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» 2019年02月06日 06時00分 公開

山根康宏の中国携帯最新事情:「iPhoneによく似た」は過去の話に 中国メーカーから革新的なスマホが続々登場 (1/2)

2018年は中国のスマートフォンメーカーから新たな本体デザインのスマートフォンが次々と登場した。2019年もその勢いは止まりそうにないようだ。1月にはMeizuとVivoから「完全ホールレス」なスマートフォンが相次いで発表された。

[山根康宏,ITmedia]

 2018年は中国のスマートフォンメーカーから新たな本体デザインのスマートフォンが次々と登場した。2019年もその勢いは止まりそうにないようだ。SamsungやHuaweiの折りたたみスマホが2月にも発表されるとウワサになっているが、それを待たずに1月にはMeizuとVivoから「完全ホールレス」なスマートフォンが相次いで発表された。

スマートフォンの側面がフラットに、ボタンも穴もないスマホが登場

 2019年1月23日にMeizu(魅図)が「Meizu zero」を発表したのに続き、1月24日にはVivoが「APEX 2019」を発表。どちらも世界初のホールレスデザインのスマートフォンとして大きな話題を集めている。両者ともスマートフォンの側面に必ずある電源キーやボリュームキー、USB端子やSIMスロットが廃止され、凹凸や穴のないデザインに仕上げられているのだ。

Meizu Zero Meizu Zeroは世界初のホールレスデザインとなった

 ホールレスデザインのメリットは、本体の防水・防塵(じん)性能を高められることだろう。キーの隙間やUSB端子、ヘッドフォン端子の穴がなければそれだけで防水への対応は楽になる。また本体を一体成型のユニボディーにできることから、成型も楽になって美しいデザインにもなる。余計な引っ掛かり部分がなくなるので、ポケットやカバンからの出し入れもしやすくなるだろう。

 本体の充電はMeizu Zeroがワイヤレス充電、Vivo APEX 2019は背面の接点を使った専用コネクターで行う。これらなしでは充電はできないのだ。「USBケーブルなしでは気軽に充電できない」と心配する声も出てくるだろうが、レガシーな規格にこだわってはスマートフォンの新たな進化は進まないのはAppleが証明している。それよりもこのような大胆な発想の端末を発表したVivoとMeizuの思い切りの良さに感銘を覚えたほどだ。

APEX 2019 VivoもAPEX 2019を発表

 VivoはOPPOと共に「中国第三の刺客」として世界市場を席巻している。HuaweiとZTEが市場を切り開き、Xiaomiが低価格端末であっという間に存在感を高めた後に、気が付けばこの2社が世界シェア10位内を占めるまでの存在になっている。しかし2018年に両者がそろって出した「カメラポップアップ式スマートフォン」を比較すると、Vivoの「NEX」はインカメラ部分だけが上下する構造であったのに対し、OPPOの「FIND X」は本体上部全体が上下するという、より複雑な構造を採用した。技術面ではOPPOがVivoをややリードした格好だった。

 OPPOは日本や欧州にも進出し、先進国での拡販を模索している。一方、Vivoは世界初のディスプレイ埋め込み型指紋センサー搭載端末を出すなど、地道な技術革新を続けてきた。今回発表されたAPEX 2019はコンセプトモデルであり発売時期は未定だが、Vivoの現在のターゲット国である中国や新興国だけではなく、未進出の先進国でも大きな話題になることは間違いないだろう。もしかするとVivoはこのAPEX 2019をひっさげて先進国への展開を進めるかもしれない。

Vivo ディスプレイ指紋認証センサーの搭載はVivoが最初だった

 一方、Meizuはここのところ勢いがなく、2017年7月に発表した背面に2型の小型ディスプレイを内蔵した「Meizu Pro 7」以降、市場で話題を聞くことも少なくなった。ブランド力を高めるためハイエンド端末にフォーカスするもうまくいかず、低価格モデルでボリュームを稼ぐ展開も他社との価格競争に巻き込まれ苦戦している。2018年12月には政府による「中共珠海市魅族科技有限公司委員会」が発足し、今後珠海市から出資を受ける可能性も高まっている。

 調査会社カウンターポイントによると、中国国内でのマーケットシェアは2018年代第3四半期でHuawei、OPPO、Vivo、Xiaomi、Appleに次いで6位。だが数値はわずか2%であり、上位5社から大きく引き離されている。ハイスペックなCPUや高容量メモリ、複数の高画質カメラに大画面と、今ではどのメーカーも同じ方向でスペック競争を繰り広げている。逆にいえば、スペックだけでの差別化は難しく、価格競争ではユーザーロイヤリティーを高めることもできない。

Meizu 背面にサブディスプレイを搭載したMeizu Pro 7以降、目立った動きのないMeizu

 Meizu ZeroはそんなMeizuの現状を打破する次世代端末なのである。クラウドファンディングのIndiegogoで出資を募っているが、果たして目標額を調達できるだろうか? これからのスマートフォン事業の継続も含めたMeizuの将来は、このMeizu Zeroの動向に委ねられているのだ。

Meizu Zero Indiegogoで出資を募るMeizu Zero
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