世界を変える5G

ソフトバンク榛葉副社長に聞く 5Gエリア展開からPayPayキャンペーン、SoftBank Airまで(1/3 ページ)

» 2021年09月14日 21時15分 公開
[石野純也,ITmedia]

 ソフトバンクは9月14日、5Gエリアの進展状況を明かすとともに、「メリハリ無制限」を対象にしたYouTube Premiumのキャンペーンや、ソフトバンクユーザーを対象にした「スーパーPayPayクーポン」などの各種施策を発表した。合わせて、ソフトバンクとしては初となる5G対応のSoftBank Airを10月に発売することを明かした。

 発表会開催後に、同社のコンシューマー事業を統括する代表取締役 副社長執行役員 兼 COOの榛葉淳氏がインタビューに答え、それぞれの施策の狙いや目的を語った。また、5Gのネットワークに関しての質問は常務執行役員 兼 CNO(チーフネットワークオフィサー)の関和智弘氏、SoftBank Airについては常務執行役員 兼 CDOの佐々木一浩氏も答えている。

ソフトバンク 代表取締役 副社長執行役員 兼 COOの榛葉淳氏(写真は2020年12月撮影)

10月までに5Gカバー率80%は計画通り

―― 5Gのエリア展開は、もともと2022年3月に90%と発表されていました。本日、10月末までに80%という数字を新たに出しましたが、これは何か計画を前倒しにした結果なのでしょうか。

ソフトバンク 5Gの人口カバー率は2022年春に90%となる予定

榛葉氏 何かを一気にということではなく、ソフトバンクは20数万カ所の基地局を既に持っています。ゼロから基地局を作るところもありますが、その20数万カ所(からの転用)があるので、必ずどこかでブーストしてきます。有言実行された根本には、それがあります。

関和氏 10月末の2万局というマイルストーンは、榛葉がご説明した通り、いろいろな道具をそろえて臨んだ結果です。来春に向けて人口カバー率90%を達成するには、10月にこの局数を立ち上げていなければいけないということがあり、そこに向けて順調に進んでいます。

―― 3月の90%達成のスケジュールをオンタイムにするには、ここで80%になっている必要があるということですね。

関和氏 春にはご心配をおかけする状況(※)がありましたが、その反省を生かし、順調に基地局建設が進んでいます。

※4Gからの周波数転用において開設計画に遅れが生じ、ソフトバンクは6月に総務省から行政指導を受けた。

パケ止まりは適材適所にLTEを活用

―― 同時に、今回はパケ止まりの対策をしていることも発表しました。基本的には5Gのセル端で上りにLTEを使って、通信が止まらないようにするというお話でしたが、そもそもとして、ソフトバンクは転用も使ってエリアが広いため、セル端が少ないのではないでしょうか。これが効いているということはありますか。

ソフトバンク 上りの通信でLTEを有効活用することで、パケ止まりを抑制する

関和氏 そういったこともあります。われわれは、小セルの屋内利用が加速してしまうと、上りが非常に厳しくなることを危惧していました。都市部においてはMassive MIMOなどの技術を活用して発生を防いできましたが、(5Gの新周波数帯を重視する他社とは)そもそも展開の仕方に違いがあります。それに加え、上りは無理に5Gを引っ張るのではなく、適所適材にLTEを活用するよう最適化をしました。

―― ソフトバンクのエリアマップを見ていると、都市部の駅周辺は新周波数帯を使いつつ、その周りの広い範囲を転用でカバーして、多層的にエリアができていることが分かりました。その理解は正しいでしょうか。

関和氏 人の多いところはより集中させて、3.7GHz帯や3.4GHz帯といった帯域幅の広い周波数を割り当てています。それに対し、転用バンドはカバレッジベースでエリアを広げています。こうした転用バンドは3.7GHz帯や3.4GHz帯のエリアとも重なっていますが、(端末側が)より高速の通信を優先するようにしています。逆に、電車の路線や郊外の離れたところには3.7GHz帯や3.4GHz帯はありませんので、1.7GHz帯や700MHz帯を使うことになります。

―― ソフトバンクの5Gを使っていると、転用エリアでも速度が4Gのときより上がっていることがあります。一般的に、転用だと速度は4Gと変わらないと言われていますが、これは転用分が上乗せされているからなのでしょうか。

関和氏 キャリアアグリゲーションは今後、5Gの周波数にも適用されますが、これまでは積極的に活用できる形にはなっていませんでした。どちらかと言うと、速度が上がるのはエリア内にいらっしゃるお客さまの数の方が影響としては支配的だと思います。

―― なるほど。比率で言えばまだ4Gユーザーの方が多いので、5Gの帯域は転用でも空いているということですね。ちなみに、比率的には新周波数帯と転用、どちらが多いのでしょうか。

関和氏 具体的な比率は申し上げることはできませんが、強いて言えば転用を積極的に進めることが、より広い5Gエリアが実現している背景になります。人口カバー率80%という数字に関しては、既存バンドからの転用が大きく寄与しています。

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