世界を変える5G
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» 2019年12月31日 12時45分 公開

山根康宏の中国携帯最新事情:2019年の中国スマホメーカーを月ごとに振り返る 「カメラ」と「5G」の競争が激化 (1/2)

2019年も数々の新製品や話題を振りまいた中国のスマートフォンメーカー。その1年間の動きを月ごとに振り返ってみよう。前半は折りたたみスマホとカメラ強化が大きな話題だった。後半は各社から5Gスマホが相次いで登場した。

[山根康宏,ITmedia]

 2019年も数々の新製品や話題を振りまいた中国のスマートフォンメーカー。毎月目まぐるしい動きかあったことから、1年間の動きを月ごとに振り返ってみよう。

1月:世界初の折りたたみスマホが登場

FlexPai 「FlexPai」はCESの話題を全てさらった

 2019年はCES2019でRoyole(ロヨル)が実機を展示した世界初の折りたたみスマートフォン「FlexPai」の大きな話題で年を開けた。Samsungに先駆けてフォルダブルディスプレイを製品化し、しかもSamsungとは異なる山折り式(外折り式)の形状も話題となった。CES2019のRoyoleブースには連日来訪客が押し寄せ、そのにぎわいは通常人の数が少なくなる最終日の閉幕時間まで続いた。AI、MR、5Gといった最新テクノロジーと並ぶほど、Royoleのフォルダブルディスプレイ技術はCES2019の目玉となった。

2月:Huaweiが50倍ズームと折りたたみスマホで話題の中心に

 CES2019から約1カ月半後、今度はMWC19 BarcelonaでHuaweiがFlexPaiと同じスタイルの折りたたみスマートフォン「Mate X」を発表。FlexPaiとは異なり隙間なくぴったりと閉じるデザインで、しかも5Gに対応する。また数日前にSamsungが発表した谷折り式(内折り式)の「Galaxy Fold」よりもディスプレイサイズが大きい。Mate Xの発表でFlexPaiの話題は一気に打ち消され、さらには稼働する実機を一部メディアに公開したHuaweiに対し、Samsungは稼働実機を公開できなかったこともあり、Huaweiの技術力が勝っている印象を植え付けた。

HUAWEI Mate X 今度は「Mate X」が世界中から注目を集める

 対抗するようにZTEは5Gスマートフォン「AXON 10 Pro 5G」を発表。中国2社の5G端末競争が始まると思われたが、実際はその後、他社からも続々と5G対応スマートフォンが登場。ZTEは存在感を高めることはできなかった。

Axon 10 Pro 5G ZTEは「AXON 10 Pro 5G」で中国と海外の5G市場に参入を発表

3月:Vivoが新ブランド「iQOO」発表でゲーミング市場に乗り出す

 Vivoは先進的な機能を搭載したモデル「NEX」シリーズを展開しているが、新たにSnapdragon 855を搭載したハイスペックモデル「iQOO」を発表。本体側面のタッチセンサーや背面の埋め込みLEDライトなどゲーミングユーザーをターゲットにしている。3月にはXiaomi系列のゲーミングスマートフォン「Black Shark 2」も登場。また4月にはNubiaから「Red Magic 3」も発表され、高スペックかつゲーム用途という端末が市場をにぎわせた。

iQOO 新ブランドiQOOでハイスペックモデルを展開開始

 一方、Huaweiは水平式のペリスコープカメラを組み込みデジタルながらも最大50倍ズーム撮影が可能な「P30 Pro」と「P30」を発表。各社のカメラ性能が近づく中で、望遠領域で飛び抜けた性能を実現することで、Huaweiのカメラ技術の高さも大きくアピールした。

HUAWEI P30 カメラフォンとして業界トップモデルとなるP30シリーズ

 またMeizuから「Note 9」が登場。Meizu製品のディスプレイはほぼノッチなしデザインだったが、このモデルでは初の水滴型ノッチを採用。大手メーカーとの差が開く一方だけに、流行に乗らざるを得なかったということだろう。なお9月発表の「M10」も同じ水滴ノッチを採用している。

