Reno9 Aが快適さやデザインを重視して開発された背景には、前モデルのReno7 Aのコンセプトがユーザーに受け入れられ、高い評価を得ていたためだ。オウガ・ジャパンのプロダクトマネージャー、中川裕也氏は「シンプルで質感の高いデザインと、バランスの取れている機能性に高い評価が集まった」と語る。コストパフォーマンス以上に、そのデザインが評価され、「半分以上の方がデザインと回答した」(同)という。
OPPOのスマートフォンというと、コストパフォーマンスの高さに注目が集まりがちで、実際、Reno5 A以前の端末は、「アンケートを取るとコスパが1位だった」(同)。一方で、Reno7 Aでは「それが5位以下になっている」(同)といい、端末の方向転換がユーザーにしっかり伝わっていることが見て取れる。後継機であるReno9 Aでも、その強みを生かす判断をした格好だ。
一方で、スペックを見ると、Reno7 AとReno9 Aでは、ほとんど変化がないことも分かる。先に挙げたメモリは増量されているものの、プロセッサはどちらもQualcommのSnapdragon 695 5G。メインカメラのセンサーやマルチカメラの構成なども変わっていない。バッテリー容量は2機種とも4500mAh。ディスプレイも6.4型のフルHD、90Hzで、解像度などまで全て同じだ。
このような視点で捉えると、Reno9 Aは、新モデルというより、Reno7 Aの兄弟機にも見えてくる。少なくとも、マイナーチェンジのモデルであることは間違いない。Reno7 AとReno9 Aは併売されるモデルではなく、Reno7 Aからの機種変更もほぼいないと思われるReno9 Aだが、日本市場でのReno Aシリーズはその年を代表する“OPPOの顔”となるモデル。その意味で、インパクトに欠けているのは事実だ。
スマートフォンの頭脳ともいえるプロセッサを据え置いた背景を、オウガ・ジャパンのプロダクト部 企画課の齋藤裕明氏は、「チップセット(プロセッサ)は前モデルと同じSnapdragon 695だが、製品全体と価格のバランスを考慮したのが採用の理由」と説明する。Reno Aシリーズは「ミドル帯の価格でワンランク上の体験をコンセプトに企画してきた」が、「Reno 7Aでのニーズはデザインやサクサク感にあると感じた」(同)。その長所を伸ばすため、ガラスを採用し、「メモリを6GBからシリーズ最大の8GBに増加させている」(同)という。
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