完成形ではない「ドコモのオンライン窓口」 リアル店舗と同じことが即実現できないワケ石野純也のMobile Eye(1/3 ページ)

» 2023年02月25日 10時48分 公開
[石野純也ITmedia]

 NTTドコモは、2月28日に「オンライン来店」、3月27日に「オンライン手続きサポート」を開始する。2つを合わせた総称が、「ドコモのオンライン窓口」だ。どちらも、自宅などにいながらにしてサポートを受けられる仕組みで、サービス利用料は無料。サービスのオンライン化を進めるための手段として導入される。

ドコモのオンライン窓口 ドコモは、ドコモのオンライン窓口を開始する。サービス開始の速いオンライン来店は、2月28日にスタート

 前者は以前から、ドコモの代表取締役社長、井伊基之氏が導入を表明していたものだ。コロナ禍でショップへの来店数が減少するなか、オンラインへとかじを切ることでドコモショップの数も3割程度削減される見通しだ。後者は、既存のオンライン手続きのサポートを手厚くしたものと見ていいだろう。2つの新サービスの導入で、キャリアショップの在り方が大きく変わっていく可能性がありそうだ。

来店と手続きサポートの2つをオンライン化、異なるそれぞれの位置付け

 ドコモのオンライン窓口は、2つのサービスを合わせた総称だ。1つが、リアルショップをほぼそのままオンラインに置き換えたオンライン来店。もう1つが、スマートフォンやPCから契約や料金プランの変更ができる「my docomo」の操作などをサポートするオンライン手続きサポートだ。いずれも、料金は無料だが、その中身は大きく異なる。

ドコモのオンライン窓口 オンライン来店とオンライン手続きサポートの2つを合わせた総称が、ドコモのオンライン窓口となる

 まず、オンライン来店はその名の通り、オンラインでショップを訪れるイメージに近い。ユーザーは、対応しているショップの中から訪問したい店舗を選び、予約をする必要がある。応対するのも、それぞれのドコモショップのスタッフだ。対面での接客を、ビデオ通話に置き換えたものといってもいいだろう。

ドコモのオンライン窓口
ドコモのオンライン窓口 予約を取り、ビデオ電話でドコモショップのスタッフと相談できる。リモートでショップを訪問するイメージに近いといえる

 現状では、新規契約や機種変更は“相談”にとどまるものの、料金プラン変更の場合、ショップスタッフに相談した上で、その場で実行してもらうことができる。オプションなど、各種サービスの手続きもビデオ通話ごしでショップのスタッフに頼むことができる。スタッフはアバターで表示されることもあるというが、一般的なWebやアプリでの手続きとは異なり、その先に人が介在している安心感がある。

ドコモのオンライン窓口 料金プラン変更などの手続きは、そのままリモートで行える

 もう1つのオンライン手続きサポートは、あくまでサポートの延長線上にあるサービスだ。手続きはユーザー自身がmy docomoなどで行うが、その際の疑問点などを相談できる。あくまで相談だけだが、新規契約や機種変更にも対応しており、オンライン専用プランのahamoも対象だ。ahamoに魅力を感じている一方で、完全にセルフサービスになってしまうのには不安を感じるユーザーには、いい選択肢になりそうだ。

ドコモのオンライン窓口 オンライン手続きサポートは、my docomoなどの操作をサポートするためのサービスだ

 2つのサービスはオンラインという点で共通しているため、ドコモのオンライン窓口という同一のブランドの元で展開されるが、その性格や利用するユーザー層は異なりそうだ。前者は、どちらかといえば携帯電話に関するリテラシーがあまり高くないユーザー、後者は普段から手続きをオンラインで済ませているユーザーに向いたサービスといえる。同じオンラインでも、ユーザーの多様性に合わせて提供形態を変えているというわけだ。

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