三井住友カードは2月1日、新しいクレジットカードとして券面にカード番号が一切ない「ナンバーレスカード」を発行する。2020年2月にはカード番号を裏面に配置するカードを発行していたが、これをさらに進めて、完全に番号記載を廃した。同社の大西幸彦社長は、「カード利用が日常化しており、それゆえに安心安全に対する利用者からの期待はいっそう高まっている。それに応えるべくナンバーレスカードをリリースした」と話す。
ナンバーレスカードは、券面のカード番号、有効期限、セキュリティコードというカード情報がない番号レスを実現したカード。裏面にカード保有人の氏名は表記されているが、カード情報がないため、番号を盗み見られて悪用されるといった被害が発生しない。
2020年2月に同社は、30年来のデザインを変更した新カードの発行を開始。カード表面からカード番号などのカード情報をなくして裏面に記載するデザインとしていた。同社の執行役員マーケティング本部長の佐々木丈也氏は、「この1年で、安心安全、キャッシュレス決済を使ううえでの心理的な課題が新しくなった」と指摘。カード情報を裏面化したことで、利用者のさらなる安心安全のために、番号自体がカードにないことが求められてきたという。
そうした声に応える形で、わずか1年でさらにカードデザインを変更し、カード情報を券面から完全になくした。サイン欄はあるため、店頭での利用には問題なく、通常通り支払いができる。オンライン決済でカード情報が必要な場合、スマートフォンアプリを使うことでカード情報が確認できる。
新型コロナウイルスの影響でキャッシュレス決済の普及に拍車が掛かっており、クレジットカードに関しては、さらに非接触でカードをタッチすれば支払いできるタッチ決済の利用が伸びている。同社におけるタッチ決済対応カードの発行は前年比2倍、利用回数は12倍という大幅な伸びで、クレジットカードのタッチ決済の重要性が増している。
新たなナンバーレスカードは、国際ブランドとしてはVisaとMasterCardの双方が発行でき、どちらもタッチ決済をサポート。ナンバーレス化と合わせて、コロナ禍でも安心して、安全に決済できる点をアピールする。
専用アプリもアップデートし、ワンタップでカードの利用制限や解除ができる。「ネット利用時のみ制限」といった細かい設定もできるため、利便性を確保しながら安全性を高められる。
タッチ決済の利用をさらに促進するために、主要コンビニエンスストア、マクドナルドでの利用でのポイント還元を増量する。通常ポイントは200円に付き0.5%を還元するが、セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソン、マクドナルドでは2%をプラス。さらにタッチ決済非対応のファミリーマートを除く各店ではタッチ決済で2.5%をプラス。最大で5%となるため、1000円に付き50ポイントが還元される。
今回のナンバーレスカード発行に伴い、キャンペーンとして新規入会と利用で決済金額の20%(最大1万1000円相当のVポイント)を還元する。また、新規入会、エントリー、会費決済で、Amazon Prime Studentの年会費2450円に対して3000ポイントをプレゼントする。
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