世界を変える5G

Huaweiの折りたたみスマホ「Mate Xs」は「Mate X」から意外な部分が進化:山根康宏の海外モバイル探訪記

» 2020年03月31日 10時49分 公開
[山根康宏,ITmedia]

 Huaweiが2月に発表した折りたたみスマートフォン「Mate Xs」は、5Gスマートフォンの中でも最高クラスの性能を誇る製品です。とはいえ、その外観は1年前に発表された「Mate X」と変わらず、縦折り式や、さらなる薄型化とはなりませんでした。Mate Xは結局中国だけの販売にとどまり、Huaweiとしては改めてMate Xsをグローバル向けの折りたたみスマートフォンとして売り込もうとしているわけです。

HUAWEI Mate Xs Mate XsはMate Xとよく似た外観だが、ハードウェアの改良も加えられた

 Mate Xsの特徴は、ディスプレイを外側に折る「山折り式」であること。折りたたんだときもベゼルの薄い大きい画面を提供できます。一方、サムスンの「Galaxy Fold」は内側に折る「谷折り式」で、この機構の場合は外部ディスプレイを別途用意する必要がありますし、強度を考えるとベゼル幅を薄くすることは難しくなります。

 Huaweiとしては、この山折り式のメリットを今後アピールしていくためにも、性能は現時点で最強に仕上げています。プロセッサはMate XのKirin 980からKirin 990に載せ替え、CPUとGPU、そしてNPU性能を大きく引き上げています。これにより、カメラのAIシーン判定などはより高速に処理されるメリットがあります。なお、メモリ構成はMate Xと同等。メモリ8GBはもう少し増やしてほしかったものの、合格レベル。ストレージ512GBは十分でしょう。

HUAWEI Mate Xs Huaweiがグローバル市場に投入する初の折りたたみスマートフォンとなる

 さて、Mate Xsの発表会では、折り曲げられるフレキシブルディスプレイがダブルレイヤー構造によるポリイミドを採用し、「シングルレイヤーより80%強度アップ」「金より3倍高価」という紹介をしました。これを聞いた後、筆者は実際にMate Xsのディスプレイを触ってみて、1月のCES 2020のHuaweiブースで触ったMate Xよりも硬くなっていると感じたのです。

 しかし80%の強度アップはあくまでもシングルレイヤー構造に対してのもののようです。Mate XとMate Xsのディスプレイ表面の強度がどの程度改善されたのかは、実際に触り比べてみないと分からないのかもしれません。

HUAWEI Mate Xs ディスプレイ表面についての説明。Mate Xに対してというものではないようだ

 とはいえ、Mate Xsの実機を触ってみて、明らかにMate Xと変わっている部分がありました。それはヒンジ部分の構造です。

 Mate Xsを開いた状態で見ると、ヒンジ部分の上下にまるでスタイラスペンが刺さっているように、ピンが刺してあるように見えます。実機を触っていて最初はあまり気にならなかったのですが、撮影する角度によってはここが以前見たMate Xとは違うな、とすぐに気が付いたのです。

HUAWEI Mate Xs Mate Xsを開いたところ。ヒンジ部分にピンのようなものが見える

 背面から見ると、そのピンの状態がよく分かります。ちなみに、この部分を抜こうとしても抜けません。ヒンジを支える軸としてしっかりと固定されています。

HUAWEI Mate Xs 背面からみると、ヒンジ部分がよく分かる

 ちなみに、こちらがMate Xです。ヒンジ部分は隙間がありません。ちょっと見にくいのですが、蛇腹のような構造になっています。

HUAWEI Mate Xs Mate Xのヒンジ部分は蛇腹のようになっている

 この改良はヒンジ部分の部品数の削減や、曲がりにくいといった故障を避けるためのものと考えられます。あるいは故障発生時に分解しやすくするというメリットがあるのかもしれません。Mate XとMate Xsを横から見て比較すると、構造の違いがよく分かります。

HUAWEI Mate Xs Mate X(上)とMate Xs(下)のヒンジ部分(写真はそれぞれ上下は逆)

 折りたたみスマートフォンは構造上、ヒンジ部分からホコリが入りやすいという弱点もあります。サムスンの縦折りスマートフォン「Galaxy Z Flip」ではヒンジ内部にブラシを入れてホコリの侵入を防ぐ工夫がされています。Mate Xsのヒンジ改良も強度だけではなく、ホコリやごみの侵入対策を考えた結果のものなのかもしれません。

 Mate Xはなかなか市場に出てこず、いつの間にかその存在は忘れられてしまったようにも思います。Mate Xsは既に一部の国で展示が始まっており、今度こそグローバル市場で出てくる予定です。5Gが始まる日本にもぜひ出してほしいものです。

HUAWEI Mate Xs 発表会が行われたスペイン・バルセロナのHuaweiストアに展示されているMate Xs

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