通信品質がよく、中容量で料金が安いNEOプランは、実際に契約しているユーザーからも好評だ。ソニーネットワークコミュニケーションズ MVNO事業室 室長の茂木卓也氏は、「通信料金が納得できるからという理由がバリュープラス、NEOプランともに上位に入っているが、NEOプランでは通信にストレスを感じなさそうだからという評価も多い。取り組みがエンドユーザーに評価いただいている」と語る。
NEOプランのような料金プランを契約するユーザーは、大手キャリア(MNO)からのMNPが多く、その割は徐々に増加しているという。茂木氏によると、2022年7月調査時の35%から直近では39%まで比率が増加しており、MVNO同士で限られたユーザーのパイを奪い合う構図から徐々に脱却している様子も見て取れる。品質を上げることで、大手キャリアに真っ向から勝負を挑んだのがNEOプランといえる。
こうした評価は、契約者獲得にも直結しており、バリュープラスやNEOプランを導入した2021年以降、2年で累計加入者数は2倍に伸びた。解約するユーザーもいるため、この数字がそのまま純増数になるわけではないが、解約率は「特段大きく増えているわけでも減っているわけでもない」(同)。ユーザー数は順調に伸びていると見て間違いないだろう。全体の中でNEOプランに申し込むユーザーの比率も「上がってきている」(同)という。
一方で、市場環境を見ると、先に挙げたように、ユーザーのデータ使用量は年々増加している。茂木氏も、総務省のデータを引きながら「1契約あたりのトラフィックは1年で1.2倍、5年で2.3倍と増加傾向にある。生活様式やスマホの楽しみ方が変わってきていると考えている」と語る。NEOプランの20GBでは、早晩、データ容量が不足することになりかねない。大手キャリアでも料金プランの大容量化が進んでいるため、その受け皿も必要になる。
実際、NUROモバイルのユーザーからも「現行の20GBよりデータ容量の大きなプランを求める声が増加している」(同)という。これを受け、NUROモバイルが新たに発表したのが、データ容量を40GBに拡大したNEOプランWだ。ゼロレーティングサービスの「NEOデータフリー」や上げ放題といったNEOプランの特徴はそのままに、データ容量を倍増させたのがこの料金プラン。3カ月に1回もらえるGigaプラスは、NEOプランと同じ15GBのため、実質的には45GBプランとなる。ここまでデータ容量が大きな料金プランは、MVNOとして異例だ。
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