KDDI側は、menuとの提携によって、店舗ラインアップの拡大と、ID連携によるシームレスなサービス利用の取り組みを説明した。
au PAYの加盟店は400万カ所に広がったが、飲食、個店の開拓はコロナ禍の影響で進め切れていないという。一方、menuには6万店舗の申し込みがあるが、業界トップにキャッチアップしていこうとしている今、「両社が店舗拡大に向けて協調してやっていく意義は大きい」(多田氏)。
ID連携については、両社がID連携することで、デリバリーで注文したものと店内飲食したものを結び付けて情報を管理できるようになり、ユーザーの嗜好(しこう)に合わせたオファーができるようになるという。
また、ID連携のマーケティングは他業界へも応用できるとする。「例えば、小売り店舗で人気のスイーツが、来店購入、デリバリー購入されたというデータが蓄積されれば、訴求ターゲットが明確化できてマーケティングアプローチをかけることが可能になる」(多田氏)。飲食店側の情報に基づいてプライベートブランド商品を開発したり、開発商品のターゲットユーザーを明確にしたりできるようになり、横断的なマーケティングが可能になると期待する。
このID連携によるマーケティングの取り組みが、両社が資本業務提携する大きな理由になったという。日本にはさまざまなフードデリバリーサービスが参入しているが、その中から提携先としてmenuを選んだ理由として、「IDを連携してマーケティングデータを取得し、活用するような深い取り組みは、海外の企業とはできないと判断した」と多田氏は説明した。
互いのアプリを使った相互送客の取り組みも早速行う。au PAYアプリ内に、おすすめサービスとしてmenuのアイコンを配置。ミニアプリによって、menuのサービスにシームレスにつながる状態にする。一方、nemuの支払いは現在クレジット決済だが、7月中旬にはau PAYの残高から支払いができるようにする。
今回の提携を記念して、auスマートパスプレミアム会員を対象にmenuの利用料金が最大4000円割引となるキャンペーンを実施する。menuのau PAY対応に合わせて、au PAYの支払いでPontaポイントの還元ポイントが増量されるキャンペーンも実施する予定だ。
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