HarmonyOSで独自エコシステム構築を図るHuawei 協業が大きなカギに山根康宏の中国携帯最新事情(2/2 ページ)

» 2021年07月14日 12時05分 公開
[山根康宏ITmedia]
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P50シリーズだけで関心を集めるのは厳しい

 中国では毎月のように各メーカーから5Gスマートフォンが発表されている。その数は数機種ではなく毎月10機種、20機種といった状況だ。2021年6月はVivoが3機種、Honorが3機種と大手メーカーが6機種を発表したが、5月以前はこの倍以上の新製品が出ていた。2021年上半期だけで各社は10機種以上の新製品を出しており、中国の消費者ですら追い付けないほどの製品ラッシュが続いている。

 Huaweiは半年以上フラグシップモデルを出しておらず、HarmonyOS 2の発表会では既存モデルの4G版を数機種発表したものの、他社の多種多様な新製品に比べると見劣りしてしまう。目玉となる「P50」シリーズを出したくらいでは、Huaweiへの消費者の注目を過去のように集めることは難しい。

HarmonyOS 発売が待たれるP50シリーズ。消費者の関心をどこまでひきつけることができるだろうか

HarmonyOS 2でどこまでユーザーをつなぎ止められるか

 Huaweiが過去数年間に販売した端末にもHarmonyOS 2を提供するのは、過去モデルも最新OSを搭載する現行モデルとして使い続けてもらい、他社の新製品への買い替えを思いとどまらせようと考えているからだろう。新製品を出せないのであれば、現在使っている製品を1年でも2年でも使ってもらうことが必要だからだ。たとえ最新のハードウェアを搭載していなくとも、自宅の中で家電を簡単に操作できるのなら、Huawei製品をそのまま使い続けようとユーザーは思うだろう。

 家電製品の連携という点では、Xiaomiが多数のスマート家電を販売して一定の成功を収めている。しかしHuaweiが目指すのは単なる家電のコントロールではなく、データ連携も含めたスマートライフの提案だ。そのためには家電メーカーだけではなく、他のスマートフォンメーカーとの協業も必要になるだろう。ライバルとなる中国国内メーカーがHarmonyOSを採用するのは難しいかもしれない。しかし中国以外のメーカーが中国市場に参入する際に「中国向けはHarmonyOS、海外はAndroid OS」という展開を図る可能性はゼロではないだろう。

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