4月:OPPOがイメージチェンジを図る「Reno」投入、60倍ズームを搭載

 カメラ性能を年々高めてきたOPPOがHuawei「P」シリーズに対抗すべく、新しいブランドとして「Reno」を発表した。4800万画素カメラを搭載し、インカメラは全く新しい「扇形」とし、本体上部からモーターで出てくるギミックを搭載。さらに「Reno 10x Zoom」と「Reno 5G」はHuawei「P30 Pro」と同じペリスコープカメラを搭載。最大のデジタルズームは60倍と、Huaweiより10倍上回る。OPPOのカメラはインカメラ性能が強い印象だったが、Renoは「メインもインも高性能カメラを搭載」という、全く新しいOPPOのスマートフォンであることを印象づけた。

OPPO Renp OPPOの新ブランド、Renoシリーズが登場

 4月にはLenovoから久しぶりにハイスペックなスマートフォンも発表された。「Z6 Pro」はSnapdragon 855にクアッドカメラを搭載。後に5G対応版「Z6 Pro 5G」も追加された。とはいえ、中国市場で存在感を示すことはできず、スペックを落とした「Z6」や「Z6 青春版(Young)」など「Z6ファミリー」を形成したものの、2019年は苦戦を強いられる結果となった。

5月:Realmeが中国に逆輸入、OPPO勢力が話題になる

 Xiaomiがインドで低価格モデル「RedMi」で大成功したことを受け、OPPOも「Realme」ブランドの製品を同国で展開したのが2018年。Realmeはその後OPPOから分社し独立したメーカーとなった。そのRealmeが5月に中国市場に参入、いわば逆輸入された格好だ。Xiaomiの「Mi」「RedMi」のように、OPPOの1つ下のラインという位置付けでRealmeが中国市場で独自に製品展開を行う。ポップアップカメラ搭載でノッチレスの「Realme X」と、水滴ノッチの低価格版「Realme X 青春版」が登場した。

Realme 中国でもRealmeが販売になった

 さらにはこちらも元OPPOの流れをくむOnePlusがフラグシップモデルを発表。「Oneplus 7 Pro」は6.67型、90Hz駆動のディスプレイでゲームユーザーも取り込む。こちらもポップアップカメラを搭載した全画面ディスプレイを採用。5Gモデルも登場する。飛び出したカメラに22.3kgのセメントの塊をひっかけても壊れない動画を公表し、耐久性の面でも大きな話題となった。

OnePlus 7 Pro OnePlusのハイエンドモデル「OnePlus 7 Pro」。5G版も登場した

6月:Huaweiが新製品ラッシュ

 6月はHuaweiが7機種を発表・発売する新製品ラッシュとなった。まずはサブブランドのHonorから「Honor 20」「Honor 20 Pro」を発売。発表会は5月31日に行われ、2モデルが6月1日と18日に発売された。プロセッサにKirin 980、最大4800万画素カメラを搭載しており、クアッドカメラのHonor 20 Proは3199元(約5万円)と手ごろな価格もあいまって、発売するや否や中国の3大ECサイト(京東、天猫、蘇寧)で販売トップとなった。

Honor 20 Honorのハイエンドモデル、Honor 20シリーズ

 6月5日はミッドレンジの「MaiMang8」を発表。もともとは中国の通信事業者、China Telecom(中国電信)向けのブランドだったが今ではHuaweiの一製品として販売されている。さらには6月21日に「nova 5」シリーズを一気に3機種発表。「nova 5」「nova 5 Pro」「nova 5i」で、いずれもクアッドカメラを搭載する。なおnova 5シリーズはその後、日本でも発売された「nova 5T」が8月に、「nova 5z」が10月に発表されるなど、novaシリーズ最大勢力のモデルとなった。

nova 5 nova 5は次々と派生モデルを出していった
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