MVNOとしては異例 NUROモバイルが40GBの「NEOプランW」を提供する狙い石野純也のMobile Eye(1/3 ページ)

» 2023年03月11日 09時40分 公開
[石野純也ITmedia]

 5Gなどの高速通信規格の普及や、動画コンテンツの拡大などに伴い、ユーザーのデータ使用量は年々増加している。大手4キャリアの使い放題プランが伸びているのは、その理由だ。一方で、これまでは比較的小容量で料金の安いプランが中心だったMVNOも、徐々に中容量、大容量にシフトしつつある。

 このような中、ソニーネットワークコミュニケーションズが展開するNUROモバイルは、専用帯域を用いたNEOプランを拡充する。データ容量を40GBに増やした月額3980円(税込み、以下同)の「NEOプランW」が、それだ。合わせて、小容量の料金プランを中心にそろえている「バリュープラス」には、NEOプランの通信品質を体感できるオプションを用意し、誘導を図る。その戦略を見ていきたい。

NUROモバイル NUROモバイルは、3月8日にNEOプランWの提供を開始した

徐々に中・大容量化が進むMVNO、ここに先手を打ったNUROモバイル

 調査機関や調査の仕方にもよるが、ユーザーのデータ使用量は年々増加傾向にある。ここ数年で5Gのエリアが広がり、動画コンテンツも拡充してきたことがその理由だ。中・大容量プランの料金が下がり、気軽に契約しやすくなったのも一因といえる。実際、ドコモでは大容量プランの「ギガホ」や、中容量プランのahamoが伸び、ARPU(1ユーザーあたりからの平均収入)を下支えしている傾向が見えてきた。

 その恩恵を受けているのは、大手キャリアだけではない。今までは小容量の料金プランが中心だったMVNOも、徐々に中容量プランを充実させる方向にシフトしている。例えば、個人向けのMVNOでシェア1位のIIJmioは、4月1日に「ギガプラン」の一部容量を改定。料金そのままで4GBプランを5GBプランに、8GBプランを10GBプランに変更する。

NUROモバイル IIJmioは、4月1日から4GBプランと8GBプランのデータ容量を増量する

 この料金改定に関し、IIJのMVNO事業部 コンシューマサービス部長の亀井正浩氏は「中容量帯の利用が増えてきている印象がある」と語る。複数回線でデータ容量をシェアする利用形態も定着してきているという。同様に、2022年12月にドコモのエコノミーMVNOに参画したTOKAIコミュニケーションズのLIBMOも、自社で展開する料金プランは20GB、30GBの「なっとくプラン」が主力だという。

 直近では、エックスモバイルが3月9日に発表した、起業家の堀江貴文氏プロデュースの「HORIE MOBILE」も20GBプラン一択だ。大手キャリア各社が料金値下げに踏み切った後、接続料も下がり、MVNOも接続点のボトルネックを解消しやすくなった。結果として、通信品質は全体的に向上している。その意味で、以前よりMVNOが中容量・大容量プランを展開しやすくなったといえる。

NUROモバイル 3月9日に発表されたエックスモバイルのHORIE MOBILEも、データ容量は20GB一択だ

 こうした動向をいち早く料金プランに反映させていたのが、ソニーネットワークコミュニケーションズのNUROモバイルだ。同社は2021年11月に高品質な通信環境をうたった20GBの「NEOプラン」を発表。翌2022年4月には、NEOプランから一部のオプションサービスを省いた「NEOプランLite」を導入している。格安プランとして展開しているバリュープラスとは通信帯域を分け、MNOに近い品質を目指しているのがNEOプランの特徴だ。

NUROモバイル
NUROモバイル NEOプラン専用の帯域を用意し、MNOに近い通信品質を実現した

 また、特定のアプリ、コンテンツとの通信を通信量の計算から除外するゼロレーティングサービスも「NEOデータフリー」として積極的に取り入れており、LINE、Twitter、Instagram、TikTokのデータ量がその対象になる。このゼロレーティングを上りの通信全体に拡張した「上げ放題」も、NEOプランの特徴だ。契約を継続している場合、3カ月ごとに15GBが付与される「Gigaプラス」に対応しており、契約から4カ月目以降は、実質的に月平均25GBプランとして利用できる。

NUROモバイル
NUROモバイル NEOデータフリーやGigaプラスも、データ使用量の多いユーザーにはうれしい取り組みといえる
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