NTTドコモが2021年3月から、月額2980円(税別、以下同)で20GBのデータ通信を利用できるプラン「ahamo(アハモ)」を提供する。
このahamo、まず疑問に思ったのが「サブブランドなのか?」という点だ。
ドコモは「新料金プラン」と銘打っているが、既存プランの「ギガホ」「ギガライト」とは立て付けが異なる。例えば、申し込みはオンラインのみで受け付け、ドコモショップでは扱わない。またキャリアメールは利用できず、ahamoの契約者は家族割引(みんなドコモ割)にカウントされない。ドコモユーザーでも手数料や解約料は不要で移行できるが、2021年5月まではMNPの手続きが必要になる。
こうした立て付けからは、サブブランドと言っても差し支えないはずだが、ドコモは否定する。12月1日に社長に就任した井伊基之氏は、「サブブランドとは呼ばすに、20代のメインプランとして打ち出した」と説明する。
ahamoのメインターゲットは「デジタルネイティブ世代」と呼ばれる20代のユーザー。「当社は、この層(若者)のユーザーが弱い」(井伊氏)ことから、若者に対して競争力のあるプランを打ち出したいという思いが発端だったという。
また、コロナ禍でオンラインによるコミュニケーションや購買行動が加速したことで、ユーザーのニーズも変化しつつあるが、従来の料金プランでは全てのニーズは満たせないと判断した。例えばドコモは家族割引でお得感をアピールしているが、単身者にはメリットが薄い。またギガライトでは小容量、ギガホでは大容量のプランを提供しているが、その中間となる10GB〜20GBのプランは手薄になっている。
こうした弱点は「料金プランの見直しやサブブランドの追加では解決できない」(井伊氏)と考え、ユーザーのライフスタイルに合わせてコンセプトから検討したという。その結果、生まれたのがahamoというわけだ。
ahamoの細かな仕様は、20代の若手社員が中心となって設計してきたという。
ドコモ マーケティング部の高山賢人氏は、20代前半までに約5割の人が、携帯料金を家族から自分の支払いに切り替えているというデータを持ち出し、「今のプランは家族で使うことでメリットが最大化されるようになっているが、個人として生活していく人に、ピッタリなプランを提供したいと思い至った」と経緯を話す。「個人が使いやすいプラン」を目指した結果、期間限定のキャンペーンはやめて常に月額2980円とし、プランは1つに絞った。高山氏は「白いTシャツのような感覚で選んでもらいたい」と話す。
ahamoは申し込みやサポートをオンラインで完結させるため、専用サイトやアプリのUI(ユーザーインタフェース)は直感的で分かりやすいものを目指した。ドコモ サービスデザイン部の佐々木千枝氏は「デジタルネイティブ世代にインタビューをして、Webサイトやアプリを触ってもらいながらテストを繰り返すことで、シンプルかつストレスを感じさせないデザインにした」と話す。オンラインでの本人確認にはekycも導入しており、「申し込んでから数日後にSIMカードや端末が届く」(佐々木氏)とのこと。
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