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できるかぎりスマホのタッチ決済だけで「船」と「電車」に乗る旅に出た(前編)2022年大型連休の思い出(2/4 ページ)

» 2022年06月02日 11時00分 公開
[井上翔ITmedia]

1日目:スマホで「西へ」

とりあえず東京駅へ

 旅行のスタート地点は、東京都北区にある「田端駅」です。世間一般には山手線と京浜東北線の駅と認識されているかもしれませんが、正式な路線名ベースでは東北本線と山手線の駅です。路線としての「山手線」の“真の”終着駅でもあります。

真の山手線を知っているか? 山手線と聞くと「東京の都心部と副都心部をグルグル回ってる環状線」というイメージがあるかもしれませんが、路線としての山手線は、正式には品川駅を起点として代々木駅と新宿駅を経由して田端駅に至る約20.6kmの路線です。湘南新宿ラインの大崎〜田端操車場間と埼京線の大崎〜池袋間も、正式には山手線の一部(貨物線)です(JR東日本の2020年度有価証券報告書より)
終着を示すやつ 田端駅のホームの西日暮里駅寄りには、山手線の終着を示す標識が立っています

 ……と本筋から外れそうですが、まずは田端駅から(運転系統名としての)山手線の電車に乗って東京駅に向かいます。もちろん、乗車券はGalaxy Z Flip3のモバイルSuicaを使いました。

 久しぶりに行動制限要請のない大型連休となったせいか、東京駅はかなり混み合っています。駅弁屋も約3年前の大型連休みたいな混雑になっていました。マスクをして歩く人ばかりなのは、時代の流れ(?)を感じます。自分もその1人なわけですが。

人通り 東京駅はかなりの混雑に。久しぶりの人混みでちょっと戸惑ってしまったのは内緒です

スマホで新幹線に乗る

 当日は本当に無計画で、西へ向かう方法は東京駅に着いてから考えることにしていました。旅費の節約を考えると、夜行の高速バスを待って乗るという選択肢もあったのですが、「できる限りスマートフォンのタッチ決済だけ使う」という方針が頭をよぎります。

 そうなるとスマートEXで新幹線を予約して、モバイルSuicaで乗るという選択肢がベターなのですが、どこまで新幹線に乗るかが問題になります。

 南海フェリーに乗るには、和歌山港か徳島港に向かう必要があります。ここで私は「グルっと回るような旅程がいいな」と思い立ち、徳島港からフェリーに乗ることにしました。

 時刻はさておき、ルートぐらいならスマホやPCがなくても思い浮かびます。主な候補は以下の通りです。

  • 候補1:新大阪駅で下車→在来線か地下鉄で大阪(梅田)駅に移動→高速バスで徳島駅に移動→路線バスで徳島港へ
  • 候補2:新神戸駅で下車→地下鉄で三宮(三ノ宮)駅に移動→高速バスで徳島駅に移動→路線バスで徳島港へ
  • 候補3:岡山駅で下車→在来線で徳島駅に向かう→路線バスで徳島港へ

 これらの中で、できるだけスマホを使って乗るとなると、恐らくは「候補3」が一番良さそうです。そこで、手元のGalaxy Z Flip3でスマートEXのアプリから新幹線を予約することにしました。

 予約したのは、17時3分発の「ひかり521号(岡山行き)」。最速達の「のぞみ号」にしなかったのは、わずかばかりの運賃節約と、PCを使う用事を済ませる時間を確保するためです。もっというと「たぶん『のぞみ』よりすいていて、コンセントのある席を確保しやすいんじゃない?」という“野生の勘”も働きました(モバイラーにとって、コンセントは重要なのです)。

 結果、コンセントのある窓際の席を確保できました。コンセント目当てなのか、東海道新幹線の普通車指定席は窓際や各車両の先頭から埋まっていく傾向にあります。大型連休中なのに窓際の席をあっさり確保できてビックリしたのは言うまでもありません(残席数はわずかでしたが)。

 なお、グリーン車とN700S系は全座席にコンセントがあります。グリーン車に乗る場合、あるいは乗る列車がN700S系で運行されることが分かっている場合は、窓際や車両の先頭でなくてもコンセントがありますので安心してください。

予約できちゃったよ 大型連休中に窓側の席を簡単に取れたのにはちょっとビックリしましたが、ひとまずこれで岡山まで移動します

 ということで、予約を完了した1分後、乗り換え改札口でGalaxy Z Flip3をかざして東海道新幹線ホームに進みます。スマートEX(とエクスプレス予約)は、改札機がサーバから予約情報を取得して乗車の可否を判断するのですが、どうやら予約の反映はものすごく早いようで、問題なく東海道新幹線ホームへと進めました。

 これから約4時間、終点の岡山まで新幹線の旅です。

発車標 ひかり521号は停車駅がやや多め。途中の停車駅ではのぞみ号に抜かれることもあります。京都駅から先は岡山駅まで「各駅停車」です
JR西日本の車両 この日のひかり521号は、山陽新幹線(JR西日本)の車両が充当されていました
車内 東海道新幹線(JR東海)の車両と内装/外装のデザインは同一ですが、一部の壁面広告、車内放送のチャイムで使われる音楽や「Shinkansen Free Wi-Fi」の提供元企業が異なります

宿泊先への移動にも「モバイルSuica」

 途中で通過待ちの列車の遅れがあったものの、終点の岡山駅には定刻の21時8分に到着しました。時間も時間ということで、乗っていた車両は車庫に引き上げていきました。

 改札機から出る際は、Galaxy Z Flip3をかざせばOKです。在来線への乗り換え改札口へ進む場合、岡山駅は「ICOCA」のサービスエリアなので、モバイルSuicaを使ってそのまま在来線にも乗れる……のですが、時間も時間なのでこの日は岡山駅の周辺で宿泊することにします。

岡山駅 途中で遅れが生じたものの、終点の岡山駅には定刻通りに到着しました

 宿泊するホテルは、新幹線の車内で探しました。経験上、1人なら、大型連休でも当日予約で泊まれるホテルはあると思っていました。ただ、駅近くのホテルに空きがあるのは予想外でした。

 とはいえ、予約したホテルは駅から少し歩くので「せっかくだから路面電車に乗ろう」と考えました。岡山駅前から発着する岡山電気軌道(岡電)はICOCAを始めとする交通系ICカードも利用できます。もちろん、モバイルSuicaに対応しているので、Galaxy Z Flip3をかざして乗車します。

 ホテル最寄りの停留所で降り、ホテルにチェックインして1日目の旅程は終了です。

岡電 岡山電気軌道(東山線/清輝橋線)は交通系ICカードで乗車できます。運賃は均一制で大人140円ですが、岡山駅前停留所から近いエリアは大人100円で乗車できます(出典:岡山電気軌道
岡電 岡山電気軌道の東山線と清輝橋線は、岡山駅前〜柳川間で同じ線路を走りますが、ホームは路線別になっています。私の泊まったホテルは、どちらの路線からもアクセス可能でした
1日目 1日目のモバイルSuicaの利用履歴。720円の「物販」は、東海道新幹線内で購入したホットコーヒー(Lサイズ)とアイスクリームです

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