今日から始めるモバイル決済

「モバイルSuica」定期券の継続はGoogle Payでもできるふぉーんなハナシ

» 2019年07月19日 18時45分 公開
[井上翔ITmedia]

 筆者は、都内の自宅からアイティメディアまで徒歩と電車で通勤しています。自宅からは複数の駅へとアクセス可能ですが、「モバイルSuica」を使いたいという理由から、主にJR線を通るルートを取っています。

 モバイルSuicaとの付き合いはそれなりに長く、ビューカード以外のクレジットカードでも利用登録できるようになった12年前から使い続けています。定期券を買うのに定期券発行のできる自動券売機(指定席券売機を含む)や「みどりの窓口」に並ぶ必要がないからです。

 おサイフケータイ対応のAndroidスマートフォン(以下「スマホ」)でモバイルSuicaを使いたい場合、モバイルSuicaアプリの他にGoogleが提供する「Google Pay」アプリを使う方法があります。

 どちらのアプリで作ったモバイルSuicaも、互いのアプリからアクセスできますが、Google Payでは一部使えない機能があります。その典型が「モバイルSuica定期券の購入」……なのですが、一定の条件を満たすことでGoogle PayアプリからもモバイルSuica定期券を購入できます

定期券 モバイルSuica定期券

Google Payが「Renew(更新)」を促す→できちゃった

 Google PayアプリからモバイルSuica定期券を購入できることに気が付いたのは6月に入ってから。ふと同アプリでモバイルSuica情報を見た所、定期券の有効期限欄に「Renew(更新)」ボタンが表示されていたのです(筆者は普段、スマホを英語UIで使っているため英語表記になります)。

更新 Google Payアプリに表示された「Renew(更新)」の文字

 「あれ、定期券更新できるのかな……」と思いつつ、Renewボタンをタップ。すると、定期券の有効期限の選択に移ります。モバイルSuicaアプリと同様に「1カ月」「3カ月」「6カ月」から選べます。

 有効期限を選んだら「Select payment(支払い方法の選択)」をタップします。次の画面には、定期券の区間、新しい有効期限と支払い金額と、支払いに使うカードを選ぶプルダウンメニューが出てきます。

 ここでの支払いに使えるのは、モバイルSuicaにひも付けたカード……ではなく、Google Payに登録されたカード(Visa、Mastercard、JCB、American Express、Diners Club)。つまり、普段モバイルSuicaで使っているカードでなくても構わないということです。

 選択したカードがGoogle Payで久しぶりに使うものである場合、選択時にセキュリティコード(※1)を聞かれることもあります。

※1 カードが手元にあることを確認するための3桁または4桁の数字

期間選択購入確認 期間を選択し、支払いに使うカードを選択する

 支払うカードを選択後、「Buy(購入)」をタップして少し待つと無事、通勤定期券を更新(継続)できました。

更新できた! 無事、モバイルSuica定期券を更新できました

Google Payでできるのは「継続」のみ

 このように、Google PayアプリではモバイルSuica定期券を継続購入できます。

 ただし、あくまでもできるのは「継続」のみ。定期券の新規購入や有効期限が切れた後の再購入、通学定期券における毎年4月以降の初回継続購入はできません

 領収書が必要な場合は、モバイルSuicaの会員向けWebサイトからダウンロードできます。定期券の購入分だけでなく、Google Payを使ったチャージ分の領収書も取得できます(※2)。使い方次第では地味に便利です。

※2 あくまでもモバイルSuicaの会員サービスなので、会員登録が必要です(ビューカード会員以外は2020年2月26日まで有料)。Google Payで作ったSuicaをひも付けて登録しても構いません

 Google Payアプリにより定期券の継続購入ですが、少なくともサービスイン(2018年5月24日)時点ではできませんでした。Webアーカイブサービス「WayBack Machine」を使ってJR東日本のWebサイトの履歴を確認した所、少なくとも10月4日にはGoogle Payアプリで継続購入できる旨が追記されたようです。

 つまり筆者は、継続購入できるようになってから8カ月たってようやく気付いたということです……。地味に重要な機能拡充だと思うのですが、JR東日本もGoogleも特に告知をしていなかったようです。

 そういえば、NTTドコモの「d払い」がJCBカードに対応した際も、店頭払いできるようになってから1カ月後の5月に入って知る、ということがありました。こちらはWebサイトの「お知らせ」で告知はされたのですが、報道関係者向けの告知は特にしなかったようです。

 決済サービスの機能拡充について、しつこいと思ってしまうほど積極的にアピールする提供者がある一方、大規模な拡充でない限り告知をしない提供者もいます。

 「Google PayでのモバイルSuica定期券の継続購入」や「d払いのJCBカード対応」は、恐らく「大規模な拡充」でないと判断されたのでしょう。個人的にはどちらも“大ニュース”だったと思うのですが……。

d払いのJCBカード対応 報道関係者向けの告知がなかったd払いのJCBカード対応。JCBカードに対応していないコード決済サービスが多い中、対応したことは大ニュースだったと思うのですが……

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