高い? スペックはミッドレンジなのに「BALMUDA Phone」が10万円超えの理由

» 2021年11月16日 22時36分 公開
[田中聡ITmedia]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 バルミューダ初のスマートフォン「BALMUDA Phone」が正式発表された。4.9型ディスプレイを搭載した小型サイズ、直線をなくしたという丸みを帯びたボディー、独自のホーム画面やアプリを特徴としているが、最も気になるのが価格ではないだろうか。バルミューダが販売するモデルは10万4800円(税込み)、ソフトバンクが販売するモデルは14万3280円に設定されている。

BALMUDA Phone 10万円を超える価格に設定されている「BALMUDA Phone」

 BALMUDA PhoneはSnapdragon 765、6GBメモリ、2500mAhバッテリーなど、スペックだけを見ればミッドレンジに位置付けられる。このクラスのスマートフォンは、他メーカーだと3万円〜4万円台で手に入る。例えば、同じくSnapdragon 765を搭載した「OPPO Reno5 A」は、販路にもよるが、3万円〜4万円台で販売されている。Amazon.co.jpの11月16日時点での価格は3万4396円だ。BALMUDA Phone1台で、Reno5 Aが3台買えてしまう。

OPPO Reno5 A プロセッサ、メモリ、ストレージが同じ「OPPO Reno5 A」は3万円〜4万円台で購入できる

 SIMフリー市場では、「iPhone 13 mini(256GB)」の価格帯が9万8800円で近いが、iPhone 13 miniは決してミッドレンジモデルではなく、Appleの最新プロセッサ「A15 Bionic」を搭載したれっきとしたハイエンドモデルだ。また、ソフトバンクで14万円台に近いモデルだと、13万7520円の「Xperia 5 III」と13万3920円の「AQUOS R6」が挙げられ、iPhoneだと「iPhone 13 Pro(128GB)」が14万4000円でほぼ同額だ。いずれも各メーカーを代表するハイエンド(あるいはフラグシップ)モデルだけあり、BALMUDA Phoneの価格は強気の設定といえる。ネットでも「高い」という反応が多くを占めている。

iPhone 13 mini SIMフリーではiPhone 13 miniとほぼ同じ価格だ

 では、なぜBALMUDA Phoneはフラグシップモデル並みの価格なのか。バルミューダの寺尾玄社長によると、「ソフトウェアの開発費が想定以上に掛かっている」という。BALMUDA Phoneではホーム画面、スケジューラー、メモ、電卓、時計、カメラのアプリを自社で独自開発している。一般的なAndroidスマートフォンでは、こうしたアプリはGoogleが用意したものを使うケースが多いが、自社でゼロから開発すると、当然ながらコストが増す。さらに、独自アプリは機能改善をして、2022年以降も独自アプリを増やしていくため、販売後もコストはかさんでいく。寺尾氏も「他のモデル(スマートフォン)よりもソフトウェア開発費は高い」と言い切る。

BALMUDA Phone BALMUDA Phoneを手にする寺尾玄社長
BALMUDA Phone BALMUDA Appsと銘打ったオリジナルの基本アプリを搭載
BALMUDA Phone 独自アプリの開発に相当の開発費を掛けている

 また、「アクティブエリアまで曲線で構成されている」というディスプレイも開発のハードルが高く、初期コストが掛かっている。4.9型のフルHDディスプレイや外形も他になく、「特殊部品をいくつか起こすことで、部品単価のアップにつながっている」という。

 なぜBALMUDA Phoneではコストを掛けてまで独自アプリにこだわるのか。寺尾氏は「基本アプリが意外とスマートフォン体験の重要な部分を占める」と話す。ホーム画面は毎日操作するものであり、アラームやスケジューラーも日常的に使うアプリだ。BALMUDA Phoneでこだわったのは「おしゃれであること」と「使っている時間を短くすること」。アプリのデザインや使用感は満足度に直結するため、あえて自社で開発したというわけだ。なお、BALMUDA Phoneにプリインストールされているホーム画面と基本アプリは、BALMUDA Phoneでしか使えない。ここには、BALMUDA Phoneのオリジナリティーを高めようとする狙いがみてとれる。

 4.9型の小型サイズにこだわった背景として、スマートフォンは毎年どんどん大きくなり、今や6型クラスがレギュラーサイズになってきたことを寺尾氏は指摘する。「スマートフォンがどんどんスマートになっていっているのは分かるが、使っているわれわれはスマートになっていない。虜になったかのように画面ばかり見ている」と同氏。スマホはあくまで日常生活の補助道具と考え、適度なサイズ感にこだわった。ただ、小型スマホというカテゴリーにはiPhone 13 miniやXperia 5 IIIなどのライバルもいる。「小型だけでは勝てないが、良い使い心地、良い体験の積み上げによって、選んでいただけるチャンスは必ずあると勝機を見いだしている」と寺尾氏は言う。

BALMUDA Phone 手のひらに収まるサイズを実現した

 スマートフォンは1日50回〜100回は触るものだから、「持ちやすくあるべき」と考え、直線のないデザインも実現させた。背面は外側に向かって膨らんでおり、ディスプレイのガラスも曲線で形成されている。「水平面と平面をどのように1つの形にまとめるか、1年半掛けてデザインしてきた」と寺尾氏は話し、設計チームは相当苦労したという。「持ちやすいな、自然だなと感じてもらえる、ちょうど良い物を作れた」と寺尾氏は自信を見せる。

BALMUDA Phone 背面に膨らみを持たせた形状となっている

 背面パネルの質感にもこだわった。「目指しているのは河原に落ちている石」と寺尾氏が言う通り、手にするとザラッとした独特の感触を得られる。「今のスマートフォンは、買ったときはピカピカだが、半年、1年使っていくと、どんどん劣化していく」(同氏)が、BALMUDA Phoneは革製品のように、使えば使うほど味わい深くなるよう、特殊な仕上げを施しているという。

BALMUDA Phone ザラッとした独特の質感も特徴だ

 寺尾氏が「大きさと形、中身が違う」と言うBALMUDA Phone。スペックだけを見ると10万円超の価格に対する納得感は得られにくいが、他のスマートフォンにはない、BALMUDA Phoneの世界観をどれだけ伝えられるかが、売れ行きのカギを握りそうだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年06月11日 更新
  1. スマホの“ミニ”外付けディスプレイが流行の兆し? 若者がインカメラではなく「アウトカメラ」で自撮りする理由 (2026年06月10日)
  2. IIJmioのスマホ大特価セール 中古「iPhone SE(第3世代)」が4980円、「OPPO Reno11 A」が9980円など (2026年06月09日)
  3. ドコモの通信障害に“AIエージェント”が先手 「SNSの投稿」も常時監視するオペレーションセンターの裏側 (2026年06月10日)
  4. JR東日本が2027年春から「二次元コード乗車券」を導入 近距離券売機での磁気券は順次廃止へ (2026年06月09日)
  5. iOS 27は「iPhone 11」以降で利用可能 iOS 26から据え置きで過去最大のiPhoneに対応 (2026年06月09日)
  6. 「Pokemon GO Fest 2026:東京」のモバイル通信は快適だった? 初対策の楽天モバイルがピーク時に“最速”も記録 (2026年06月10日)
  7. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  8. あなたの街の「スマホ決済」キャンペーンまとめ【6月版】〜PayPay、d払い、au PAY、楽天ペイ (2026年06月08日)
  9. あのシャープが「ウェアラブル」に参戦? スマホ「AQUOS」新製品予告 詳細は16日に発表 (2026年06月10日)
  10. 「iPadOS 27」発表 Siri AI対応で生産性が向上、スクショから調べ物も可能に (2026年06月09日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー