、Prioriシリーズの世界観を持ってくることで、お客さまをもっと増やしたいと考えていました。FREETELのころから、ローレンジの価格帯は得意としていたので、そこに1回出してみるというのが大きな考え方です。

 クラウドSIMは、ルーターの世界ではレンタルが増えています。それをスマートフォンに持ってくるというのが基本的な考え方です。

―― 以前はスマートフォンだと、別のネット接続手段がないとクラウドSIMに情報を書き込めませんでしたが、今回はそこも改善されているようですね。

山田氏 接続性のところは、かなり直しています。確かに以前は、あらかじめプランを買っていないと、外国に行った後、買うことができませんでした。もともとは空港のWi-Fiでプランを買っていただきたいと思っていたのですが、出した後、それはなかなか大変だということが分かってきました。そこで、低速ですが、どこの国でもつながるようにして、その通信でプランを買えるように改善しています。

―― 最初は、何もプランを買っていない状態でもどこかにローミングでつながり、クラウドSIMのサイトに飛べるということですか。

山田氏 はい。どの国でも、最初はローミングから入ります。われわれは「シードSIM」という呼び方をしていますが、それが最初につながりにいき、クラウドSIMをダウンロードするようにしました。

日本プランが一番売れている

―― 料金プランについては、何か変更はありましたか。

山崎氏 当初から、1日、7日、30日という区分は変えていませんが、新たにアジア周遊やグローバル周遊を追加しています。また、法人向けには月額プランの提供もしています。

MAYA SYSTEM 2カ国以上で利用できる周遊プランも提供している

―― これは、初代jetfonも対象でしょうか。

山崎氏 はい。

山田氏 月額払いはお客さまの声が大きかったところで、企業利用だと、ある程度固定で支払いたいというお客さまが多く、山崎が考え、拡張しました。

―― クラウドSIMには日本用のプランも用意されていますが、日本で使われるケースもあるのでしょうか。

山崎氏 意外かもしれませんが、実は一番多く売れているのが日本のプランです。jetfonを買った方が、最初に日本で試しているのだと思いますが、意外なほど売れています。これから可能性があると思っているのは、長期の留学をしている方が、夏休みなどで一時帰国した際に日本のプランを買うといった使い方です。そういうときに、30日プランを買えるのは便利ですよね。

―― 今の価格であれば、月額プランの容量が足りなくなったときに1日だけ追加するといったこともできそうです。

山崎氏 24時間、380円で300MBまで使えるため、メインのSIMカードを“おかわり”せずに使えます。定期契約は必要なく、クレジットカードだけで手軽に買えるのもメリットです。そういう利便性で選んでいただける部分も、あるかもしれません。

キャリアの接続テストやGPSの精度向上などに尽力

―― ベースとしてuCloudlinkの端末があると思いますが、MAYA SYSTEM側で手を入れているのは、どういったところでしょうか。

山田氏 端末は日本語化も含め、細かな対応はMAYA SYSTEM側のエンジニアが参加しています。コーディングを直接しているというわけではありませんが、仕様を出したり、認証を取ったりすることもこちらでやっています。例えば、jetfonはauのIOT(Inter-Operability Testing:相互接続性試験)も取得していますが、それもこちらでやりました。

山崎氏 初代jetfonを導入したときは、社員が持って歩き、GPSの精度をもっと上げるためのテストもやっていました。日本の中である程度の品質に達しないと困るという声にも応えています。

―― 今後も、ベースモデルありきなのでしょうか。オリジナルモデルを開発するお考えはありますか。

山田氏 いろいろなバリエーションを考えています。クラウドSIMをベースに置き、それがルーターからスマートフォンに発展してきましたが、さらに自社だけでなく、いろいろなスマートフォンに搭載していきたいという思いもあります。また、IoTのエリアにもクラウドSIMが使えないかということを考えています。まだまだこれからの計画ですが、これが開発の方向性です。

―― 他社スマートフォンに載せるというところを、もう少し詳しく教えてください。

山田氏 もともとクラウドSIMにあった考え方で、技術だけを採用していただけるところがあれば提供しようということで、中国のパートナーのuCloudlinkもそれを進めています。ご存じかもしれませんが、Xiaomiのスマートフォンには、クラウドSIMが載っているものもあります。日本でも、これをやれたら面白いのではと考えています。

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