100Gbpsの高速/大容量、低遅延 NTT東西が全区間光通信「APN IOWN1.0」商用化へ

» 2023年03月03日 16時00分 公開
[雪城あさぎITmedia]

 NTT東日本、NTT西日本は3月3日、IOWN構想の実現に向けた商用サービス「APN IOWN1.0」の商用化を発表した。100Gbpsの高速/大容量通信を低遅延、ゆらぎなく提供するもので、3月16日より販売を始める。

 APN(All-Photonics Network)IOWN1.0は、以前よりNTT東西が開発してきた光(フォトニクス)ベースの通信技術を活用し、従来の電子ベースの通信と比較して伝送容量を125倍、ユーザー間の遅延目標値を200分の1、電力効率を100倍とする技術。通信ネットワークの全区間で光波長を占有し、インタフェースに光伝送網を多重に収容する光伝送網規格「OTU4」を採用することで高速、大容量、低遅延の通信が可能となるという。

APN IOWN1.0 IOWN構想のイメージ(出典:NTT研究開発

 APN IOWN1.0のネットワークサービスとして、「高速広帯域サービス powered by IOWN」も提供する。現在提供している100Gbps通信サービスにOTU4のインタフェースを追加したもので、1契約あたり月額198万円(税込み)で提供する。イベント会場などとサテライト会場、リモート拠点といった場所の接続を想定している。

APN IOWN1.0 サービスの提供イメージ
APN IOWN1.0 提供サービスの概要

 あわせて端末装置「OTN Anywhere」の販売も始める。光信号を受信してOTU4に変換し出力する機能の他、拠点の遅延測定結果をログとして出力し可視化する機能を備える。NTT東日本では3月2日に事前受付を開始し、NTT西日本では準備が整い次第順次サービスサイトにて案内を行う。

 今後は遠隔での合奏やレッスン、eスポーツ、リモートでの映像制作などの機器の遠隔操作、データセンター間の連携といった活用の他、ユーザーと連携して利用シーンの創出を行う。2025年の大阪・関西万博では来場者が体験できるよう、APN関連技術の高度化に向けた研究開発を進めるとしている。

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