競争激化で「6万円引き」敢行 「技術陣は分かっていた」楽天モバイルの遅れ――ソフトバンク宮内社長一問一答(2019年第2四半期決算編)(2/2 ページ)

» 2019年11月05日 23時00分 公開
[井上翔ITmedia]
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楽天モバイルについて

―― 楽天モバイルが料金を発表せずに(MNOとして)スモールスタートを切りました。御社は楽天モバイルの動向を見ながらY!mobileの料金を検討する、という話だったと思いますが、スモールスタートになったことで業績に影響はあるのでしょうか。

宮内社長 他社のことは言えませんが、日経新聞の記事を読む限りは「大容量で3000円」というプランを出すつもりだったようですね。

 相手(楽天モバイル)もいろいろなことを考えていると思いますが、言えることとしては、大容量プランとしてソフトバンクの「ウルトラギガモンスター+」は強い商品になっています。一方で、10GB以下の容量プランではY!mobileが非常に順調です。

 今のプランは、楽天モバイルが参入したから用意したものではなく、競争環境に合わせて出してきたものです。楽天モバイルがどんなプランを出してこようとも、(LINEモバイルを含めた)3ブランドで戦えると思っています。競争環境ですから、何らかの微修正は必要かもしれませんが。

3ブランド 自社調べではあるが、ソフトバンクが抱える3ブランドの料金面での満足度は高いという。これを武器に戦っていく戦略だ

―― このスモールスタートについて、KDDIの(高橋誠)社長は「そうだろうなぁ」と言っていました。同じキャリアとして、この楽天モバイルの状況をどう思いますか。

宮内社長 軽口を言いにくいところですね。

 (ソフトバンクの)技術の人たちは全員、5月か6月ぐらいには(こうなることは)分かっていました。基地局というものは、どうしても建設が必要です。

 私たちは(携帯電話事業に参入して)7〜8年間ずっと、「地方ではつながらない」とか「銀座のあの店の奥ではつながらない」とか、つながりにくいと言われ続けてきました。携帯電話事業で一番お金がかかるのは、基地局の鉄塔の建設や、サイト(基地局を設置する場所)の交渉、バックホール(基地局や電話局とコアネットワークをつなぐ回線)の構築といったことです。非常に大変なんです。かつて、(ADSLインターネットサービスの)「Yahoo!BB」でつなげるのにも、「ウソばっかり」と言われるくらいにバックホール面で苦労をしています。

 ボーダフォンを買収した時、1万5000局しかなかった基地局を23万局まで増やしてきたことを考えると、(楽天モバイルがうりにする)コアネットワークを仮想化するといった議論ももちろん必要ですが、(基地局構築は)そんなに簡単にできるもんじゃないと(ソフトバンクの)技術者は思っているはずです

 基地局を作るのは、どうしても長い年月を掛けて頑張らないといけないのではないでしょうか。

宮川副社長 記者からの質問に答える宮川潤一副社長(CTO)

PayPay(決済ビジネス)について

―― PayPayについて、「3000万〜4000万になったらフィンテック領域に乗り出す」という旨の発言があったと思うのですが、この「3000万〜4000万」とは一体何の数字でしょうか。確認させてください。

宮内社長 ちょっと言い過ぎたかもしれませんが、登録ユーザー数のことです。

 毎月毎月うなぎ登りに増えてはいて、10月だけで400万増えました。今月(11月)もキャンペーンの効果で増えています。10月のように“ドーン”と増えることはないでしょうが、(将来的には)3000万とか4000万という数字はやって来る(達成できる)のではないでしょうか

 加盟店数も150万を突破しました。(ユーザー数と加盟店数が)相乗効果で増えてきています。ある程度の数になると、いろいろな人がいろいろな形で使えるサービス、例えば「小口のお金を後で払う」といったものを提供できるようになるのでは、と思っています。

急増 PayPayは10月にユーザーが急増している

―― アント・フィナンシャル(※2)の展開を、コマース(商取引)による信用を付与している例として挙げていましたが、御社のグループでもスコアリング事業に一部取り組んでいます。将来、PayPayに関連するコマースサービス事業でも(スコアリングを)活用するお考えはあるのでしょうか。

※2 支付宝(Alipay)を提供する中国企業。スコアリングは「芝麻信用(ジーマしんよう)」という名称でサービスを展開している

宮内社長 私たちは、みずほ銀行とのジョイントベンチャーで「J.Score」を展開しています。

 プライバシー面の反論などもあるかもしれませんが、例えば私たちは「ソフトバンクで何回機種変更した」といった(信用評価につながる)データは分かっています。ヤフーでの「Yahoo!スコア」でも、ジョイントベンチャー(合弁事業)という形態でJ.Scoreと同じやり方ができるのではないかと思っています。

 J.Scoreでも金利が1%の人もいれば5%、7%もいます。このような世界を描くことはできるのかな、と思います。

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