今日から始めるモバイル決済

なぜユニクロが自ら決済サービスを提供するのか? 「UNIQLO Pay」の狙いモバイル決済の裏側を聞く(2/2 ページ)

» 2021年03月10日 06時00分 公開
[小山安博ITmedia]
前のページへ 1|2       

セキュリティの観点から、登録できる銀行は厳選

 これに加えて、「セキュリティを重視した」というのも、UNIQLO Payを導入した理由の1つだと同社は話す。決済手段の登録には2要素認証として携帯電話へのSMSを使って確認をしている。さらに、三井住友銀行と協業することで、「セキュリティの部分をしっかり開発した」(同)という。

UNIQLO Pay UNIQLO Payの支払い元として登録できる銀行とクレジットカード。銀行はまだ5行しか対応していない

 2020年には、多くのコード決済サービスで銀行口座振替における不正利用が発覚して社会問題化したが、こうした決済サービスのセキュリティ部分では当然、ユニクロは関わっていない。それに対して、ユニクロ自身が安全性に関わって決済サービスを開発したかったという。実際、サービス開始は一連の事件を踏まえて見直しを図ったことで延期されたという。

 セキュリティの観点から、登録できる銀行もユニクロの基準で一定レベル以上と判断した銀行だけに絞っているという。仮に不正利用が発生した場合、セキュリティの不備があればユニクロが補償する体制になっているそうだ。

大々的にはアピールせず

 UNIQLO Payによる会計の利便性、スピードの向上、セキュリティへの関与に加え、「働く人の負担も減らしたい」という狙いもあるという。これまでのRFIDやセルフレジといった取り組みの一環だ。「RFIDが特に働く人の負担が減ったのではないか」(同)とのことで、これに加えてセルフレジ、UNIQLO Payで負担が減らせれば、その分の働き手が接客などに時間が取れて、「新しい働き方が購買の利便性向上につなげられるのでは」(同)と期待する。

 UNIQLO Payは、他の決済サービスとは異なる位置付けのサービスだ。考え方としてはハウスカードであり、アプリ会員証と一体化したことで、会計時の手間を省くことを目指したもの。

 ただ、「いつも新サービスを始めるときはサイトやSNSで大々的にアピールするが、今回はしていない」(同)というUNIQLO Payは、現時点では「様子見」という位置付けになる。UNIQLO Payがハウスカード止まりなのか、それ以上の存在を狙っているのか、今後の同社の戦略を注視したい。

UNIQLO Pay UNIQLO Pay専用のWebサイトは用意しているが、大々的なアピールはしていない
前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年07月03日 更新
  1. PayPay、他社クレカを「完全排除」せず 使うには“利用券”が必要に (2026年07月01日)
  2. 「メイドインジャパンでは飯が食えない」現実に挑む CIOが“国産充電器プロジェクト”始動、2026年秋に第1弾発売へ (2026年07月01日)
  3. 「モバイルSuica」復旧後も続く混乱…「物理カード最強説」再浮上 今さら聞けない自衛策を解説 (2026年07月02日)
  4. au PAYとPontaのキャンペーンまとめ【7月2日最新版】 Pontaポイントをお得にゲット (2026年07月02日)
  5. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  6. なぜ? 「PayPay改悪」といまネットで騒がれている理由 ユーザーがすべき対策を解説 (2026年06月05日)
  7. LINEとPayPayがアカウント連携、今夏から トーク上で送金、ポイントも統合 (2026年07月02日)
  8. d払い、dポイントのキャンペーンまとめ【7月1日最新版】 最大1万〜3万ポイント還元がめじろ押し (2026年07月01日)
  9. シャープが衛星通信サービスに参入、「2027年の5G NTN標準化でビッグバンが起こる」 AQUOSの小型化技術を生かして端末開発も (2026年07月02日)
  10. 5G向け26GHz帯の「電波オークション」の結果が判明 「全国枠」はドコモが62.88億円で落札 「地域枠」はJTOWERとハイテクインターが落札 (2026年06月30日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー