Redmiは、Xiaomiのミドルレンジの中核を担うシリーズ。グローバルでの累計販売台数は2.4億台を超えており、コストパフォーマンスの高さが評価されている。スペイン・バルセロナで2月28日から3月3日かけて開催されたMWC Barcelona 2022でも、同社はRedmi 11シリーズを出展。ブースの入り口付近にコーナーを設けて、大々的に展示していた。
一方で、Redmi Note 11シリーズには、それぞれ微妙にスペックが異なる4つの端末が取りそろえられている。日本に投入するのは、その中心的なモデルとなるRedmi Note 11のみ。メインカメラを1億800万画素に強化した「Redmi Note 11S」や、1億800万画素のメインカメラと120Hz駆動のディスプレイを備える「Redmi Note 11 Pro」の発売はアナウンスされていない。
5G対応の最上位モデル「Redmi Note 11 Pro 5G」も、販売の計画は明かされなかった。Redmi Note 11は、これら4機種の中では最も価格が安く、スペックも低い。日本市場では、なぜRedmi Note 11だけを投入したのか。Xiaomi Japanでプロダクトプランニング部 本部長の安達晃彦氏は、「全てを持ってくるには、まだ(日本の)市場規模が十分ではない」と語る。
SIMロックフリーモデルと同時にキャリアモデルを展開しつつ、21年は前年対比の出荷台数が500%と急成長を遂げたXiaomiではあるが、実数での規模感はまだまだ小さい。調査会社MM総研が2月9日に発表した2021年のメーカー別スマートフォン出荷台数シェアでは、Apple、シャープ、サムスン電子、ソニー、FCNTが5位までを占めており、OPPOやXiaomiといった参入から日が浅いメーカーは、「その他」にまとめられている。
ラインアップが先か、市場規模が先かは鶏と卵のような関係だが、この規模感でスペックの差が小さな4モデルを展開するのは現実的ではない。Redmi Note 11は冒頭で挙げたように、価格が2万4800円とお手頃で、契約にひも付く割引を提供するMVNOなどの「パートナーを通じて、非常にリーズナブルに提供できる可能性がある」(同)。2万円台前半のスマートフォン市場が急拡大する中、最も手ごろな価格の端末を投入するのは合理的だ。
メーカーモデルとして販売し、MVNOも扱うとなれば、5Gに対応している必要性も薄くなる。日本では、ドコモの5G契約者がまだ全体の10%程度と少なく、4Gモデルの方が市場規模が大きい上に、MVNOの回線ではその特徴である高速・大容量を生かしづらいからだ。MVNOのスループットは、大手キャリアから借りる回線の総容量やそこに流れるトラフィックに左右されるため、端末も、5G対応よりコストパフォーマンスが重視される傾向が強い。こうした市場にフィットしたのが、Redmi Note 11だったというわけだ。
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