ASUS JAPANから、ゲーミングスマートフォンの第2世代モデル「ROG Phone II」が発表された。一足先にお借りして試すことができたので、ファーストインプレッションをお届けする。
ROG Phone IIはゲーミングスマートフォンと呼ばれる製品で、パッケージなどもゲーミングPCを意識したものとなっている。本体の仕様はハイエンドのAndroidスマートフォンとある程度共通しているが、より高い性能を引き出せる設定や、長時間の快適なゲームプレイを実現する放熱性能、認識精度の高いタッチパネルセンサーなど、専用の機能を搭載しているのが特徴だ。
この他、本日の発表会でも公開されたゲームパッドや2画面操作、USBマウスやキーボードを取り付けられる周辺機器の多さも魅力だ。もちろん、最近のハイエンドスマホでも見られる、ゲーム中の通知オフやゲーム実況配信などの機能も充実している。
前モデルと比べディスプレイが6.59型ワイドのフルHD+(1080×2340ピクセル)と縦方向に大型化した他、プロセッサが最新ハイエンドの中でもスペシャルモデルともいえるSnapdragon 855 Plusを採用している。メインメモリは12GB、バッテリーが6000mAhとモンスター級のスペックを備える。
画面のリフレッシュモードは最大120Hzにまで対応。一般的なゲームは60Hzまでのものが多いのだが、一部ゲームではより滑らかな表示を体験できる。
また、前モデルと同様に本体を冷却できる「Aero Active Cooler II」が付属する。実際にゲームプレイ中はファンが回り本体を冷やす他、本体側面にイヤフォン端子を追加できる。
これにより、フォートナイトやPUBGのようなアクションやMMORPGなどの長時間プレイでも熱を持ちにくくなり快適にプレイできる。さらに、音の遅延を極力排除したいリズムゲームを遊ぶ際も、有線イヤフォンのケーブルが邪魔にならず快適に操作しやすくなる。
本モデルはタッチセンサーのサンプリングレートが240Hzと細かいうえに、イヤフォン端子もハイレゾ品質、もちろんデュアルステレオスピーカー搭載なので、リズムゲームなど音が重要なゲームをかなり楽しみやすい。もちろん、アクションゲームでも物音の聞きやすさなど、ゲームが有利になる効果がある。
さらに、ROG Phone IIでは本体を横に持ったとき、ゲームパッドでいうLRトリガーの位置にボタンとして操作できるセンサー「Air Trigger II」を搭載している。この2つのボタンを、アクションゲームの画面上に表示されている攻撃のタッチ操作などに割り当てることで、画面上の親指操作に加えて、人差し指も同時に使って操作可能になる。対戦ゲームなどでは圧倒的に有利になる機能だ。
気になる処理性能だが、今回はAntutu Benchmarkを使って標準状態と、「Aero Active Cooler II」を装着した「Xモード」状態でのベンチマークを計測してみた。
結果、CPUとGPUのスコアは意外と伸びなかったが、実際の動作の快適さを示すUXのスコアは大幅に伸びている。「Aero Active Cooler II」を装着した「Xモード」は一瞬の処理性能を伸ばすよりも、放熱性能の高さとプロセッサを意識的に使うことで、長時間継続して高い性能で動かすことに長けたモードといった方がいい。
この他、ROG Phone IIでは指紋認証をディスプレイに内蔵。指の方向を問わず認識できるので、横持ちでのゲーム中にロックが掛かってもすぐに解除できる。認識精度も良好だった。
SIMはDSDV対応のデュアルスロット。現時点ではドコモ、au、ソフトバンク回線のいずれにも対応している。microSDスロットは非搭載だが、512GBか1TBのストレージを内蔵しているので問題ないだろう。
カメラは4000万画素メインと、超広角1300万画素カメラを搭載。インカメラは2400万画素だ。ポートレート撮影や夜景撮影にも対応している。
今回、短期間でROG Phone IIを試してみたが、圧倒的なハイスペックで現状のどんなゲームも熱を気にせず快適に楽しめるという印象だった。画面上の本体センサーは38度と表示されても、本体全体に万遍なく放熱されているうえに、ファンの冷却も手伝って、30分や1時間でも延々とゲームを遊び続けられる。
とはいえ、これはROG Phone IIの魅力の一部だ。本当の魅力は周辺機器をそろえて、外部ディスプレイやキーボード、マウスなどを使ったスマホの領域を超えたゲームプレイに対応している点にある。これらについては、別途掲載予定の発表会レポートを参照してほしい。
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