三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)、同社傘下の三井住友銀行(SMBC)と三井住友カード(SMCC)は3月1日から、新しい個人向け総合金融サービス「Olive(オリーブ)」の提供を開始する。各種取引をスマートフォンアプリ上で行う前提に立っていることが特徴で、利用者にはアプリから決済モードを切り替えられる「フレキシブルペイ」に対応するVisaカードも発行される。
先述の通り、Oliveは各種取引をスマホアプリで行うことを前提としている。利用者は、共通ID「SMBC ID」を登録することで金融サービスをシームレスに利用できる。SMBC IDは当初、SMBCの「三井住友銀行アプリ」と、SMCCの「Vpassアプリ」でのみ利用できるが(※1)、今後は他の金融サービスでも利用できるようになる見通しだ。
(※1)Webブラウザからのログインには対応しない(Webブラウザを利用する場合は、従来のログイン方法で利用可能)
SMBC IDでログインすると、対応サービスのいずれかで住所変更などの手続きを行った際に、他のひも付けたサービスでも当該の変更が自動的に反映される。事前のひも付けは必要だが、サービスごとに変更手続きをする手間が省ける。
Oliveの利用者は、SMBCの無店舗支店の普通預金口座(Oliveアカウント)を開設できる。対面での相談や手続きが必要な場合は、近隣のSMBCの支店/有人出張所で受け付けてもらえる。コールセンターも利用可能だ。既にSMBCの普通預金口座を持っている場合は、その口座をOliveアカウントとして使うことも可能だ。
Oliveアカウントでは、以下の特典が付与される。なお、選択制特典はプラチナプリファード会員は2つ、その他会員は1つ(申込月と翌月は2つ)を三井住友銀行アプリから選択して受けることになる。
(※2)三菱UFJ銀行の店舗外ATMも含む
Oliveアカウントの利用者は、専用のキャッシュカード一体型Visaカードを申し込める(※3)。このVisaカードはフレキシブルペイに対応しており、三井住友銀行アプリから「クレジットモード(※4)」「デビット決済(預金口座からの即時引き落とし)」「ポイント払いモード(※5)」を切り替えられる。
(※3)事業利用登録のある口座を除く
(※4)通常のクレジットカードと同様の後払い(月末締め/翌月26日払い)で、高校生を除く満18歳(一般カード以外は満20歳)以上で申し込み可能。三井住友カードの審査が必要(利用できない場合もある)
(※5)「Vポイント」を1ポイント=1円換算で利用可能(プリペイド扱い)。三井住友銀行アプリと「Vポイントアプリ」をひも付ける必要あり
カードは「ナンバーレス」かつ「サインパネルレス」で、カード番号とセキュリティコードが必要な場合はVpassアプリで確認する必要がある。券種は以下の3種類を用意おり、クレジットモードを利用できるカードでは別途ETCカードを発行することも可能だ(年会費550円:年1回以上利用すれば次年度無料)。
(※6)ポイント払いモードではVポイントアプリの「チャージ残高」として付与
(※7)補償対象外の場合もあり(ユーザーに責のある場合、暗証番号による取引など)
(※8)旅費などをクレジット/デビットモードで決済した場合に利用可能。希望者は別内容の無料保険に切り替えることも可能(詳細は後述)
(※9)クレジット/デビットモードで購入した動産(物品)が対象(対象外の動産/損害内容もあり)。補償を受ける場合は1回当たり3000円の自己負担金が必要
Oliveに対応する他社の金融サービスの第1弾として、SBI証券がOlive利用者に対する金融サービスを提供する。対象のサービスは以下の通りだ。
(※10)Vpassアプリとの連携は既に実施済み(2023年度上半期をめどに投資信託取引も対象に)
SMCCは2022年11月からVpassアプリ上で「保険ポータルサイト」を提供しており、Oliveでもこのサービスを利用可能だ。
その1つに「選べる無料保険」がある。フレキシブルペイ対応Visaカードを申し込んだ場合、標準では旅行傷害保険が無料で付与されるが、希望に応じて以下の保険に変更可能だ。ただし、保険の内容はカードの種別によって変わるので注意しよう。
また、Vpassアプリを通して三井住友海上が提供する「Vポイントが貯まる保険」を契約したり、ライフネット生命の提供する生命保険を契約したり、住友生命が提供している健康増進プログラム「Vitality」に参加したりすることも可能だ。SBIインシュアランスグループが提供する保険商品の提供や、マネードクターが提供する保険相談の提供も予定されている。
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