では、なぜReno11 Aは5万円を下回る価格を打ち出せたのか。オウガ・ジャパンのプロダクト部 プランニングマネージャーの坂井公祐氏は「グローバルの仕様に合わせていくことで、スケールメリットを生かした」と語る。具体的には、防水・防塵(じん)の仕様がIPX8/IP6XからIPX5/IPX6にダウンしている。おサイフケータイには引き続き対応しているものの、その他の部分はグローバル版に準拠することでコストを抑えたというわけだ。
プロセッサがQualcommからMediaTekに変更されたのも、こうした戦略を踏まえたものだという。坂井氏は、「トータルで価格をどう抑えるか。性能を下げるわけにはいかないので、この価格帯で優れた性能を持っているプロセッサを選択した」と話す。
実は海外では、Reno11 Aに先立ち、「Reno11 F 5G」というモデルが2月に発表されている。海外モデルのため、おサイフケータイには非対応だが、プロセッサや急速充電、ディスプレイ、カメラなどの仕様は同じ。一部カラーや背面処理も共通している。兄弟機というより“双子”に近い。防水・防塵のスペックがグレードダウンしているのも、グローバルモデルとの共通化が進んだためだ。
もともと日本専用モデルとして開発され、いわゆるベースモデルがなかったReno Aシリーズだが、Reno11 Aでは、その立ち位置がやや変わっていることがうかがえる。背面が光を受けて輝くOPPO Glowは、ダークグリーンのみ。コーラルパープルに日本市場では珍しい派手なテクスチャーが採用されているのも、グローバルモデルとの共通化が進んだためだろう。
コストパフォーマンスの高さや日本仕様を盛り込んだことで人気を博しているOPPOのReno Aシリーズだが、ここに「待った」をかけるメーカーも徐々に増えている。発表を同日にぶつけてきたのが、レノボ傘下のモトローラだ。同社は、moto g64 5Gを6月20日に発表。Y!mobile向けには、メモリ容量を減らし、コストを抑えたmoto g64y 5Gを用意した。
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