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» 2020年05月23日 06時00分 公開

石野純也のMobile Eye:auのポイントに「Ponta」を取り込む狙いは? 課題はオンライン決済か (1/2)

5月21日に、auのポイントプログラムがPontaに統合された。従来のau WALLETポイントは廃止になり、今後は、携帯電話回線の通信費や各種サービス利用料からの還元も、Pontaで行われる。ポイントプログラムを刷新したKDDIの狙いは会員基盤の強化にある。その詳細を見ていこう。

[石野純也,ITmedia]

 5月21日に、auのポイントプログラムがPontaに統合された。従来のau WALLETポイントは廃止になり、今後は、携帯電話回線の通信費や各種サービス利用料からの還元も、Pontaで行われる。既存のPonta会員は、au IDと統合することで、ポイントが合算される仕組みだ。au PAYアプリから新規でPonta会員に登録し、デジタルカードを利用することもできる。ポイントプログラムを刷新したKDDIの狙いは会員基盤の強化にある。その詳細を見ていこう。

Ponta auのポイントプログラムがPontaに統合された

会員数1億超の共通ポイントが誕生、au PAYの促進も

 Pontaを統合したことで、KDDIはポイントプログラムを大幅に改定した。狙いは、au PAYの強化にある。KDDIで執行役員 パーソナル事業本部サービス統括本部 副統括本部長兼通信とライフデザインの融合部長を務める多田一国氏は、「全国で9400万超の会員基盤を抱えるPontaポイントに統合することで、よりポイントがたまりやすくなり、お得にau PAYをご利用いただけるようになる」と語る。auのポイント会員数は2800万超。当然、Pontaとの重複はあるが、統合によって1億前後の規模を誇る会員基盤が誕生した格好だ。

Ponta au PAYとPontaの会員数を合算すると、単純計算で1億を超える
Ponta Ponta統合の狙いや、au PAYカードの強化点を説明したKDDIの多田氏

 Pontaポイントは、ポイントとして支払いに充当できたが、対象は加盟店のみ。「おさいふPonta」のようなプリペイドカードは存在したが、いわゆるスマホ決済には非対応で、使い先は限定されていた。au PAYにひも付くことで、幅広い店舗での利用が可能になる。統合後は、au PAYの残高にPontaポイントをチャージでき、コード決済はもちろん、au PAYプリペイドカードやApple PayのQUICPayでの支払いにも充当可能。au PAYは既にオープン化しているため、Ponta会員の受け皿として、ユーザーを増やすことができる。直接的なau PAYの強化につながるというわけだ。

Ponta 統合後は、Pontaからau PAY残高へのチャージが可能になる
Ponta Ponta会員側から見ると、au PAYによって利用できる店舗が大きく拡大した形になる

 auに閉じていたau WALLETポイントが、Pontaポイントによって共通ポイント化するのも、大きな変化といえる。ユーザーのメリットは、会員証を提示し、バーコードをスキャンしてもらうだけで、決済額に応じたポイントがつくことだ。従来のau WALLETポイントは、au PAYや通信回線を含む各種auのサービスを利用しなければ付かず、共通ポイントに比べるとたまりづらいのがネックだった。Pontaポイントになったことで、この弱点は解消される。共通ポイントの対価はユーザーのデータになるが、KDDIはこれをマーケティングに生かすことができる。

 KDDIは、これを「ダブルでポイントがたまる」(同)と訴求する。従来であれば、au PAYで決済しても、決済分のポイントとして0.5%しか還元されなかった。これに対し、Pontaカードを提示すれば、さらに0.5%か1%のポイントがつく。これまでもPonta加盟店でPontaカードを提示しつつ、au PAYで支払えば、同額の還元は受けられたが、ポイントをPontaポイントに一元化できるのは大きな違いといえる。

Ponta au PAYとPonta、双方の加盟店であれば、決済とポイントカードのダブルでポイントがたまるようになるのが魅力だ

 ポイントの有効期限が事実上、伸びるのもユーザーにとってのメリットだ。au WALLETポイントは、付与から4年の期限が設けられていたが、Pontaポイントは1年で更新が可能になる。更新の条件は、Pontaポイントの動きがあること。Pontaポイントが使われるか、付与されるかすれば、そこから1年に期間が延びる形になる。普通にポイントをためるか使うかするだけで、“実質的な無期限”になると言っても過言ではない。失効を心配する必要がなくなったのも、ユーザー視点では評価できる。

Ponta ポイントの加算日、利用日が有効期限の起点になるため、事実上の無期限になる

au PAYカードも強化、コード決済との連携を強めて少額決済を狙う

 Pontaポイントへの統合と同時に、au PAYカードもキャリアフリー化した。au PAYカードは、申し込みにau回線が必須だったが、この条件を撤廃。au回線解約時は他社回線を利用するユーザーでも契約できた一方で、年会費が1250円(税別)かかっていた。キャリアフリー化を機に、条件付きながら、これも無料にする。初年度は無料、2年目以降も「1年で1回決済にご利用いただければ無料になる」(多田氏)という。他社回線のユーザーでも気軽に契約できるよう、壁を取り払ったといえる。

 さらに、au PAYにチャージした際に付くポイントを、0.5%から1%へと倍増させた。他のクレジットカードでチャージした場合、一般的に1%程度のポイントが付いていたため、「お客さま目線に立ち返り、クレジットカードはau PAYカードがいいという構造にすべきだと思った」(同)のが、改善の理由だという。au PAYカードでチャージした残高で決済すれば、その時点で1.5%、さらにPonta加盟店でPontaカードを提示すれば0.5%か1%のポイントがつき、1回の決済で2〜2.5%が還元される。

Ponta
Ponta au PAYカードも強化。他社回線のユーザーにも開放すると同時に、au PAYにチャージする際の還元率を倍増させた

 クレジットカードのau PAYを強化したのは、「決済のインサイトには2種類ある」(同)からだという。あらかじめ銀行口座から残高に入金しておく方法は、「口座残高以上には使えない安心感があり、使いすぎに注意できる」(同)。スマートフォンの決済を、デビットカード感覚で使いたい層は、これに当てはまる。これに対し、「クレジットカードは、あらかじめ入金するのが手間」(同)というモチベーションで使用される。

 ただ、クレジットカードは「コンビニでも使えるが、コンビニで提示するのはどうかといった心理的な抵抗がある」(同)のも事実だ。au PAYのようなコード決済であれば、この抵抗感を和らげることができる。「au PAYを経由することで、少額決済のためらいを解消できる」(同)というわけだ。他社ユーザーにau PAYカードを開放しつつ、au PAY残高へのチャージに対する還元率を上げたのは、こうした背景があるという。回線契約の縛りをなくし、クレジットカード自体の獲得を強化する狙いもありそうだ。

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