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Visaのタッチ決済とQRコードで改札を通過 南海鉄道の実証実験で見えたこと(1/3 ページ)

» 2021年04月07日 13時50分 公開
[小山安博ITmedia]

 南海電鉄が、クレジットカードのタッチ決済に対応した改札機の実証実験を4月3日に開始した。クレジットカードをタッチすることで、Suicaのような交通系ICと同様に電車に乗れる仕組みだ。今回、実験開始の様子を報道向けに公開されたので、詳細をレポートする。

南海鉄道 南海電鉄がVisaのタッチ決済対応改札機の実証実験。実験開始前日の4月2日に取材した

タッチ決済ができる自動改札機を試験導入

 南海電鉄のクレジットカード対応改札は、同社と三井住友カード、QUADRAC、ビザ・ワールドワイド・ジャパンの4社によるもので、Visaのタッチ決済とQRコードに対応した自動改札機を南海電鉄の駅に設置。駅構内への入出場を記録して運賃を徴収する仕組みだ。

南海鉄道 南海電鉄のなんば駅2階にある改札口。従来の交通系IC専用改札と並んで、Visaのタッチ決済対応の改札機が設けられた
南海鉄道 Visaカードをタッチするだけで改札機を通過できる

 鉄道としては、既に同じ3社による仕組みを京都丹後鉄道が導入しているが、こちらは駅や電車内に設置されたリーダーに対応カードをかざす仕組み。南海電鉄は自動改札機を試験導入して、改札機と連動させている点が新しい。クレジットカードのタッチの場合は乗車距離に応じた都度運賃、QRコード決済の場合は「南海デジタルチケット」を事前に購入して、それを使って乗車する形となる。

南海鉄道 Visaのタッチ決済対応改札機。もともとビルの入館ゲートなどを作る高見沢サイバネティクスの入館ゲートを改札機として流用したもの
南海鉄道 なんば駅の別の改札口には、後付けのタッチ決済とQRコードの読み取り機を設置。通常の改札機と連動しているので、タッチすれば改札機が開く

 いずれの場合も、専用の自動改札機にクレジットカードでタッチするか、QRコードをスマートフォン画面に表示してリーダーにかざすことで改札機を通過して乗車する。出口改札機で出場する際も同様だ。今回、QRコードによる南海デジタルチケットは、4月15日発売のため、南海電鉄のデモでのみ確認している。

南海鉄道
南海鉄道 京都丹後鉄道の場合は改札機とは連動せず、駅のリーダー、または電車内のリーダーに乗車時と降車時にタッチして支払いをする
南海鉄道 南海電鉄なんば駅のタッチ決済対応改札機では、ディスプレイ部にタッチする
南海鉄道 QRコードはデモ環境によるテストのみ。こうしてスマートフォンのブラウザにQRコードを表示して改札にかざす
南海鉄道 QRコードのリーダーは別に設けられている
南海鉄道 従来の改札機連動型の場合はこの位置にQRコードをかざす

 クレジットカードでの乗車に対応しているのはVisaブランドのカードで、NFC機能を内蔵した「Visaのタッチ決済」対応カードのみ。物理カードに加えて、Apple PayとGoogle Payでの利用も可能。ただし国内発行のVisaカードはApple Payに対応しておらず、Google PayにNFCでの決済として登録できるのは、一部のデビットカードかプリペイドカードのみとなる。

南海鉄道 三井住友カードのナンバーレスカード。カードの右上にある無線LANのアイコンのようなマーク(リップルマーク)がNFCによるタッチ決済対応の印。このマークが付いたVisaブランドのカードであれば利用できる
デモの様子。入場と退場を疑似的に再現しており、速度を見るために繰り返し入退場をしてもらっている
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