筆者は、メインの携帯電話回線に求めることは、「とにかく爆速(≒場所を選べば超高速に通信できること)」ではなく、「都心部はもちろん、地方や高速移動中でもある程度の速度で通信できること」です。
生活圏内(東京都内)に限っていえば、ドコモ回線よりも楽天モバイル回線の方が快適に使えることは体験済みです。しかし、新幹線や高速バスでの移動中や地方での滞在時は、つながらないことが少なくありません。KDDIとの新たなローミング契約を締結したことで再びエリアは広がったものの、それでも“穴”は多めなのでメイン回線としての運用は厳しそうです。
ドコモの通信品質について「特定の場所/時間帯で通信速度が遅い」という声が多かったのですが、筆者はどちらかというと「混雑している(≒たくさんの端末が集中してしまっている)とは思えないような、近所のスーパーを始めとする商業施設で日常的に通信品質が突然悪化することがあり、通信品質が悪い場所の予測が付かないことに困っていたのです。
振り返ると、ドコモでは新しい通信規格/端末への移り変わりのタイミングで、特定の時間帯や場所で通信品質が低下することがありました。
例えばAndroidスマホの販売が増えたタイミングでは、朝/夕の通勤時間帯にターミナル駅とその周辺で急に圏外になったり、データ通信ができなくなったりする事象が起こりました。また、Xi(LTE)がスマホに実装され、急速に普及し始めると都市部では通信速度が遅く感じるようになりました。
ただ、いずれの例も時間帯や場所が“読めた”ので対策は比較的容易でしたし、SNSやスマホ決済のように常に通信できることを前提としたサービスがあまり普及していなかったこともあり、通信が途切れたり遅くなったりしても大きなストレスを感じることはありませんでした。また、特に東名阪エリアでは利用可能な周波数帯の拡大と設備増強によって通信状況が着実に改善していった印象もあります。
翻って、最近は常に通信できることを前提としたサービスが普及しています。例えばANA(全日本空輸)では、おサイフケータイ対応端末やマイレージカードをかざして国内線の搭乗を行える「SKiPサービス」を2022年3月をもって終了し、その代わりにApple Pay/Google ウォレットやアプリで表示した「モバイル搭乗券(二次元バーコード)」で搭乗できるサービスを開始しました。
海外から日本に渡航してきた際の税関申告も、主要な国際空港(※1)については「Visit Japan」でのオンライン申告が推奨されるようになりました。これも、常に通信できることを前提とした取り組みです。
(※1)新千歳空港、成田国際空港(第3ターミナルを除く)、東京国際空港(羽田空港:第2ターミナルを除く)、中部国際空港、関西国際空港、福岡空港、那覇空港
それゆえに、いろいろ検討した結果auへの乗り換えを決めた次第です。
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