「Xperia 1 II」のレビュー前編である。いや前哨戦といっていいかも。勝負は後編に持ち越された! って最初から言うのもあれなんだが、その方が親切かなと思って。
Xperia 1 IIには、標準カメラアプリと、新たに開発された「Photography Pro」という専用カメラアプリの2つが用意されているのだが、Photography Proを使わないとXperia 1 IIの高機能を全て堪能できないのである。しかもPhotography Proは後からアップデートで提供されるので、今回試用した端末には入ってないのだ。
Xperia 1 IIは凝った撮影ができ、Xperia 1 IIの新機能を全て味わえるPhotography Proと、オートで気軽に撮れる標準カメラアプリの両方がそろってはじめて完成品といえるので、それを最初に言っておくべきと思ったのだ。
というわけで今回は、トリプルカメラの構成が変わった話や標準カメラアプリで撮ってみた話が中心になる。
Xperia 1 IIは、「Xperia 1」を受け継いだ21:9の超ワイドなディスプレイを持つ、すらっとしたスタイルの端末。カメラはトリプルカメラを備える。
新しくなったのはレンズの焦点距離。カメラの世界では通称「大三元レンズ」と呼ばれる3本のズームレンズがあってだな、まあ要するに3本そろえれば「役満レベル」って意味で、けっこう昔から言われている。F値が全域F2.8の広角、標準、望遠の3本のズームレンズのことで、基本の3本だけど全部そろえるとめちゃ重くて金がかかる。
もともと俗称であるから明確な定義はないけど、ソニーのαシリーズの場合、G Master(つまりまあハイエンドレンズ)としてラインアップされている
の3本が該当する。
で、Xperia 1 IIはトリプルカメラの焦点距離をこの3つに合わせてきたのだ。
超広角カメラは35mm判換算で16mm相当と、広角ズームレンズの広角端に合わせた形だ。超広角時にゆがみを取る(そうすると周辺の歪曲はなくなるが画角は少し狭くなる)か、そのままか(画角は広いが周辺の歪曲が残る)を選べるが、初期設定ではゆがみを取る方になっているので今回はそちらで。
センサーサイズは1/2.6型。レンズはF2.2。
広角カメラ(標準カメラ)は24mm相当。こちらは標準ズームの広角端ですな。iPhone 11系やGalaxy S20系、さらに前モデルのXperia 1は26mm相当なのでちょっと広角寄りになった。
これがメインカメラとなるわけで、レンズはF1.7でセンサーサイズも1/1.7型と他よりも一回り大きく高性能。より高速な読み出しが可能なセンサーになっている。デュアルPD構成でAFも速い。
望遠カメラは70mm相当。iPhone 11系やGalaxy S20系、前モデルのXperia 1は52mm相当(つまり広角カメラの2倍)だったが、ちょっと望遠になった。広角カメラの約3倍だ。こちらはF2.4でセンサーサイズは1/3.4型と小さい。より望遠にしながら薄いボディーに収めなければならないという難題のため、センサーが小さくなったのだろう。
さらに望遠カメラと標準カメラの間に3D iToFセンサーを搭載。これは被写体との距離を測るもので、標準カメラの画角の80%をカバーしている。被写体が中央部にいなくても、ちゃんと距離を測ってくれる仕様だ。
何はともあれ撮ってみる。
Xperia 1のときも思ったけど、画面がワイドなので左右の余白がデカいですな。
まずは標準カメラ(広角カメラ)で24mm相当なので、一般的なスマホカメラよりちょっと広い範囲が写っている。
さらに超広角と望遠も。
3つのカメラを切り替えるときに一瞬ブラックアウトするのが気になる。シームレスさがないのだけど、これはわざとなんじゃないかと思っている。
多くのトリプルカメラスマホは「レンズは3つだけどズームレンズ感覚で使ってください」というイメージを持っている。Xperia 1 IIは違う。
デジタルズームをかけるときも、それぞれのカメラ(レンズ)に対してかける。最高3倍なので、標準カメラでMax3倍。望遠カメラでMax3倍という感じだ。先にカメラ(レンズ)を選んでズームをかけるって操作は「3本のレンズを付け替えて使う感」のためにわざとそうしたんだろなと思う。
せっかくなので2.4x(つまり60mm相当くらい)で撮ってみた。ちょっと望遠にしすぎたかな、と思いつつ。
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