単体販売の“1円スマホ”にも割引規制を 4キャリアが有識者会議で提案

» 2022年12月05日 18時12分 公開
[田中聡ITmedia]

 総務省が11月29日に開催した「競争ルールの検証に関するWG(第37回)」にて、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルが、スマートフォンの値引きについて、新たな規制をすべきと提案した。

 この有識者会議では、電気通信事業法で改正した「通信料金と端末代金の完全分離」や「行きすぎた囲い込みの禁止」の効果や課題を議論している。2019年10月の法改正により、通信サービスの継続利用を条件とする割引は禁止され、通信と端末の分離が実現。一方、通信サービスとセットで販売する端末の割引は上限を「2万円(税込み2万2000円)」に制限した。

 ただし、通信サービスとセットではない端末単体、いわゆる「白ロム」の割引は規制対象となっておらず、上限なしでの割引が可能になっている。これに、端末の返却を条件とする端末購入プログラムの支払免除を加えると、機種によっては2年間実質1円で使うことが可能だった。また、iPhoneが「一括10円」で売られるというケースもあった。

1円スマホ とある家電量販店のNTTドコモコーナーにて。機種によっては「一括1円」で販売されているケースもある

 こうした割引施策は販売代理店が独自に行うケースが多く、ユーザー間で不公平が生まれたり、安価に端末を購入してより高値で転売する「転売ヤー」問題が発生したりした。また、端末単体販売を拒否するという法令違反も一部で見られた。

 そこで4キャリアは、端末単体販売に対しても、規制を設けるべきと提言している。

 ドコモは、通信とセットの場合は現在の2万2000円までの割引を維持し、単体販売については中古の販売価格を上限とすべきだとしている。その際、新品の価格が中古よりも安価にならないよう、携帯電話の買い替え年数や市場の新古品価格を基準に、業界一律で上限を設定すべきと要望している。つまり、割引額は一定ではなく、新古品の価格下落に合わせて割引額も下がることになる。

1円スマホ 端末の単体購入で割り引きを上限なく行えることで、端末の買い替え頻度が高い人ほど得をするという不公平感や、安価で買った端末をより高値で転売するという問題が起きていた
1円スマホ そこで、ドコモは単体販売の場合でも中古価格と同程度までの割引規制をすべきだと提案している
1円スマホ 新古品の販売価格に合わせて割引上下額を設定すべきだとしている

 KDDIも、端末単体の値引きを行うことでユーザーのニーズに対応してきたが、1社が過度な割引を行うと、自社も対抗せざるを得ない現状を説明。その結果、転売ヤーによる不適切な取引につながったことを指摘する。そこで、4Gから5Gに移行する場合のみ、通信と端末を一体化して、即時転売できないような仕組みを作るべきだと提案した。加えて、単体販売を含めて端末割引の上限を設定すべきだとしている。

1円スマホ 1社が過度な割り引きをすると、他社も対抗せざるを得ない状況になっている
1円スマホ KDDIは、4Gから5Gに移行する際は、回線と端末をセットにして割り引きをすることで、転売対策をする考え

 ソフトバンクも、通信とセットの場合のみならず、端末単体販売でも割引の上限を設定すべきだとしている。その基準は、端末発売当初は2万2000円で変わらず、中古で流通してからは中古買い取り価格を上限にする案を示している。また、SIMのみ契約でも2万2000円までの還元を受けられるが、端末割引を合わせると最大で4万円を受けられてしまう。そこで、端末セットとSIMのみ契約を合わせて2万2000円までの割引とすべきとした。

1円スマホ ソフトバンクは中古買い取り価格を割引上限に設定すべきとの考え
1円スマホ SIMのみ契約と端末割引の合計を2万円(2万2000円)とすべきと提案した

 楽天モバイルも、回線とセットかどうかにかかわらず、端末の割引は制限すべきと考える。その際、割引上限を一律にするのではなく、端末の価格帯に応じて上限額を変更する案を示した。例えば10万円未満の端末は現行の2万2000円までとし、10万円以上の端末は20%を割引額とするいうものだ。

1円スマホ 楽天モバイルは、端末の価格帯に合わせて割引上限額を設定すべきとの考え

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