続いて、画面サイズ、処理性能、カメラ性能についてPixelシリーズとiPhoneシリーズを比較していこう。
画面サイズと処理性能について、Pixel 7 Pro、Pixel 7、Pixel 6aと、iPhone側は代表的なモデルとしてiPhone 14 Pro、iPhone SE(第3世代)を並べた。画面にはベンチマークアプリ「AnTuTu Benchmark」の結果を掲載している。
画面サイズは、6型以上あれば後は好みで選びたいところだが、iPhone 14シリーズは角を丸めている上に上部のノッチが画面上部を占有してしまい、画面サイズの割に狭さを感じる。上位のPixel 7シリーズやiPhone 14 Proシリーズはリフレッシュレートが高く、画面スクロールなどがややスムーズに見えるという違いがある。
処理性能をAnTuTuの結果だけで語ると、iPhone 14 Proシリーズは最新のA16 Bionicプロセッサを搭載しており、Andoridの最新ハイエンドが採用するSnapdragon 8 Gen 1や8+ Gen 1と争うトップクラスの性能を持っている。次いで、iPhone 14やiPhone SE(第3世代)のA15 Bionic、Pixel 7シリーズのTensor G2が中堅どころだ。Pixel 6aのTensorはハイエンドでは下位だが、ミドルレンジのAndroidと比べればかなり高性能だ。
ただ、これらはAnTuTuで比較したプロセッサの性能の一側面だ。ある程度の目安にはなるが、完全な優劣を決められない点は注意してほしい。例えばTensor G2はAIの処理能力の向上を重視しており、機能も翻訳や音声認識、画像処理といった部分を強みとしてアピールしている。コストや規模を考えると、ゲーミング向けの最高性能はそこまでこだわっていないのだろう。また、実際の高画質ゲームの動作では、iPhoneの方が機種やプロセッサの種類が少ない分、アプリ提供各社の最適化が進みやすい。用途によって得意分野は異なる。
カメラについても静止画のみだが比較していこう。こちらも作例はPixelシリーズと、iPhone 14 Pro、iPhone SE(第3世代)を用いて撮っている。
最新のPixel 7シリーズとiPhone 14 Proシリーズは広角カメラに5000万画素クラスのクアッドベイヤーセンサーを搭載。高解像度と高感度の両方に強いセンサーだ。標準の1200万画素前後で記録するカメラの場合、2倍デジタルズームも明瞭に撮れる。超広角カメラはiPhone SE(第3世代)以外は全て搭載している。
Pixel 7 ProとiPhone 14 Proシリーズは、光学望遠カメラも搭載する。Pixel 7 Proは望遠かつ高画素で、光学5倍以上の高倍率デジタルズームも前提とした設計だ。10倍でも解像感があり、30倍でも見られる画質を維持している。またPixelシリーズは超ロングシャッターの星空撮影といった機能も搭載。Pixel 7 Proは非常に広いシーンに対応できる超小型カメラといえる。
一方、iPhone 14 Proは超広角から光学3倍まで静止画も動画もシームレスかつきれいに撮れる点を重視している。しかし望遠のデジタルズームは5倍を超えると細部が崩れてくる。
その他全体のモデルだが、今どきのスマートフォンのカメラで屋外や屋内で極端に色が崩れる、激しい白飛びや黒つぶれが起きるといったものは少ない。評価軸としては暗所撮影やナイトモードのきれいさになるだろう。そこで、夜景撮影を比較した。iPhone SE(第3世代)を除き、いずれもナイトモードに相当する機能を持っており明るく撮れている。
全体としてはやはりセンサーサイズの大きい上位モデルの方がノイズは少なく、撮影時に待つ秒数は1〜2秒と短い。上位モデルと比べセンサーサイズが小さいPixel 6aは撮影に5秒ほど待たされるが、撮れた写真は上位モデルに近い。このあたりは、ハードウェアの差異があっても画像処理で体験価値を補うPixelのポリシーが表れている。ナイトモード搭載モデルは、いずれも普段使いには十分な画質といえる。
なお、一番肉眼に近い明るさなのはiPhone SE(第3世代)だ。このモデルもナイトモード無しにしては十分な性能だ。店頭での販売価格を考えると妥当な画質といえる。
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