3万円で買える5Gスマホ「Infinix Note 30 5G」 作りは甘いが可能性は感じる山根康宏の海外モバイル探訪記

» 2023年07月25日 13時16分 公開
[山根康宏ITmedia]

 Infinix、Itel、Tecnoの3社はアフリカやインドを主力の市場とする中国Transsion(伝音)傘下のメーカー。3社のシェアはアフリカでほぼ半数に達するほど人気があります。

 低価格モデルを中心に成長を続けてきた3社ですが、最近はインドで5Gが開始されたこともあり、5Gスマートフォンも投入を始めています。また、市場を拡大し、東南アジアでも製品を見かけるようになりました。2023年6月にタイのバンコクを訪れたところ、Infinixの最新モデル「Infinix Note 30 5G」が大々的に販売されていました。

Infinix Note 30 5G Infinixの5Gスマホ「Infinix Note 30 5G」

 プロセッサはMediaTek Dimensity 6080を搭載。最近の海外モデルではハイエンドはQualcommのSnapdragon 8系搭載モデルがメジャーですが、ミドルハイレンジ以下のクラスではMediaTek採用製品が目立ちます。フラットなディスプレイは6.7型(1080×2460ピクセル)、カメラは1億800万画素と200万画素の深度測定と補助カメラ。バッテリーは5000mAhで45Wの急速充電に対応。価格は7499バーツ(約3万円)です。

Infinix Note 30 5G 3万円で買える5Gスマホだ

 本体サイズは76.5(幅)×168.5(高さ)×8.5(奥行き)mm、重量は205g。意外と軽量ですが、手に持ってみるとやや厚さを感じます。このあたりはまだまだ側面形状などデザインに工夫が必要なところかもしれません。価格重視のモデルでもあり、無理して薄型化を目指しているわけでもないのでしょう。

Infinix Note 30 5G 205gと軽量だが、持ってみると厚さを感じた

 OSはAndroid 13ベースのXOS 13を搭載します。UI(ユーザーインタフェース)による差別化は大手メーカーならどこもやっており、Pure Androidモデルの方が実は少数派です。なお1600万画素のインカメラはパンチホールの孔がやや大きいなど、このあたりもコストダウンのモデルであることが感じられます。

Infinix Note 30 5G 独自UIを搭載したXOSを採用

 カメラ部分はあえて台座を大きくすることで目立たせています。レンズが左側に寄っているため、デザインバランスは悪くないと思います。

Infinix Note 30 5G カメラ周りを拡大してみた

 カメラのUIはモードの部分を上にスワイプするとクイック設定パネルが出てくるため、使いやすいと感じます。中国大手メーカーの製品は画面の上からスワイプで設定パネルを出しますが、片手ではやや操作しにくいときもあるのです。カメラを「Photo」ではなく「AI CAM」にするあたりは、新興国のユーザーに高画質カメラ搭載モデルであることをアピールしたいのでしょう。

Infinix Note 30 5G XOSのカメラUIは使いやすかった

 全体的な作りには若干の甘さが見えましたが、数年後には先進国で普通に売れるレベルの製品が出てくるだろうな、と期待できます。Transsionは中国大手メーカーとの直接的な競合を避けるためアフリカを中心に進出しましたが、今後東南アジアを制することができれば、いずれは日本などにも上陸することも十分あり得るでしょう。

Infinix Note 30 5G 数年後は先進国でも見かけるようになるかも

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