ドコモによると、オンライン来店は、既存のショップスタッフを活用していくという。ドコモのオンラインCX部長、岡慎太郎氏は「ドコモショップの代理店の方が参画する形で、サービス開始当初は約580店舗でスタートする」と語る。ドコモショップは現状、約2300店舗あることを考えると、やや少ないようにも思えるが、2月は「商戦期にあたるため、各代理店で稼働の確保や体制の構築にやや時間がかかる」(同)。4月頭には、約6割程度のドコモショップが参加する見通しだ。
オンライン来店のスタッフは、ドコモショップの店舗で応対するのが基本だが、オンライン対応の受付拠点を作ることも可能だという。代理店は複数のドコモショップを運営しているため、それをある程度集約して、オンライン来店に特化できるというわけだ。一方で、セキュリティの問題などもあり、現時点で在宅勤務には非対応。あくまでショップやショップに類する拠点とユーザーをつなぐためのサービスになるという。
代理店を通じたドコモショップというスキームをそのままオンライン化しているため、「こういった形で応対していただき、販売した商材や稼働の手数料はお支払いする」(同)という。逆説的だが、「接点ができた方に、店舗に来ていただく機会も出てくる」(同)可能性もある。代理店にとっては、手数料を稼ぐ手段になるだけでなく、来店促進のPRとしても使えるのがこの仕組みのメリットといえる。
ドコモがオンライン来店を開始する背景には、コロナ禍でショップへの来店数が減少していることがあるという。岡氏は、その経緯を次のように語る。
「コロナ禍でショップに来店するのが難しい状況があり、そこに応える形でオンラインショップの購入相談に乗るということをやってきた。これは直営でやってきたものだが、昨年後半から代理店にご協力いただいている。削減する店舗をオンラインに回すというより、お客さまの行動が来店からオンラインにシフトしている。そこに合わせて、ご相談の解決をするにあたって、ドコモショップのリソースを活用することにした」
こうしたオンライン化を進めていった結果として、2022年から井伊氏が語っていたように、ドコモショップは3割程度、削減していく形になる。来店機会が減り、余ったドコモショップのリソースをオンライン向けに振り分け直しているともいえる。オンラインでありながら、受付拠点を1カ所に集約していないのも、そのためだ。岡氏は「なじみの店舗で接客を受けたい方は少なからずいる」と語っていたが、ハードランディングを避けたのは、“代理店への配慮”という色合いも濃いように見えた。
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