Adobeは、スマートフォン向けカメラアプリ「Adobe Photoshop Camera」を2020年にリリースする。まるで「Adobe Photoshop」でレタッチしたかのような、さまざまなエフェクトをリアルタイム、あるいは撮影後に自動適用して楽しめる。
レンズのジャンルには、ポートレート向きのもの、風景向きのもの、フードなどシーン特定のシーンに最適化されたもの、アーティストとコラボしたものなどがある。単純に色味を変えてフードをおいしく見せるといったものから、背景を切り抜いてアニメーションと合成する、イラスト風にするなど、大胆な効果を加えるものまで幅広く用意されている。昼間の風景を夜にする、曇り空を青空にする、背景を切り抜いてアニメーションと合成するといった高度なエフェクトも手軽に楽しめる。
なぜAdobeはこのようなカメラアプリを投入するのか。同社CPO(最高製品責任者)兼 Creative Cloud担当エグゼクティブバイスプレジデントのスコット・ベルスキー氏に聞いた。
「今やみんなこれを持っていますよね」と、自らのスマートフォンを掲げて見せたベルスキー氏。「スマホのカメラはどんどん進化していて、最近ではプロのカメラマンもスマートフォンを撮影に使い始めている。一方で、これまでカメラや写真に興味がなかった人もスマートフォンのカメラを使うことで、写真に興味を持つようになってきている。その両方がよりクリエイティブなカメラを求めるようになってきている」と話す。
プロフェッショナル向けの一眼レフカメラでは、レンズやセッティングを変えることで、クリエイティブな写真が撮れるが、スマートフォンで全く同じことをするのは難しい。「そこでわれわれが皆さんに提案したいのが、自分のレンズをPhotoshopで作ってほしいということ。Photoshopのレンズを使って瞬間をクリエイティブに切り取ってほしい」とベルスキー氏。Photoshop Cameraを使うことで、「Photoshopの使い方を知らない人も、他の人が作ったレンズでクリエイティブになれる」という。
Photoshop Cameraでは写真にレイヤーを追加し、撮影後にもレイヤーを切り替えることでさまざまな写真を作れる。実際にここ数カ月、少人数でテストしてきたそうだが、「みんな本当にすばらしい写真作品をクリエイトしている」とベルスキー氏。
「このアプリを多くの人に届けるのと同時に、レンズを作るクリエイターのコミュニティーも構築してきたいという。「Photoshopのユーザーであるクリエイターに、他の人を支援するためのレンズを作ってもらいたい。そういうコミュニティーをこれから作っていきたいと考えています。さらに将来的にはみんなが同じカメラを持っていても、それぞれに違うレンズを使ってクリエイティビティが発揮できるようにしたいと考えています」
(取材協力:アドビ システムズ)
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