インタビュー
» 2018年12月04日 00時00分 公開

SIMロックフリースマホメーカーに聞く:ASUSはなぜ日本でゲーミングスマホを投入するのか? 「ROG Phone」の狙いを聞く (1/3)

ASUSは、ゲーミングに特化したスマートフォン「ROG Phone」を発売した。両手持ちした際にゲームのコントローラーのように人差し指で操作できるなど、ゲームの操作感にもこだわって開発された。同社が日本でROG Phoneを投入する狙いを聞いた。

[石野純也,ITmedia]

 ASUSは、ゲーミングに特化した超ハイエンドモデルの「ROG Phone」を発売した。ROG Phoneは、Snapdragon 845をオーバークロックした上で、設定をゲームに最適化できる「Xモード」を採用。超音波センサーの「エアトリガー」を内蔵し、両手持ちした際にゲームのコントローラーのように人差し指で操作できるなど、スペックだけなく、ゲームの操作感にもこだわって開発された。想定価格は11万9800円(税別)。

ASUS ASUSのゲーミングスマホ「ROG Phone」
ASUS 超音波タッチセンサー「AirTrigger」を活用し、横向きに構えてゲームをするとトリガーボタンのように使える

 CPUを冷却する外付けのファンや、さまざまな機器を接続するためのドックといった周辺機器が充実しているのも特徴。まさにゲーム機として仕立て上げられた1台といえる。グローバルで見ると、このジャンルの製品は、徐々にバリエーションを広げている。ゲーミングPCでおなじみのRazerや、ZTEの関連会社であるNubia、中国スマートフォンメーカーでおなじみのXiaomiなどがゲーミングスマートフォンを開発。ASUSのROG Phoneも、この流れの中に位置付けられる。

 一方で、日本市場を見ると、ゲームに特化した端末は、ほぼ存在しないに等しい状態だ。スペックが高く、ゲーム向きをうたう端末はあるものの、ROG Phoneほど拡張性が高いモデルは非常に珍しい。では、なぜASUSがあえてこの市場に挑戦しようとしたのか。ASUS JAPANのシステムビジネス事業部 プロダクトマネージャーのレイレン・リー氏、同部 テクニカルプロダクトマネージャーの阿部直人氏、システムマーケティング部部長のシンシア・テン氏にお話を聞いた。

日本はゲーム大国だと認識している

ASUS システムマーケティング部部長のシンシア・テン氏

―― まず、ASUSがゲーミングスマホに踏み出した背景を教えてください。

テン氏 ROGというブランドは、Republic Of Gamersの略で、日本語にするとゲーマー共和国。つまり、ゲームのために作られたブランドで、12年前からありました。最初に作ったのは「CROSSHAIR」というマザーボードでした。そのあとにビデオカードを出したり、無線LANや液晶ディスプレイがあったりしましたが、タブレットも開発しています。

 タブレットを発表したときには、日本でも出さないかということをよく聞かれましたが、当時はまだ市場ができておらず、実現できませんでした。ただその後、今は1人1台がスマートフォンを持っている時代になりました。こういった経緯もあり、ゲームに特化したROG Phoneを発表しました。

―― スマホでゲームをする人口が増え、よりハイエンドなものが求められるようになったということもあるのでしょうか。

阿部氏 使っているゲームのエンジンも、プレイステーション 4と同じUnreal Engineなどになり、据え置きレベルの環境で作られたゲームは増えています。そのため、否が応でも高いスペックを求められるという状況になりつつあります。そういったゲームを動かすうえで、最高のパフォーマンスを体験していただきたいというのがROG Phoneを開発した背景です。

テン氏 ゲームをするには端末のスペックを求められますから、オーバークロックも必要です。皆さん、1秒でも速くしたいと思っていますからね。

リー氏 補足しておくと、もともと台湾、中国、韓国では20〜30年前からゲームの主流はPCゲームでした。スマートフォンは、その延長線上にあるものです。一方で、日本はコンソールゲームが強いので、状況は若干異なっています。

―― では、なぜその日本で発売することになったのでしょうか。

リー氏 弊社では、日本はゲーム大国だと認識しています。ただしPCゲームではなく、主流はコンソールゲームでした。そのような事情もあり、スマートフォンでのゲーミングのポテンシャルは、ずっと探っていましたが、近年ではeスポーツという言葉も浸透し始めています。また市場を見ると、まだゲーミングスマホと呼べるようなものがありません。そのパイオニアとして、市場をけん引したいこともあり、投入に至りました。

―― 確かに、eスポーツとは親和性が高そうです。ただ、競技については、まだPCの方が多いのではという気もします。

テン氏 私たちは10年ぐらい前からeスポーツをはやらせようとしてきましたが、コンソールゲームの強敵もいてなかなか難しかったですね。オリンピックのキーワードで語られることも増え、徐々に知られるようになってはきましたが、まだまだ浸透したとはいえないと思います。

 しかもおっしゃるように、確かにまだメインはPCです。ただし、最近だと「PUBG MOBILE」の大会もあるなど、徐々にモバイルも増えていて、その中でROG Phoneを使いたいという声を聞くこともあります。

既存のハイエンドモデルよりも可能性がある

ASUS システムビジネス事業部 プロダクトマネージャーのレイレン・リー氏

―― スペックの高さや、ゲーミングに特化した拡張性の高さは非常に面白いと思いますが、SIMフリー市場だと、10万円を超える端末は非常にシェアが小さくなります。もちろん、ASUSとしてはそれも織り込み済みだとは思いますが、どうやって売っていきたいのかを教えてください。

リー氏 いかに売るかを考えるよりも、まずはユーザーに体験していただくことを重視しています。ROG Phoneは、ペーパースペックを見ればすごさは分かると思いますが、それだけではありません。いろいろなゲームをする上での完成度もかなり高いので、まずは触っていただきたい。特に今回はアクセサリーも豊富で、これもROG Phoneの魅力の一つと考えています。

 市場規模についてですが、こればかりは未知数としかいえません。ただし、弊社が近年出してきたハイエンドモデルよりも可能性はあると思っています。

―― 確かに発表会での熱気はすごかったですし、一般的なハイエンドモデルよりもニーズが分かりやすく、ASUSとしての色も出ていると思いました。

阿部氏 発表会直後にTwitterを確認したら、トレンドに入っていましたからね。

テン氏 ZenFone ARのときも反応はよかったのですが、今回はそれを上回っていました。

ASUS 数パターンで点灯する背面のロゴが、デザインのアクセントになっている
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