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» 2021年03月25日 15時24分 公開

法人向け5Gデバイスを本格展開する京セラ 通信機器メーカーとしての強みは?(1/2 ページ)

1989年に携帯電話市場に参入した京セラは、長らく端末事業を展開しており、2000年代に入って車載・産業機器向け通信モジュールも開発してきた。端末メーカーの知見を生かして、設計からサポートまでをワンストップで行う「京セラコネクティングサービス」も提供している。2021年5月には法人向けのミリ波対応5Gルーター「K5G-C-100A」を本格販売する。

[小山安博,ITmedia]

 京セラは3月23日に通信端末事業30周年の記者説明会を開催し、IoT・5G関連事業についての展望を紹介した。

 1989年に携帯電話市場に参入した京セラは、長らく端末事業を展開しており、2000年代に入って車載・産業機器向け通信モジュールも開発してきた。そして2021年5月には法人向けのミリ波対応5Gルーター「K5G-C-100A」を本格販売する。K5G-C-100Aはエッジコンピューティングとして単体でさまざまな処理を行え、導入企業のニーズに対応できるとしている。

 同社通信事業戦略部IoT・ビジネスユニットの横田希氏は「長年の通信機器開発で培った通信技術・設計品質を生かして製品を展開している」と話す。

京セラ エッジコンピューティングとしても活用できる5Gルーター「K5G-C-100A」
京セラ 京セラ通信機器事業の歩み

IoTシステム導入を京セラがワンストップでサポート

 現在、携帯各社が5Gエリアを拡大しつつあるが、5Gの超高速・大容量、低遅延、多数同時接続という特徴は、IoTの通信基盤として最適。工場内などの限定エリアを5G化する「ローカル5G」も活用することで、IoTがさまざまな場所で活用できるようになると見込まれている。

 しかし、IoTシステム導入のためには自社の環境に合った構築が必要で、ここに問題が発生すると横田氏は指摘する。IoTに接続する機器はその通信規格や耐用年数がそれぞれ異なり、「機器が古くてインタフェースが合わない」といったことも起きる。どのセンサーからどういう情報を取れるのか分からない、どの通信方式を使えばいいか分からない、保守運用はどうするのか……そんなさまざまな課題が発生するのだという。

京セラ IoTシステム構築にはそれぞれの環境に適した、さまざまな設計が必要になる

 さらに、こうしたIoTシステムを構築したい業界として自動車、公共サービス、製造業、小売業などがあるが、「通信技術の知識人材が不足している」(横田氏)。しかも事業者ごとに解決すべき課題が異なり、設置場所が多様で環境に応じた対応や耐久性が求められる、といった機器選定の難しさがある。

 そこで、京セラではこれまでの通信機器開発のノウハウなどを生かし、設計、開発、アフターサポートをワンストップで行う「京セラコネクティングサービス」を用意。事業者ごとに適した機器導入やネットワーク支援、保守運用を行う。京セラ単独ではなく、複数のパートナーと連携することで、顧客のIoT化を実現していくことが狙いだ。

京セラ 事業者ごとの課題に対応するソリューションを用意し、課題を解決するサービスを提供する
京セラ 京セラコネクティングサービスでは、トータルでのソリューションで課題解決を目指す

 K5G-C-100Aは単体での購入も可能だが、基本的にはソリューション(京セラコネクティングサービス)との組み合わせでの販売となる。顧客が望むサービスを実現するために、ハードウェア設計やソフトウェア開発、カスタマイズや公的認証取得、障害発生時の対応、運用監視・サポートといったメニューを提供する。

 ウェアラブルデバイス、セキュリティカメラ、ドローン、ロボットなどのIoTデバイスと接続するコネクティングデバイスとして、今回のK5G-C-100Aをはじめとしてさまざまなデバイスを用意。5G、LTE、自営網など経由してクラウドストレージやクラウドアプリケーションに接続可能にするのが、この京セラコネクティングサービスだ。

 通信機器を導入していない事業者には、各種通信デバイスを提供。ボタン1つに機能を割り当てられる「LTE-Mボタン」や、GPSとビーコンを内蔵して子どもの見守り、Bluetoothで接続したセンサーの情報をクラウドにアップロードする、といった機能を備えるビーコン対応GPSトラッカー/ゲートウェイ、単体でGPS、温度、湿度、加速度が取得できるGPSマルチユニットといった製品が用意されている。

京セラ 既存のLPWA IoT製品

 これらを利用したサービスとして、ネコリコの「独居ケアアシスタント」サービスがあり、GPSマルチユニットを独居老人の見守りセンサーとして活用。センサーのネコリコサーバへの接続、センサーのしきい値の設定、機器の保守、サービス運用サポートなどを行っている。

京セラ 活用事例の1つである、独居ケアアシスタント

 他にも、UCCのコーヒーマシンDP2000にGPSマルチユニットを接続。ドリップポッドカプセルを消費した数や在庫数を記録し、カスタムマイコンの設置など、IoT化のサポートを行ったという。

京セラ 同じくGPSマルチユニットを使って新たにカスタムマイコンを使って実現したUCCの事例
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