Huaweiの折りたたみスマホ「Mate X」開発秘話 なぜ外折り? 日本発売は?:MWC19 Barcelona(1/2 ページ)

» 2019年02月28日 15時58分 公開
[村元正剛,ITmedia]

 スペイン・バルセロナで開催された「MWC19 Barcelona」に合わせて、Huaweiはフォルダブルの5Gスマホ「HUAWEI Mate X」を発表した。会期中に、コンシューマー ビジネス グループ CEOのリチャード・ユー氏にグループインタビューの形でMate Xについて話を聞くことができた。

Huawei 閉じると6.6型/6.38型の両面ディスプレイ、開くと8型の大型ディスプレイになる「HUAWEI Mate X」

なぜ折りたたみスマホなのか

―― どういう思いでHUAWEI Mate Xを開発されましたか?

リチャード・ユー氏(以下、ユー氏) 消費者がスマートフォンを使う時間が長くなり、ヘヒーユーザーになりつつあります。仕事に活用したり、メールやSNSをしたり、エンターテインメントを楽しんだり、使用時間が長くなった結果、小さい画面では、何かと不便になってきました。そのようにスマートフォンの重要性が増した今だからこそ、Huaweiとして、より良い体験ができる新しい端末を開発しなければならないと思いました。

 その一方で、間もなく5Gもやってきます。より広い帯域幅、より短縮される遅延により、パフォーマンスが向上します。ですので、画面が小さいと物足りなくなります。しかし、画面を大きくすると持ち運びにくくなります。ほど良い大きさで、優れた携帯性、そして優れた体験をお届けしたくて、このような製品を開発しました。

Huawei Huaweiコンシューマー ビジネス グループ CEOのリチャード・ユー氏

―― 5Gはこれから始まるサービスなので、すぐに利用できる人は限られます。それなのに、Mate Xを5G端末として発売する理由は? 4G版を出すという考えはなかったのでしょうか?

ユー氏 5Gがやってくるということで、4G時代と全く同じ端末では、消費者を引きつけることはできないと思いました。革新的な端末で5Gを迎えたいと。実際、Mate Xは3年という時間をかけて開発しました。フォルダブルにしたのは、より大きい画面と電池持ちの長さが求められていたからです。5Gになると、動画などを見ることも増えますからね。Mate Xは5G端末の価値を体現したものです。ですので、4G版を出すことは考えていませんでした。

 それでもMate Xの発表後、「4G版は出ないのですか?」とよく聞かれます。Mate Xは5Gのネットワークだけでなく、まだ5Gがないところでは4Gのスマホとして使っていただけますが、5Gを想定した機能を搭載し、5Gの商用化に向けて試験を行っています。

 まずは5Gの端末としてきちんとチューニングし、動作を安定させてリリースしたいと考えています。日本は少し遅れていますが、中国とヨーロッパは5Gを巡る競争が激しくなっています。中国では最初から5Gの端末としてMate Xを提供します。

Huawei Mate Xの大画面をアピールするユー氏

なぜ外側に折りたたむ機構なのか

―― Mate Xはディスプレイを山折りに曲げられる形状ですが、谷折りを採用するメーカーもあります。フォルダブルの形状として、山折りを選んだ理由をお聞かせください。

ユー氏 実は当初、内折りと外折りの両方を作ってみました。技術的には内折りの方が簡単なのですが、体験の良さは外折りの方が優れているので、弊社では外折りにしました。内折りの一番のデメリットは、厚くなり、重くなって、不便になること。外折りにすることで薄く、軽くでき、画面もより大きくすることができます。

 真正面から見たときに、パンチホールもない1枚の広い画面になり、カメラは後方に配置できます。その結果、高画質のカメラを使ってセルフィーを撮ることができます。私は1カ月前くらいからMate Xを使っていますが、メールが非常に使いやすいですし、BBCのニュースなども非常に読みやすいです。タブレットのような使い方ができ、スマートフォンよりもグンと体験が上がります。動画の視聴にも適しています。5Gになると動画の解像度も高くなりますが、ハイビジョンの動画を快適に視聴できます。

Huawei Mate Xはディスプレイを外向きにして折りたたむ

5GスマホでHuaweiの優位性は?

―― 5Gのスマートフォンを作る上で、Huaweiの優位性はどこにありますか?

ユー氏 まずはチップセットですね。弊社は通信企業なので、通信技術を開発し、5Gのモデムも作っています。また、長年ハンドセットを作ってきたので、アーキテクチャについての経験も蓄積しています。それが大きな強みです。また、Leicaと提携しているので、カメラ性能でも優位性を持っています。さらに、バッテリーの持ち時間と充電速度は、どちらも業界の最先端をリードしています。

―― 5G端末は当初、オープンマーケットよりもキャリアを通しての販売が中品になると思います。5Gはアメリカがリードしている印象がありますが、アメリカのキャリアとも話をされていますか?

ユー氏 今はアメリカの市場に入リ込むことはできませんが、他のいろんな国のキャリアとちゃんと対話をしていますし、実際、弊社の製品を選ぶキャリアが多いです。安全性やプライバシー保護については、Huaweiはこの業界で最も優れた実績を持っています。アメリカの場合ですと、政府による情報収集が行われていることがスノーデン事件で明らかになりました。

 弊社は創設から30年たちますが、いかなる政府からのバックドアの要請に一度たりとも応じたことはありませんし、今後も一切受け付けません。それは弊社の基本方針です。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月25日 更新
  1. 「iPhone Duo」はLINEもポケモンGOも“黒い”余白だらけ? 日本の定番アプリは未対応が多く (2026年10月23日)
  2. 「Androidのマイナンバーカード」がスタートするもフル機能対応機種が少ない件 ポイントは「StrongBox」という仕組み (2026年10月24日)
  3. きょう発売の「iPhone Duo」、Apple 表参道でゲットしてきた 早速開封レポート (2026年10月23日)
  4. ダイソーで1100円の「USB Type-C to HDMIケーブル」でスマホの画面をテレビに映すとどうなる? 対応機種なら試してみる価値あり (2026年10月24日)
  5. iPhone Duoを使って痛感した「Face ID」のありがたさ 充電スタンドに置いたまま通知が見られない不便さに苦しむ (2026年10月24日)
  6. 進化した「Siri AI」で感じた、iPhoneの操作を一変させる実力 「AI出遅れ」の汚名返上なるか (2026年10月24日)
  7. モバイルSuicaの新決済「teppay」を早速試した 店員への伝え方や決済音は? スムーズに決済できる? (2026年10月22日)
  8. 「iPhone Duo」を試して分かった9つの疑問と本音 36万円超の折りたたみスマホは「買い」か? (2026年10月21日)
  9. デジタル庁が「Androidのマイナンバーカード」対応機種を公表 属性証明機能を使える機種は限定的 (2026年10月19日)
  10. ダイソーで330円の「人感・明暗センサーLEDバーライト(Type-C)」が意外と便利 1人暮らしの帰宅時や非常灯に便利  (2026年07月18日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー