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» 2021年03月03日 14時30分 公開

NTT東西の固定電話からau/ソフトバンク携帯電話への「通話料金」が値下げへ 5月1日から通話料金の設定権移行に先行

NTT東日本、NTT西日本、NTTドコモ、KDDIとソフトバンクの5社が、固定電話から携帯電話への通話について、料金の設定権をNTT東日本とNTT西日本に移行することに合意した。それに先駆けて、NTT東西の固定電話からauとソフトバンクの携帯電話に発信した際の通話料金が値下げされることになった。

[井上翔,ITmedia]

 東日本電信電話(NTT東日本)、西日本電信電話(NTT西日本)、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの5社は、NTT東日本とNTT西日本(以下まとめて「NTT東西」)の固定電話から各社の携帯電話に発信した際の通話料金について、2021年度第3四半期から料金の設定権をNTT東西に移行することで合意した。移行に先立って、au(KDDIと沖縄セルラー電話)とソフトバンクは5月1日から、NTT東西の固定電話から両社の携帯電話に発信した際の通話料金を値下げする。

 なお、記事中の料金は全て税別で記載している。また、NTT東西の固定電話から楽天モバイルの携帯電話宛の通話料金については、当初から設定権がNTT東西側にあるため今回の取り組みには含まれない(NTT東日本NTT西日本)。

料金設定権移行の経緯

 1996年から現在に至るまで、NTT東西の固定電話からドコモ/au/ソフトバンクの携帯電話に発信した際の通話料金の設定権は、着信側(携帯電話キャリア側)にある。

 NTTドコモでは発信曜日や時間帯を問わず全国一律料金としている一方、他のキャリアでは発信元と着信先との位置関係(都道府県単位または距離)や曜日、時間帯によって通話料金を変えている。全ての設定を記載するとキリがないので、現在の料金設定を大きくまとめると以下の通りとなる。

  • NTTドコモ:30秒当たり10円(3分換算で60円)
  • au:15〜20秒当たり10円(3分換算で90〜120円)
  • ソフトバンク(関西・四国地区に所在する電話宛):15〜18秒当たり10円(3分換算で100〜120円)
  • ソフトバンク(その他の地区に所在する電話宛):15〜30秒当たり10円(3分換算で60〜120円)

(※)ソフトバンクの通話料金は、Y!mobileブランドのスマートフォン向け料金プランにも適用される

固定電話発料金 NTT東西の加入電話を含む固定電話発携帯電話宛の通話料金の設定。NTTドコモ宛の通話料金は比較的安いものの、auやソフトバンク宛の料金は割高感がある(総務省資料より:PDF形式)

 通話料金は、事業者間の協議によって決定される。そのため、理論的にはNTT東西と携帯電話キャリアが協議をして妥結すれば料金の値下げは実現できる。総務省の「情報通信審議会」では、2011年12月に「料金設定の在り方について事業者間で必要な見直しを行うべき」という答申を出した。それを踏まえて、総務省は翌2012年4月に、関係事業者に協議を実施するように要請を行った。

 この要請の結果、NTTドコモとイー・アクセス(旧イー・モバイル、現在のソフトバンクのY!mobileブランドの一部)は2012年12月、通話料金の値下げを実施した。しかし、他の携帯電話キャリア宛の通話料金が下がることはなかった。

 現時点でもプレフィックス(前置番号)で中継事業者を指定することで通話料金を下げることはできる。しかし、できればそのような手間を経ないで通話料金が手頃になることが理想的ではある。そもそも、現在の通話料金の決め方では、発信者が着信先の携帯電話キャリアを把握していないと通話料金がいくらになるのか分からないという問題点もある。

 そこで2017年3月、同審議会は固定電話網のIPベース(インターネット電話)への円滑な移行に関する一次答申において、固定電話から携帯電話に発信する際の料金設定権をNTT東西側に移行することを提言した。これを受けて、NTT東西と各携帯電話キャリアは事業者間協議を継続して実施してきた。

料金値下げの歴史 固定電話発携帯電話宛の通話料金の設定権を巡る主な時系列(総務省資料より:PDF形式)

設定権移行は10月に auとソフトバンクは先行値下げ

 NTT東西と各携帯電話キャリアは3月2日、情報通信審議会内の「接続政策委員会」の第53回会合において、事業者間協議の結果を明らかにした。

 5社が共同で提出した資料によると、以下のスケジュールで料金設定権を移行するという。

  • 2021年2〜3月:事前調査、詳細な仕様の検討と調整
  • 2021年3月末:NTT東西が接続申し込みの受け付けを開始
  • 2021年4〜9月:課金/精算システムの開発と検証、ユーザーへの周知
  • 2021年度第3四半期:設定権をNTT東西に移行
スケジュール 料金設定権移行の予定スケジュール(5社共同提出資料より、PDF形式)

 料金設定権の移行に先立って、auとソフトバンクは5月1日から、NTT東西の固定電話から両社の携帯電話宛ての通話料金を自主的に見直す予定だ。

au

 auでは、現時点で携帯電話キャリアの中で最安値となっているドコモと同等の料金水準(3分換算で60円程度)とする予定だ。

 NTT東西への料金設定権の移行は10月に行われる。

KDDI資料 auでは5月1日からドコモと同等の水準まで値下げする予定(KDDI提出資料より、PDF形式)

ソフトバンク

 ソフトバンクでは、NTT西日本の固定電話から楽天モバイルの携帯電話宛に通話する際の通話料金(1分当たり20円、3分換算で60円)などを考慮に入れて、全国一律で3分60円(30秒当たり10円)とする予定だ。

 ただし、この料金をY!mobileブランドのPHS(機械間通信以外はサービス終了済み)にも同様に適用すると、通話先の端末が所在する区域や距離によっては通話料金が上がってしまう。そのため、一部の料金を据え置くことで、値上げを回避する。

 NTT東西への料金設定権の移行時期は明記されていないが、auと同時期(10月)に実施されるものと思われる。

ソフトバンク資料 ソフトバンクでは、NTT西日本発楽天モバイル宛の通話料金を考慮して、全国一律で3分60円(30秒当たり10円)とする(ソフトバンク提出資料より、PDF形式)
ソフトバンク資料 PHSでは「30秒当たり10円」を適用すると割高となる区分の料金は据え置く(ソフトバンク提出資料より、PDF形式)

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