3万円台だがハイエンドの風格 Xiaomi「Redmi Note 10 Pro」投入のインパクト石野純也のMobile Eye(1/3 ページ)

» 2021年04月03日 10時39分 公開
[石野純也ITmedia]

 2019年12月に日本市場に参入した中国メーカーのXiaomi。日本市場での販売実績はまだ1年強と短いが、矢継ぎ早に目玉となる端末を投入して、存在感を高めている。短期間でKDDIやソフトバンクとタッグを組み、キャリアモデルを投入してきたインパクトも大きい。ソフトバンクから発売された「Redmi Note 9T」は、日本の独自機能であるおサイフケータイにも対応する。

 そんなXiaomiは、2021年の日本市場でのテーマを“再定義”に定めている。上記のRedmi Note 9Tは5Gスマートフォンを再定義した1台。同時にSIMロックフリーで発売した「Redmi 9T」は、エントリーモデルを再定義して、これまでのスマートフォンを大きく上回るコストパフォーマンスを見せつけた。

 同社が次に送り出すのが、「ミドルレンジスマートフォンの再定義」をうたう「Redmi Note 10 Pro」だ。このモデルはハイエンドモデルの性能を引き継ぎつつ、3万4800円(税込み、以下同)とミドルレンジモデル並みの価格を実現したスマートフォン。従来のミドルレンジモデルを基準に見ると、カメラ、ディスプレイ、デザインやパフォーマンスも含めた体験が大きく変わっているという。まずは、その中身を見ていきたい。

Xiaomi Xiaomiが4月16日に発売する「Redmi Note 10 Pro」

ハイエンドの性能をミドルレンジ価格で――お値段以上のRedmi Note 10 Pro

 ミドルレンジモデルというと、必要十分な機能を備えたベーシックな端末という印象が強い。明確な定義はないが、Webを見たり、SNSを楽しんだりするには十分な性能を持つ端末が、ミドルレンジモデルと見なされてきた。価格は3万円前後。プロセッサは、Qualcomm製ならSnapdragon 6シリーズか、一部7シリーズが採用される傾向がある。カメラなどの性能も底上げされてきた一方で、ハイエンドモデルと比べると、やや物足りなさが残るのもミドルレンジモデルの特徴といえる。

 これに対し、Xiaomiはハイエンドモデルのエッセンスをミドルレンジモデルに持ち込み、Redmi Note 10 Proを開発した。3万4800円で購入できるミドルレンジモデルに抱いているであろうユーザーのイメージを一変させるという意味を込め、「ミドルレンジモデルの再定義」と銘打った格好だ。同社の東アジア担当ゼネラルマネージャーのスティーブン・ワン氏によるとお、Redmi Note 10 Proは、カメラ、ディスプレイ、デザイン、体験の4つが、従来のミドルレンジモデルと大きく異なるという。

Xiaomi 目指したのは、ミドルレンジモデルの再定義だという
Xiaomi カメラ、ディスプレイ、デザイン、体験を従来のミドルレンジモデルから、大きく向上させた

 分かりやすいのが、カメラだ。ミドルレンジモデルの中にも、4800万画素クラスのカメラを備えた端末は徐々に増えているが、Redmi Note 10 Proは、ハイエンドモデルと並ぶ1億800万画素のカメラを搭載。画素数の多さは画質とイコールではないものの、同機のカメラは1/1.52型とセンサーサイズが大きく、さらに9つのピクセルを1つにして受光量を上げる「2.1μmスーパーピクセル」にも対応する。

Xiaomi フラグシップ端末への採用が増えている1億800万画素カメラを搭載した
Xiaomi
Xiaomi センサーサイズが1/1.52型と大きく、9つのピクセルを1つにしてピクセルサイズを上げる機能も利用できる

 1億800万画素のカメラは、Xiaomiが日本参入時に投入した「Mi Note 10(Pro)」に搭載されていたもの。Mi Note 10は発売時の価格が5万8080円。カメラ性能の割には安かったが、ミドルレンジ上位のモデルとしては、やや安い程度の位置付けだった。約1年たち、このカメラがミドルレンジモデルにまで落ちてきたというわけだ。3万4800円の端末に搭載されたカメラとしては、異例のスペックといえる。

 3万円台のミドルレンジモデルだと、ディスプレイが液晶であることも多いが、Redmi Note 10 Proはコントラスト比の高い有機ELを採用する。しかも、ディスプレイのリフレッシュレートは120Hzだ。ハイエンドモデルでも120Hzに満たないディスプレイを搭載する端末がある中、この価格のミドルレンジモデルに採用されたインパクトは大きい。ワン氏も、「違いは一目瞭然」と自信をのぞかせた。

Xiaomi
Xiaomi ディスプレイは有機ELで、120Hzのリフレッシュレートに対応する

 3Dカーブガラスを採用した背面のデザインや、「UFS 2.2」の高速なストレージも、ハイエンドの風格を感じさせるところだ。プロセッサは「Snapdragon 732G」で、パフォーマンスも妥協していない。ワン氏がデザインや体験を再定義したと語っているのは、そのためだ。

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