10月1日付で電気通信事業法が改正され、関連する総務省令やガイドラインも一部を除いて施行されました(関連記事)。今回の法令改正によって、大手キャリア(MNO)とその特定関連法人(※1)、契約者数が100万(※2)を超過するMVNOにおいて違約金(解約金)や定期契約の有無による月額料金割引などに規制が入ることになります。
※1 MNOの親会社、子会社、兄弟会社や関連会社である移動電気通信事業者
※2 MVNE(MVNOを支援する事業者)として他のMVNOに提供している回線を除く
今回の法改正では、UQコミュニケーションズがMVNOとして……ではなく「WiMAX 2+」を全国で提供するMNOとして規制の対象に加えられました。このことに伴い、同社は同日からWiMAX 2+サービスのプランをいわゆる「分離プラン」に改めました。
今回の5分で知るモバイルデータ通信活用術では、WiMAX 2+の新プランでユーザーの負担が軽くなるのかどうか、「分離」された本体代金の変動と合わせて見ていきます。
(記事中の価格は全て税別)
UQコミュニケーションズが10月1日から提供しているWiMAX 2+の新プランの名前は、ずばり「ギガ放題」(以下「新・ギガ放題」)。その名の通り、9月30日まで提供していた「UQ Flatツープラス ギガ放題」(以下「旧・ギガ放題」)の後継プランです。
新・ギガ放題に月額料金は、2年(定期)契約を結んだ場合は3880円、結ばない場合は4050円と、2年契約の有無を問わず旧・ギガ放題よりも割安となっています。2年契約の途中で解約した場合でも、解約金は1000円と従来より安価です。
一方で、旧・ギガ放題で用意されていた「おトク割」「長期利用割引」(月額500円)や、新規契約から最大3カ月間適用される「お試し期間」の割り引き(月額684円)は廃止されています。
新・ギガ放題では、各種割り引き以外にもなくなるものがあります。3年契約時の「LTEオプション料」の無料特典です。
一部を除くWiMAX 2+ルーターは、au(KDDIと沖縄セルラー電話)の「au 4G LTE」エリアを利用できる「ハイスピードプラスエリアモード」に対応しています。このモードはWiMAX 2+が圏外あるいは電波が弱い場合のエリア補完、あるいはキャリアアグリゲーション(CA)による一層の高速通信を実現するためにあるもので、使った月だけ月額1005円のLTEオプション料が掛かります。
UQコミュニケーションズでは、3年契約を条件にLTEオプション料を無料にする施策を2017年6月から提供しています。
10月1日付で改正された総務省令では、定期契約による期間拘束を2年(24カ月間)までに制限しています。スマートフォン以外の回線契約に対する期間拘束制限の適用は2020年1月からで、施行から約3カ月の「猶予」がありますが、新規の「3年契約」が今後提供できなくなることは決まっています。
3年契約を提供できないということは、3年契約を前提とするLTEオプション料の無料施策を終了せざるを得ない――UQコミュニケーションズとしてはそのような結論に至ったものと思われます。
ただし、新・ギガ放題で「auスマートバリューmine」を適用すれば、LTEオプション料が無料となる上、au携帯電話の月額料金が500円〜1000円引きとなります(※3)。au携帯電話(スマホ、ケータイ)の契約は必要ですが、既に持っているスマホやケータイがauのものであれば検討しても良いでしょう。
※3 割引額は契約しているプランやデータ定額により異なります。WiMAX 2+サービスの月額料金が直接割り引かれるわけではないのでご注意ください
【訂正:10月25日14時40分】初出時、auスマートバリューmineについて「LTEオプション料が実質値下げされる」旨を掲載していましたが、正しくはオプション料が無料となり、その上でau携帯電話料金が割り引かれます。おわびして訂正いたします
ともあれ、エリア補完やさらなる高速化のためにハイスピードプラスエリアモードを活用している人、あるいはしようとしている人にとっては、LTEオプション料を無料化する手段がなくなったのは「痛い」ことかもしれません。
なお、新・ギガ放題でもハイスピードプラスエリアモードでau 4G LTEを介した通信を利用した場合の月間容量制限(7GB)はそのままです。この制限に引っかかった場合、「ハイスピードモード」(WiMAX 2+のみで通信するモード)でも月末まで上下最大128kbpsの通信速度制限が適用されるので注意しましょう。
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